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デジタル・ビジネスの担い手は、CIOであるべきか?Gartner Column(2/3 ページ)

デジタル経済は、企業が製品やサービスにおいて新たなデジタル化の機会を追求する必要がある。しかし、デジタル・ビジネスをいつでもサポートできる「デジタル・コア」がなければ、こうした機会を完全に生かすことはできない。

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 ・顧客満足度を高めるためにオムニチャネル戦略が必要になる。企業はWebポータルなどのデジタル・チャネルを既に導入しているが、大半は個別の施策で行われトランザクション処理システムやその他ERPなどのバックオフィス・ソリューションと連携していない。そのためシステム間の同期が十分に行われず、プラットフォームの一貫性が欠如し、結果としてシステムの複雑性が高まり、顧客データから整合性が失われる場合もある。こうなると企業のスピードは低下し、ITチームの信頼が失墜する。デジタル・チャネルが顧客対話の主流モードになる中で、容認できるものではない。

 ・新しいデジタル・チャネルが新しいタイプのデータ (ブログやIMからの自由テキストといったソーシャル・メディア・データ、位置情報、動画、音声などのモバイル・データ、など) を大容量で捕捉している。そのため企業はこうしたデータを取り扱い、他に活用することを余儀なくされている。BI/アナリティクスなどの先を見据えたインテリジェンスを使って、収集済みのデータから学び、新しい情報と知識を生み出すことは、もはや必須となった。外部にあるデータへのビジネスの依存度はますます高まるだろう。

 ・モノのインターネットは、データを収集する「主体」を生み出している。無限とも言える製品がさらにデジタル化され、ますます多くのテクノロジが組み込まれるようになっている。そこで、かつては存在しなかった「モノ」から生み出される追加的なデータを取り扱える、開かれたデジタル・ビジネス・アーキテクチャと高度なアナリティクス・プラットフォームの必要性が高まっている。

 ・一部の企業では既に、売り上げ貢献においてデジタル・ビジネス戦略が意味を持つようになっている(貴社でもすぐにそうなる)。デジタル化による売り上げがアナログによる売り上げを上回ることすらある。そうなると明らかに、処理速度が遅く閉じられた古いITコアを主力製品の基盤にしておくことはできない。

 ・デジタル・ビジネスは産業を破壊する可能性を秘めているため、取締役会や最高責任者層から大きな注目を集めるようになり、デジタル化を強く要請している。そのためITコアの刷新では、デジタル・ビジネス戦略とその実行、そして将来の企業の成功を完全にサポートすることを目指す必要がある。CIOは命じられる前に、こうしたサポートを提供できる態勢を整えておくべきである。

 ・ビジネス・アジリティは、新しいデジタル時代の企業に不可欠である。これは、3つの技術的要素を完備したデジタル・コアがなければ達成できない。

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