ビジネスに直結するプレゼンテーションのテクニックを学ぶ:ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(2/3 ページ)
アイティメディアが開催している「ITmediaエグゼクティブ勉強会」にマイクロソフト テクニカルソリューションエバンジェリストである西脇資哲氏が登場。エバンジェリストとしての活動で培ったプレゼンテーションの経験やノウハウを生かし、「カリスマエバンジェリストに学ぶ、聴衆を魅了するドラマチックなプレゼンテーションとは」と題した講演を行った。
相手の人数やシチュエーションで手法を変える
プレゼンテーションには、以下の通りいくつかの種類がある。
- オーソドックス型
- 詳細(ビジー)型
- フラッシュプレゼンテーション
- デモンストレーション
- 機能説明型
- 完全・較型
- スティーブ・ジョブズ型
オーソドックス型は、タイトル、図、説明(箇条書き)で構成される一般的なプレゼンテーションである。また詳細(ビジー)型は、1枚のプレゼンテーションにいくつもの情報が書き込まれたプレゼンテーションである。情報が多いので視点誘導が難しい。ある内容を説明していても、別の情報を見ている可能性が高くなる。そのため大人数へのプレゼンテーションには向いていない。3人程度の少人数へのプレゼンテーションで、視点誘導ができる場合に有効な手法になる。
また、フラッシュプレゼンテーションは、詳細(ビジー)型の対極にある手法で、1枚のプレゼンテーションに大きな文字で簡潔に単語を記述する手法である。通常のプレゼンテーションは1枚で数分の情報量だが、フラッシュプレゼンテーションは1分の内容が数十枚のプレゼンテーションになる。「高橋メソッド」と呼ばれることもあり、IT業界で多用されるほか、テレビ番組のテロップも以前は長い文章だったが、現在ではフラッシュプレゼンテーションが多用されている。
「どれを選ぶかは、相手の人数やシチュエーション、伝えたいことなどで変化し、組み合わせることも有効になる。例えば、前半はフラッシュプレゼンテーション、中盤は詳細(ビジー)型、終盤はオーソドックス型といったプレゼンテーションもある。特に、相手の人数が少なければ情報量は多くても良いが、人数が多い場合(会場が大きい場合)には、視点誘導のテクニックが必要であり、スライドは簡潔で情報量は少なめが効果的となる」(西脇氏)
プレゼンテーションは"事実"と"意見"のバランスが重要
テーマ・シナリオ作りには、起承転結を取り入れる。特に途中で「へ〜、と興味を持たせる話」を取り入れることが有効になる。また「サクセスストーリー」「とホラーストーリー」がある。サクセスストーリーとは、成功体験から有効性をプレゼンテーションする手法であり、ホラーストーリーは失敗体験から有効性をプレゼンテーションする手法である。西脇氏は、「両方できることが望ましいが、ホラーストーリーで危機感を共有できることがより有効になる」と話す。
「成功体験は誰でも話すことができる。ホラーストーリーは、危機感を共有できるので、その製品がほしいというデマンド(必要性)が生まれやすくなる。サクセスストーリーで成功体験を話しても、あの人は特別だから、あの会社とうちは違うからと共感できないことがある。デマンドを植え付けるためには、ホラーストーリーのほか、今だけ、皆さんだけ、先着100名などの"希少性"と、おまけを付けるなどの"魅力"の3つがある。これで成功しているのが、テレビ通販番組だ」(西脇氏)。
またプレゼンテーションには、"事実(Fact)"と"意見(Opinion)"のバランスが重要になる。西脇氏は、「例えば、男女のケンカで、女性が"あのときこういったじゃない"というのは事実(Fact)であり、男性が"あのときはこう思ったんだ"というのは意見(Opinion)といった具合だ。プレゼンテーションでは、事実だけでも、意見だけでも伝わりにくいものになってしまう」と話している。
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