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営業ならもっと数字で考えなきゃ!── 51のフレーズで学ぶ関西商人の魂ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

ダメな営業マンは「来月は頑張ります!」と言うだけで、いつまでたっても達成できない。デキる営業マンは目標達成のために何をしているのか。

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営業ならもっと数字で考えなきゃ

 半年ほど前、古くからの友人に、営業コンサルタントとして活躍しているSさんを紹介してもらったときの話である。待ち合わせ場所である大阪市内の某料理屋に、時間ギリギリに到着すると友人とSさんは先に到着していた。私が店員に個室に案内されると、友人は開口一番、こう言った。

 「まいど! また本書いたりして忙しいみたいやね? 儲かってしゃあないんとちゃうの?」そして、私はこう返す。「まぁボチボチやってますわ」関西では当たり前のようにかわされている日常のあいさつである。

 このやりとりを聞いていたSさんは、こんなことを言った。「いきなりのあいさつが"お金"の話って、やっぱり関西人って商売上手なんでしょうね」

 単に、英語の「ハウアーユー?」、「アイムファイン」を関西弁に翻訳したらこうなってしまうだけの話なのであるが、話を聞いていると、どうやらSさんは、「ナニワの商人」を非常にリスペクトしているようだった。営業という仕事は、突き詰めると次の2つの原理原則があると考えられる。

  • 商品・サービスをお客さまに喜んで買ってもらう。
  • その結果、売る側(営業)がきっちりと儲ける。

 前者に関しては、笑いをとりながらお客さまを喜ばせるのがうまい。そして、後者に関しては、日常のあいさつで「儲け」の話が出てくるほど、損得にうるさい。これが、Sさんが「ナニワの商人」をリスペクトする理由だそうだ。

そして、次のようなことを言った。「きっと関西では、普段仕事をしていても、売買に関する金言や格言がいくつも出てくるんでしょうね? 香川さん、次は"営業"をテーマにした本を書いて下さいよ」

 それまであまり意識していなかったが、言われてみれば、私のクライアントや知人には「売る」才能に長けた人が多く、営業に関する金言や格言はたくさん集められそうだ。しかし、私の前2作は、『もっと仕事は数字で考えなきゃ!』、『リーダーならもっと数字で考えなきゃ!』というタイトル通り、ビジネスパーソンに対して「数字」で考えることの重要性を説いた内容である。日常的に数字目標を与えられることの多い営業マンからすれば、「そんなこと、言われなくても分かってますから。」と言われるのがオチだろう。

 そんな話をしたところ、Sさんは次のようなことを言った。「いやいや、多くの営業マンは数字で考えている"つもり"になっているだけです。売上目標があるから、当然、どの営業マンも最終的な数字は意識しているでしょう。しかし、ダメな営業マンはその数字を意識するだけで終わりです。結局、売上目標が達成できなければ、"来月は頑張ります!"と言うだけで、いつまでたっても達成できない。一方の、デキる営業マンは、目標を達成するために売上に至るまでの営業プロセスを分解して、どのプロセスに問題があるかのかを、数字を使って分析しています。そして、問題のあるプロセスの質を改善して、売上目標を達成しているんです。そういう意味では、本当の意味で数字を理解しているのは、一部の営業マンだけではないでしょうか」確かにその通りだろう。

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