声を変えれば、うまく話せる!――「声」の認知的不協和を解消せよ!!:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
せっかくいい話をしているのに一本調子でメリハリがないのは聞き手の心に残らない。相手の心に残る話し方とは。
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話が一本調子で大事なポイントが伝わらない
話をしているうちに「もう少しゆっくり!」「大切なポイントが分からない」などと言われたことありませんか?
自分のペースで早口で話してしまい、聞き手の心に残らない話し方になってしまう時は、聞き手のことよりも、「自分が言いたい」という思いが先にきている場合が多いようです。
せっかくいい話をしているのに、話が一本調子でメリハリがないのはもったいないこと。
実は頭の回転が早い人、本を速読できてしまう人ほど話が一本調子になりがちなのです。相手を「自分と同じ理解力がある大人」と思って話すと、聞き手の心に残りません。
聞き手は3才
相手の心に残る話し方をするには、まず相手のイメージを変える必要があります。
聞き手を「3才の幼稚園児」と思って話してみましょう。3歳の子どもに「むかーし、むかし あるところに、おじいさんとおばあさんが……」と読み聞かせるようなペースで話し始めましょう。
最初は、内容よりも、あなたと、あなた自身の声を、相手に慣れさせる必要があります。ゆっくりと話し始めることによって、「わたしは一方的に情報を届けるのではなく、あなたに理解してもらいたいのですよ」というメッセージを送ることができます。
そのメッセージは「この人はわたしが分かるように気づかって話してくれている」「わたしのことを大切に思ってくれている」と聞き手の潜在意識に受け止められるようになるのです。
スピードと音色を変えて、メリハリをつける
ゆっくり話しはじめて聞き手を安心させることができたら、そこからは相手の表情を見ながら少しづつスピードを上げていっても大丈夫です。ただし、「ここ」という重要ポイントを伝えるときは、話すスピードを極端にゆっくりにすることが大切です。
例えば「話し方を磨くことは大切ですが、声を磨くことでさらに説得力のある話し方ができるようになります」とういう文章を、ただ話すだけでは相手にどこが大切かを記憶させることはできません。
何を一番相手に訴えたいのかを考えましょう。
ここで相手に最も伝えたいポイントは、「声を磨くこと」です。「声を磨くこと」という部分のスピードを遅くし、スローモーションのようにゆっくり話すことで相手の脳にインプットできるのです。
大事なことはのどの奥で話す
さらに、大切なポイントを伝えたいときは「喉の奥に口がある」と思って話してみましょう。
のどの奥に口があってそこから話しているイメージをすると、喉が開き、胸で声が響き合い、重厚感のある響きをもった周波数の「声と話し方」に切り替わります。
高い声で悩んでいるという男性や、キンキンした声になってしまうという女性にも、この「のどで話す」という方法は落ち着いた声に切り替わるという効果があります。喉や口周りの余分な緊張感が取れ、聞いていて心地いい、説得力のある声が、自然に生まれるのです。
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