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戦略を実行する第4ステップ――ミッションを浸透させる戦略が確実に実行され、業績が上がる組織の動かし方(1/2 ページ)

ミッションは浸透し、日々の行動に落としこまれていなければ何の役にも立たない。ミッションが浸透していないと感じるのであれば、その方法を考える必要がある。

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 昨年11月からスタートした今回のシリーズでは、「戦略が確実に実行され、業績が上がる組織の動かし方」ということについて話している。前回の第4回目は戦略を実行する第3ステップとして組織の人材を分析することについて話したが、今回はミッションを浸透させることについて解説する。

21世紀型組織のあり方とは

 先日FIFA(国際サッカー連盟)による年間最優秀監督賞になでしこジャパン監督の佐々木則夫監督が選ばれ、年間最優秀選手に澤穂希選手が選ばれた。澤選手は受賞のスピーチで、「このような素晴らしい賞をいただけたのは、会長、監督、コーチ、チームメート、家族、友だち、今まで女子サッカーに携わってくれた、すべての方々のおかげだと思っています」と述べた。澤選手は「サッカーは1人でやるものではない」とよく語り、仲間との団結力が一番大切だと語っているそうだ。全員が献身的にプレーするからこそ、総合力で相手を退けられると断言する。

 20世紀は組織に一人ひとりの能力の高い人が集まり、彼らが思い思いに活躍することで組織は成果を残し、成長していった。米国型組織ともいえるだろうか。しかし、21世紀の組織はそれとはまったく異なる。ただ能力の高い人たちを集めるのではなく、彼らにどのような役割を与え、目標に向かって動いてもらうか、集団としていかに成長させるかが大切になる。先日のワールドカップでも、個の力はアメリカのチームが強かったかもしれないが、なでしこジャパンは組織として強く、優勝を果たした。チーム、組織の力を発揮させることが欠かせないのである。

 話がそれるが、先日大阪市長選挙が行われ、橋下徹氏が選ばれた。少し前には、芸能界から政界に転身した東国原英夫氏が注目を集めたが、彼は今は影を潜めている感がある。東国原氏と橋下氏の違いは何だろうか。やはり組織を持っているかどうかではないかと思う。

 日本を変えようという意思は両者ともに持っていると思うが、東国原氏は仲間をあまりつくらず1人で行動することが多いように感じた。橋下氏は1人でできることは限られると思い、維新の会を立ち上げ、仲間を増やしていった。今の影響力を見ると、それが大きな差となっているのではないか、と思う。

 組織を持ち、それを動かす力を持つ人のバリュー、世の中への影響力は計り知れない。21世紀は、個人を連携させて能力を発揮させる組織が大切になるのではないかと思う。

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