仕事のあり方でも、「仕事はそんな甘いもんじゃない」「仕事が楽しいなんて幻想だ、お金をもらうのは大変なんだぞ」と働くことの楽しさよりも厳しさを教わったりもしてきました。子供のころは「パイロットになる」「野球選手になる」と言ったら、「きっとなれるよ」と夢を抱かせてくれたのに。
その結果、「私=他の人より劣っている」「私=難しいことはできない」「感性だけでは飯は食えない(学力が大切)」「仕事=厳しいものだ、楽しくないものだ」と、まるで考え方をプログラミングするかのように、思考習慣やセルフイメージを身に着けてきたのでしょう。
さらに、それらの情報をもとに自分自身でも「どうせ私は……」「しょせん仕事なんて……」と考えて、「私=こういう人」というセルフイメージを作り上げてきたのです。
社会人になった今、このような関係性は親や先生から、職場の上司や同僚に変わってきているかもしれません、けれども、この瞬間もこれらは続いています。
やる気が出ない本当の理由
もし、自分のことを認めてもらえず、励ましてもらえず、褒めてもらえず傷ついたままだとしたら、やる気が出てこないのも当然です。「私=こういう人」という思考のクセやセルフイメージも、やる気に影響を与えています。自分が傷ついていることに気付いていない人もたくさんいますし、自分が持っている思考のクセやセルフイメージに気がついていない人もたくさんいます。
ここを解決しないまま、表面的なテクニックやライフハック的なスキルで何とかしようとしても、一瞬はやる気が出たとしても、いずれは「やる気の出ない無限ループ」に引き戻されてしまうのです。
「癒されていない傷」「『自分には価値がない』という思考のクセやセルフイメージ」……あなたのやる気が出ない本当の理由はここにあります。
「誰か」や「何か」に何とかしてほしい?
ここまでお読みになって、ひょっとしたら「周りの人が自分のことをもっと認めてくれたらいいのに、励ましてくれたらいいのに、褒めてくれたらいいのに」と、過去に関わりのあった人々を恨みたくなったり、現在、周りにいる職場の上司や同僚にそれを求めたくなったりしている人がいるかもしれません。
「もっと認めて!」「もっと励まして!」「もっと褒めて!」……周りの「誰か」や「何か」に変わってほしいのは誰もが願うことです。
けれども、周りの「誰か」や「何か」に変化を求めても、それは難しいということはあなた自身が最も知っているでしょう。周りが変わってくれないから、今のような現実になっているのですから。
周りはなかなか変わってくれません。でも、あなた自身が、頑張ってきた自分を認め、褒め、ねぎらうこと、そして「やる気を出してもいいんだ」と自分に許可を出すこと、自分の思考のクセに気がつき、あなたにとって望ましい姿に修正していくことならできそうです。つまり成否は「自分はどうしたいのか」「自分は何を選択するのか」にかかっています。
無限ループから抜け出すために
それでは、「やる気が出ない無限ループ」を抜け出し、「やる気が出るループ」に入るためのいくつかの方法をご紹介しましょう。
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