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“鉄砲”を使いこなすためには適材適所の人材配置をスマートな経営のためのラウンドテーブル(2/3 ページ)

スマートフォン、クラウドといった新たなIT機器やサービスの登場で企業における経営の在り方も変わりつつある。各社が判断に迷う中、iモード立上げメンバーの1人、夏野氏が今後いかにITを使いこなすべきかを語った。

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“鉄砲”の本質を把握すべし

 では、クラウドやスマートフォンの本質とは何なのか。

 まず、クラウドの場合、ネット上にすべてのアプリケーションが移行したことで、パッケージソフトが不要になり、ブラウザさえあればサービスが受けられるようになった。個人のデバイスで所有していたデータもネット上に置かれるため、デバイスに対する依存度も大幅に下がった。

 また、SNSの登場により人間関係が可視化され、相互作用により新たな知が日常的に発生する状況になっている。

 「知識や経験などのバックグラウンドをベースに双方向型コミュニケーションが活発化し、新たなアイデアが日常茶飯事のように生まれている。今は、複雑系知識ネットワークが正に実現している時代といえる」(夏野氏)

 オープンな環境でさまざまな人々とコミュニケーションを取ることが個人の成長につながるのだ。企業は社員一人一人が自ら情報収集、発信するのを妨げるべきではない。それにもかかわらず、Webサイトの閲覧制限、Webメールの遮断などの措置を取っている企業はいまだ多い。

 また、クラウド時代にはセキュリティも予防型から事後型へと変える必要がある。予防型だとセキュリティを厳格にし過ぎるあまりクローズドな環境になってしまい、コミュニケーションから次々と生まれる知識の波に乗り遅れる恐れがあるからだ。

 続いて、夏野氏はスマートフォンについて触れた。同氏によればスマートフォンはPCの延長線上に位置づけられるという。一般的に、汎用OSを基盤にタッチパネルが搭載されたものと理解されがちな特徴は真の定義ではないと夏野氏は注意する。

 「例えばiOSは汎用OSではない。また、タッチパネルを搭載している携帯電話は山ほど存在する。モバイルデバイス上で動作するアプリケーションにしても原点はJava基盤の携帯電話であり、スマートフォンが最初ではない」(夏野氏)

 スマートフォンではセキュリティや個人が負う責任の範囲もコンピュータにおける常識が適用されるようになる。また、スマートフォンの場合、ネット接続が前提となっているため、WiFi利用があらかじめ想定されている。このようにスマートフォンは、電話の延長線上に作られた携帯電話とは設計段階からしてそもそも発想が異なるのだ。

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