あなたが何もできないのは「時間がない」からではない:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
「もっと時間があったらできるのに」……。さまざまな事業に取り組んでいる堀江貴文氏は、そんな言葉に疑問を感じると話す。本音で生きるために必要なこととは?
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
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「もっと時間があったらできるのに」……。そんな言葉をよく聞くが、本当だろうか?
私は現在SNS株式会社ファウンダーとして、さまざまな事業に取り組んでいるので、疑問を感じた「本音で生きる」(SBクリエイティブ刊)を刊行したのは、本音で生きるために必要なことを知ってほしいからだ。
「時間」のせいにして現状維持を選んでいないか
私は「本音で生きる」で、本音で生きるために必要なこととして、
- 言い訳しない
- バランスをとらない
- プライドを捨てる
という3つを挙げた
なかでも言い訳、特に「時間」を言い訳にする人はかなり多いように思う。
「時間がないからできなかった」「時間があればできるのに」。これはかなりの人が言っている。しかし、時間はみんなに平等だ。成功する人には時間があって、成功しない人には時間がない、なんてことは当然ながら、ない。
恐らく「時間がない」というのは、「それをはじめると今やっている何かをやめなければならないが、それができない」ということなのだと思う。しかし、世の中はトレードオフだ。時間がないなら、どちらかに決めなければならない。むしろ、「何かをはじめるなら、何かを捨てなければいけない」ということは、当たり前のことだと知っておくことだ。
もうひとつ、「朝から晩まで働いて、睡眠時間もろくにとれていない!」と怒っている人もいる。
そんな忙しさはまやかしだ。
他人に要求されるがままに自分の時間を差し出していると、忙しいように感じるかもしれない。けれど、それは目の前のことに没頭していないから、意味もなく忙しい気がしているだけだ。
そして、そもそもそんな状況が嫌ならなぜ変えようとしないのか。結局、不満はあっても、現状を維持するほうがその人にとって「楽」だから、そうしているだけなのだ。言われた本人は不本意だろうが、人間は自分で思っている以上に、合理的な行動をとっている。そう、いつの間にかトレードオフで「現状」を選んでいるのだ。
あなたはどちらだろうか。現状に満足とはいえなくても、行動を変えるほどの大きな不満はなくて、どうでもいいことばかりを考えている人もいるかもしれない。
すべての時間を最適化せよ
もし、やりたいことをやるために前向きに努力をしたいなら、お勧めしたいのは、「時間の最適化」だ。これは私も日々心掛けていることで、常に時間の使い方を改善しようとしている。
最近行なった改善としては、夜のイベント出演を抑えたことが挙げられる。以前は、トークライブハウスでイベントを開催していたが、集客の関係で、開始時刻はどうしても午後7時以降にせざるをえない。そうなると終了時刻は午後9時半になってしまい、まともな食事のできる店に行けなくなってしまう。うまい食事は、私にとって極めて重要だからこれは痛い。しかも、トークイベントに出演したところでたいしたギャラをもらえるわけでもない。それなら一般の集客にはこだわらず、「堀江貴文サロン」の会員向けとして早い時間帯にトークイベントをやったほうがいいと考えた。
うっかりしていると、毎日がルーチンになりがちだ。「これ無駄だな」と思ったら、すぐ改善するのだ。
仕事の上でも、PDCAという考え方があるだろう。PDCAとは、「Plan:計画を立てる」→「Do:実行する」→「Check:評価する」→「Action:改善する」のこと。企業経営ではPDCAをいかに高速に回すかがカギとなるが、同様にして、自分自身についても、PDCAのサイクルを回す。その対象となるのは、24時間365日、自分の人生のすべてである。
なお、改善の結果、自分が苦しくなっては本末転倒だ。私は、できる限り労力を使わず、楽しみながら自分のやりたいことが実現できるように改善を行なっている。意志力を奮い起こして、自分に無理を強いるようなやり方は長続きしないだろう。
隙間時間を最適化する
特に見直したいのは、隙間時間だ。待ち時間や、少し空いた時間など、ちょっとした時間は誰にでも生まれるだろう。隙間時間の最適化については、無駄な待ち時間を減らすことだけではない。「隙間時間」自体を有効活用して最適化をはかるという方法もある。この活用については、皆さんも使っている「スマホ」が時間の使い方を大きく変えつつある。
以前であれば、タクシーに乗っている時、携帯電話から部下を呼び出して指示を出したり、メールを打ったりしていた。今はスマホになり、できることが格段に増えている。私がよく使うのは、LINEとニュースアプリだ。LINEを使えば、複数の人間に対してリアルタイムでメッセージを送れるので、通話やメールよりもはるかに効率よくコミュニケーションをとれる。時間や場所の制約を受けることなく、たくさんのビジネスを同時並行で進めることができるようになった。
場所から場所への移動時間は必ずしも無駄とは限らない。移動中に別のことができる環境、ツールさえ整えておけば、生産性を高める貴重な時間に変わる。
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