検索
連載

9割の人ができるのに、やっていない仕事のコツビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

どんな企業でも「優秀な社員」には共通点がある。その共通点は他の人でもできるのにやっていないことだったりする。優秀な社員の秘密とは。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。



9割の人ができるのに、やっていない仕事のコツ: こんな「当たり前のこと」で大差がつく!

 みな一生懸命に仕事をしています。しかも、そのほとんどの人が「なぜ、頑張っているのに思うような成果がでないのか」「なぜ、努力しているのに、会社は評価してくれないのか」という疑問を抱いています……。

 こんな残念な話はありません。

 みな当たり前のことを、当たり前のようにやっているはずなのに、なぜ、同じ能力、同じ年齢で、成果に差が出てしまうのでしょうか。その最大の理由は、その「当たり前」の中味が微妙にズレているからです。

 その一方で、どんな企業でも、「優秀な社員」には共通点があります。しかもその共通点というのは、本当は9割の人ができるのに、やっていないことだったりするのです。今回はその代表的なものを2つ紹介したいと思います。

相手の話の「背景」を読む

 「共感力」だけで、ビジネス偏差値は「プラス10点」加点される……。そう言っても大げさではないくらいに、企業の中では共感力が求められています。共感力というのは、相手の立場に立って、行動やその底流にある考え方や感情を理解する力のことです。

 30代にもなれば、社内ではリーダー的な役割が多くなり、早い人ではマネージャーに昇進して部下を育て、管理することが求められるようになります。よく「名選手、名監督ならず」と言われますが、ビジネスの世界でもまったく一緒。

 才能に恵まれた人は、できない人の気持ちが分からないので、できないメンバー本人にフィットした適切な方法を明示することができません。だから、プレーヤーとしては優秀だったのに、管理職としては無能という烙印を押されてしまうのです。

 関係他部門との調整でも、この共感力がモノを言います。例えば、営業パーソンが仕事を取ってきたら、次のプロセスを担当するのは、技術部門や制作部門の人たちです。彼らは、営業がつねに自分たちの立場をおもんぱかっているかどうかを評価しています。口にこそ出しませんが、露骨に行動に反映させるのです。

 無理な納期調整やお客さまのわがままのような仕様変更に対し、ねぎらいの言葉をかけたり、細やかな配慮、フォローを忘れなかったりする営業に対しては、徹夜、休日出勤もまったくいといません。

 しかし、実際のところ「お客さんがやれと言っているから、悪いけどよろしくね」的な営業パーソンが多いようです。このスタンスが売れない営業の特徴です。社内の関連部門にさえ共感できない人が、顧客のかゆいところに手が届くはずがありません。「共感」こそが、ビジネスコミュニケーションのキモとなりますので、ここは文字通り、そう肝に銘じておいて下さい。

 一番手っ取り早く「共感力」を高める方法は、「相手がそう言っている背景」を読み解くことです。キーワードは「背景」ということになります。ここで重要なのは「コミュニケーション力を高める」といったような漠然としたとらえ方をしないようにすること。「背景」に焦点を当てることが肝心です。

 例えば、優秀な総務部員と凡庸な総務部員との違いは昼休みに現れるそうです。総務部というのは、一般社員のためのサービス部門ですから、お客さまは一般社員ということになります。その一般社員は総務部になんらかの用事があるときは、自分の手の空いている昼休みに片づけようとすることが多く、その時間に総務部を訪ねたり、電話で問い合わせをしたりするわけです。

 当然、その時間は総務部員も昼休みですが、その時に「社員さんが昼休みに時間を見つけて来てくれている」と思うか、「自分も昼休みなのに……」と思うかで、一流と二流が決まると言われています。その時間に社員から電話が来る「背景」を読み解けば、「自分も昼休みなのに……」という感覚は生まれてこないはずです。これが共感力です。

 相手の言動の「背景」を推測する、そこを知ろうとすることによって共感力は磨かれます。もし共感力に課題を感じているのなら、まずはそこから始めてみてください。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る