なぜ、あの人は「本番」に強いのか:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
テストの勉強をせずに、いざ本番で頑張っても問題は解けない。プレゼンでは、席に着いたところで本番の勝負がついているのは分かるだろう。
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本番力のある人は、前日も準備する。ない人は、間に合わないと諦める。
本番力のある人は、実は「準備力」があるのです。スティーブ・ジョブズも、信長も、直感的に動いているようで、実は、細やかな準備をしているのです。
本番力のない人は、「本番力」という言葉の解釈を間違えています。「本番力は、準備とは関係ない。どんなに準備をしていなくても本番で頑張る力が本番力だ」と思っているのです。
本番力の8割は、準備の力です。
例えば、プレゼンでは、席に着いたところで本番の勝負がついています。一番分かりやすいのは、テストです。テストの勉強をせずに、いざ本番で頑張っても問題が解けるわけはありません。
テストなら分かるのに、仕事となると、急にその簡単な理屈が分からなくなってしまうのが本番力のむずかしいところです。
準備には、
(1)前日の準備
(2)長期間にわたる準備
の2通りがあります。
本番力のある人は、「明日のために、あと何ができるだろうか」と前日に入念な準備をします。
本番力のない人は、「しょせん明日のことだし、今日は休養しよう」「お参りに行っておこう」と、最後までの準備を頑張ろうとしません。
本番力のある人は、翌日のシミュレーションを前日にしているので、本番は2回目の体験になります。本番力のない人は、本番が初めての体験です。2回目の体験の人と初めての体験の人が戦うと、2回目の体験の人が勝つのは当たり前です。
「しょせん明日まで、たかだか24時間しかないし、できることはないから」と諦めないことです。24時間あれば、できることは無限にあります。ギリギリまで諦めないのが、本番力のある人なのです。
本番力のある人は、10年前から準備する。ない人は、一夜漬けでなんとかしようとする。
本番力がある人の長期的な準備は、最低10年前から始めます。
一番分かりやすいのは、オリンピック選手です。オリンピック選手は、4年後のオリンピックを目指して計画を立てるのではありません。8年後に当たる、次の次のオリンピックに向けて準備するのです。
次のオリンピックに向けて準備する人は、2回前のオリンピックから準備している人に比べて勝てる可能性は少ないです。これは、宇宙飛行士のトレーニングも同じです。レベルの高い仕事であればあるほど、短期間でなんとかなるものではありません。
ところが、本番力のない人は、一夜漬けでなんとかしようとします。
テストの場合、「ここが出るに違いない」とヤマを張ります。そういう人は、一度、ビギナーズラックを体験したことがあるのです。そのおいしい思いは、成功体験の負の財産として、かえって本番力をなくすことになるのです。
小学校のテストなら、一夜漬けでなんとかなります。大人の社会では、一夜漬けでなんとかなるものはありません。同じプレゼンをしても、10年前から準備されていた企画と、一夜漬けでできた企画はまったく違います。
企画書を書くだけなら、一晩でできます。その企画書を書くための準備は、一晩と10年とではまったく違うものになるのです。
本番力のある人かない人かは、英語の勉強の本を買う時にはっきり分かります。本番力のない人は、「2週間で英語がペラペラになる」という本を探します。本番力のある人は、「10年で英語がうまくなる」という本を探します。
ところが「10年で英語がうまくなる」という本はなかなかありません。そんな本を買う人は少ないからです。
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