マジックで心の豊かさを10倍に!――6つのポイントで信頼関係を構築する:ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(1/2 ページ)
初めて会った相手の心を引きつけるためにはどうすればいいのか。より良いコミュニケーションで、相手との信頼関係を築く6つのポイントをオーロラ・ビジネススタイル研究所 代表である野口雅代氏が紹介する。
「ITmediaエグゼクティブ勉強会」に、オーロラ・ビジネススタイル研究所 代表である野口雅代氏が登場。『「相手の心を引きつける6つのポイント」一期一会を大切に! より良いコミュニケーションが信頼関係を築く』というテーマに基づいた楽しいコミュニケーション方法を、得意のマジックを取り入れながら紹介した。
その1:信頼関係の構築に向けた人との接し方
「全国に行っているご縁で“あったかふくしま観光交流大使”をしている。福島といえば野口英世さんが有名ですが、わたしも“野口”です。“野口英世”さんとはご縁があるかもしれない。実際は親戚かどうかは分からないが、人は皆どこかでつながっているもの。この会場の皆さんとも遠い親戚かもしない、そんな気持ちでいつも人と接している」(野口)
野口英世さんといえば1000円札ですが、と言って、1000円札を10倍の1万円札に変えるマジックを披露して、「北海道から九州まで、さまざまな企業、団体で講演しているが、参加した皆さまの心が10倍豊かになるセミナーを心がけている」と野口氏は話す。
「ずっと一緒に仕事をしている人との人間関係が重要なのはもちろんだが、初めて出あった人とのご縁や信頼関係の構築、その後の人脈の広がりもより重要になる。特に自分の人生や仕事に“気づき”を与えてくれる人とは、末永くお付き合いしていきたいと思うものである」(野口氏)。
会社組織で働いた人が、会社を辞める、あるいは定年退職した場合、会社の肩書きではなく、自分自身の名前でその後生き続けることになる。「西川さんは、死ぬまで西川さん」なのである。家に帰ると父の役割、夫の役割など、いろいろな役割がある。常に役割が変化する中で、そのあり方により行動も結果も変化する。
例えば信頼関係の構築に向けた人との接し方だが、接客にはその人の心のあり方が出る。野口氏は、「普段思っていることが、自然と行動に出てしまう。相手に対して、役に立ちたい、喜んでほしいと常に考えている人は、その思いが相手に伝わり、信頼関係という良い結果を生み出すことができる」と話す。
これが「返報性の法則」である。返報性の法則は、自分が「おはよう」と挨拶すれば、相手からも「おはよう」と帰ってくるように、自分が行ったことが自分に返ってくるという法則である。
その2:「感じのいい」自分を作る
人と人の信頼関係は、その人の心のあり方で決まるが、ビジネスにおいては見かけで90%が決まる。「ビジネスセミナーの講師が穴の開いたTシャツで講演していたらその人の話を信用できるだろうか?」と問いかける。ビジネスにおいては、見かけで判断してしまうことが多いので注意が必要である。
「社会人には2つの能力が必要である。1つはビジネスに関する知識や能力で、2つ目は人間関係を円滑にするコミュニケーション能力である。どんなにすばらしい知識を持っていても、それが相手に伝わらなければ宝の持ち腐れである」(野口氏)。
コミュニケーション能力に関しては、表情で得している人、損している人がいる。例えば、にこやかな人、無表情な人、不機嫌そうな3人の店員がいた場合、あなたはどの店員に声をかけるだろうか。多くの人は、にこやかな人に声をかけるだろう。
人は経験上、ひと目でその人が敵か味方かを判断する能力を持っている。特に口角を上げると第一印象は非常に良くなり、話しかけやすい人という印象になる。また口角が上がると脳が楽しいと判断し思いこみ、ナチュラルキラー細胞が増加し、ガン細胞を減少させる働きがあると言われている。
「ビジネスでは健康であることも重要。辛いときにでも笑っていれば脳が疑似体験でナチュラルキラー細胞を放出し、副作用なしに健康になれる。一方、言葉と行動が違っていれば、自分の言葉は伝わらず、信頼関係も築けない。最終的には、自分で自分を否定して病気になってしまう」(野口氏)
その3:好感を持たれる話し方、聴き方のポイント
ビジネスの基本は、人と話をすることである。このとき相手に信頼される話し方が必要になる。同じ内容の話を聞いても、この人の話なら信用できると思った経験はないだろうか。視線や表情、声のトーンや大きさ、話すテンポや内容で、印象は大きく変化する。
「会話のときに相手の目を見るアイコンタクトも重要になる。凝視すると威圧感を与えることもあるので、鼻のあたりを見ることで挑発的になることなく見てくれているといういい感じになる」(野口氏)
無意識にするマイナスの表現も注意が必要。「コップにもう水が半分しかない」と「コップにまだ水が半分ある」では、同じ水の量でも受ける印象が大きく異なる。どこに焦点をあてるかで、相手とのコミュニケーションの質が大きく変化することになる。
一方、聴き上手も相手の心を惹きつける。「聞く」のではなく、相手の話に関心を持ち「14の心で聴く(耳、十、四、心を組み合わせると“聴”になる)」こと。すなわち「傾聴」することが重要である。
「話しを聴いてもらえることで、相手は受動的ではなく、能動的に話してくれるようになる」と野口氏は言う。
このワークショップでは、参加者がペアになり、まずは片方の人が楽しかったことを話しているときに、聴き側は相手の目を見ず無視する。次に相手が話しているときに聴き側は相手の目を見てうなずくことで、どれだけ印象が違うかを理解できる。
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