あなたが何もできないのは「時間がない」からではない:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
「もっと時間があったらできるのに」……。さまざまな事業に取り組んでいる堀江貴文氏は、そんな言葉に疑問を感じると話す。本音で生きるために必要なこととは?
スマホが隙間時間を「価値ある時間」に変える
そもそも「待ち時間」にスマホを眺めること自体、大事なことでもあるのだ。
知り合いとレストランで食事をしていてその人がちょっと席を外したら、今まではボーッとしているしかなかった。ところがスマホがあれば、その短い時間だけでもかなりのことをこなせる。情報を収集してもいいし、仕事の進捗状況を確かめて返信することもできる。
「スマホ依存」を問題視する人もいるが、重要なのはどうスマホを使うかだ。70億人が隙間時間を使って、これまでにできなかったことを行なえるようになる。それによって、ものすごい価値が生まれつつあることをもっと認識すべきだろう。
よくある隙間時間に対しては、あらかじめその間にする仕事も決めている。例えば原稿チェックなど5〜10分で終わりそうな仕事は、5〜10分の空き時間に行なうようにしている。例えば車で30分移動するとしたら、アプリのチェックを10分くらいでして、あとの20分は原稿が2個あるから2個チェックしようなど。そのほか、ニュースアプリやTwitterで情報を仕入れたり、LINEグループをチェックして返信したり、10分程度でできる仕事もたくさんある。そうしたものをどんどん終わらせている。10分程度の仕事をあえて隙間時間にやることにするのもひとつの方法だろう。
コアバリューだけに集中せよ
だが、自分1人でいくら頑張っても改善には限界がある。有益な時間を生み出すためには、積極的に外注を使うべきだ。人に仕事を任せることなしに本当の意味での改善を実現することはできない。
私が見るところ、たいていの人は得意でないことまで無理に自分でやろうとして、パンクしてしまっている。あるいは、自分の持っているスキルや資格にこだわりすぎて、それに関係した仕事は全部自分でやらなければいけないと思い込んでいる。
自分がすべき本当の仕事、自分の持つ「コアバリュー」が見えなくなっているのだ。
例えば、本を出版ことを考えてみる。あなたは面白い書籍企画を思いついたが、その分野に関する知識もなければ、本を書いた経験もない。そんな時、どうするのか。
何年もかけて知識を蓄え、文章を書く練習をして、出版社に持ち込む? そんなことをしている間にせっかくの企画は古くなってしまうだろう。では素人が書籍を出版することは無理かといえば、そんなことはない。全部自分でやろうとするから、無理だということになってしまうのだ。
ではどうしたらいいか。それは単純なことだ。
自分にコンテンツがないというのであれば、コンテンツを持っている人に話を聞きに行けばいい。まだ世間的にはそれほどメジャーでなくても面白いコンテンツや発想を持っている人はたくさんいる。インタビューや執筆が苦手だというのなら、それが得意な人に外注すればいい。宣伝が苦手なら、それも外注だ。企画が面白いのであればやりたいという人は現われるし、その人達と利益を分配すればよいだろう。出版社に企画を持ち込んでも断られるのであれば、電子書籍を自分で作って直接電子書店で売ることだってできる。
新しいビジネスを立ち上げる際も、今は基本的に社長を務められる人間を見つけてきて、大枠の方向性を決めたら彼らに任せるようにしている。ビジネスの立ち上げ当初は、進捗状況などもLINEなどを通じてチェックし、細かくマネジメントするようにしているが、彼らが慣れてくれば私の負担はほとんどなくなる。
これを繰り返していけば、複数のビジネスも同時並行で進められる。ビジネスを同時並行で進めるのは大変だと思うかもしれないが、実際は1つのビジネスだけを進めるよりもはるかに効率がよくなる。マーケティングや広告などのノウハウも事業同士で相互連携できるからだ。LINEやSkypeといったツールを使うことで、時間や場所の制約にとらわれることなく、ビジネスを自由に展開できるようになった。
ここまで見て、自分がムダな仕事をしていると思ったら、すぐに動いてみてほしい。こうしたものはノリだ。やろうと思った時にできる人が、結局勝っている。今すぐ動けるかどうかが、将来の自分を左右するカギにもなる。
著者プロフィール:堀江貴文(ほりえ たかふみ)
1972年福岡県八女市生まれ。実業家。SNS株式会社ファウンダー。元・株式会社ライブドア代表取締役CEO。東京大学在学中の1996年、23歳のときに、インターネット関連会社の有限会社オン・ザ・エッジ(後のライブドア)を起業。2000年東証マザーズ上場。時代の寵児となる。2006年証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され、実刑判決を下され服役。現在は、自身が手掛けるロケットエンジン開発を中心に、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活躍。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者。2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文サロン」をスタートした。近著に『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『我が闘争』(幻冬舎)、『逆転の仕事論』(双葉社)など。
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