経営者は、世界経済が厳しい時こそ、若い人材の育成に力を入れるべきである!:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
仕事に取り組むときにぜひ考えてほしい、どうすれば自分の価値が上がるのか。利益に貢献する人材になれば、世界経済が厳しくとも恐れることはない。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
少なくとも5年は、世界経済は停滞、低成長を余儀なくされるでしょう。現在、世界経済や株式市場の不安定要因となっている欧州債務問題は長期化する公算が大きく、世界の先進主要国は「財政再建」という重荷を背負わされることになるからです。欧州、米国、日本のいずれも大規模な財政赤字を抱え、その再建を急がなければなりません。したがって、景気浮揚のための財政出動という政策はほとんど期待できません。
では、新興国はどうでしょう。リーマンショック後の世界経済を救ったのは、間違いなく新興国でした。ところが、ここへ来て頼みの新興国経済にも暗雲がたれ込めてきています。先進国の金融緩和政策がインフレを呼び、先進国で生じた金融不安が投資資金の引き揚げという事態を招いているからです。
これから5年間、世界経済は大変不安定な時代を迎えることになるでしょう。リーマンショックという大きな歴史の転換点のあと、今後、しばらく世界経済は「連続性」に支配され動いていきます。したがって、世界経済に何が起きるのかを冷静かつ客観的に見通し、それに基づいた適切な行動や生活防衛に取り組むことで、その痛みを最小限に抑えることは可能であると思われます。
資産運用によってお金を大きく増やすことは期待できそうにもありません。株やFXで一攫千金を狙おうなどと欲を出すのではなく、地道に仕事に励んでコツコツと資産を増やすことを考えるほうが賢明です。
ビジネス経験の浅い若い人ほど、投資や資産運用よりも仕事を中心に据えて行動すべきです。若いうちに仕事の経験やスキルをしっかり身に付けないと、いくつになっても仕事がうまくできず、給料も上がらない人間になってしまうからです。
資本主義は「弱肉強食」の社会ですから、能力のない人間はどんどん取り残されてしまいます。しかし、頑張れば頑張った分だけ報われるのも、資本主義の良い面です。自分を高め、豊かで生きがいのある人生を手に入れるための競争であれば、積極的に参加するべきではないでしょうか。
若い人が仕事に取り組むときにぜひ考えてほしいのは、「どうすれば自分の価値が上がるのか」ということです。会社にとって求められる人材とは、会社の利益に貢献してくれる人材です。大企業でも大規模なリストラや賃金カットをする時代ですが、会社に必要とされる人材になれば、真っ先に切られませんし、貢献度次第ではむしろ昇給や昇格のチャンスだって転がってくるかもしれません。つまり、「自分の価値を上げる=会社に利益をもたらす人材になる」ということなのです。
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