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勝間氏と4省庁が語るテレワークの今(2/2 ページ)
このたびテレワークJAPANシンポジウム2012が開かれ、経済評論家の勝間和代氏や、経産省など各省庁のテレワーク担当者が考えを示した。
テレワークセンターの活用
厚生労働省では、労働条件を重視してテレワークを推進していく。具体的には、育児や介護休業、短時間勤務、短時間正社員制度など個人の置かれた状況に応じた多様かつ柔軟な働き方を支える制度の整備、それらを利用しやすい職場風土作りを進める。労働基準局 労働条件政策課長補佐の小島敬二氏は「テレワークを導入したことで労働条件が悪化してはならない」と意気込む。こうした推進策によって、同省では2015年までに700万人の在宅型テレワーカーの創出を目指す。
国土交通省もテレワークを推進する省庁の1つだ。元々、国土計画を担当していた国土庁が人口や経済などの東京一極集中を是正すべく、機能分散を目的にテレワークを手段として検討していた。
現在、同省では特にテレワークセンターの普及に力を入れる。テレワークセンターとは、会社や自宅以外で仕事をしたい人たちに向けて提供される施設であり、2011年10月から2012年1月にかけて国交省が実験的に運用していた。設置場所は、郊外型センターとなる多摩(東京都)、関内(横浜市)、幕張(千葉市)の3カ所と、都心型センターである品川、東京、霞が関の3カ所で、約900人の利用実績があった。今回の実験結果を踏まえて、今後は利用料金の是非や設置場所の拡充などを検討していく。
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