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イライラしない人の習慣ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

イライラするのもしないのも自分次第。どうすればイライラしなくなるのか?

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なくなったのではない。大切なものを、手に入れたのだ。


『イライラしない人の63の習慣』

 リーダーとして、大事なメンタル力は、イライラしない力です。一流のリーダーは、どんな事態であっても、眉一つ動かしません。二流のリーダーは、ささいなことでも、イライラしています。

 イライラする原因は、「自分が今まで持っていたものがなくなるのではないか」という喪失感です。何かが手に入る時は、別にイライラはありません。あったと思ったものがなくなる、来たと思ったタクシーがとられるという喪失感でイライラするのです。

 人生において、なくなるものは一つもありません。全ては交換です。なくなるのではなく、もっといいもの、もっと大切なものが手に入るのです。

 例えば、モノがなくなる、恋人がいなくなる、仕事がなくなる、肉親が亡くなる……、そういう時は、必ず新しい何かが入ってきます。それはモノ、ヒト、カネに限りません。そのものがなくなることによって、何かを学びます。

 それも大切な何かが入ってくるということです。自分が持っているものがなくなって、もっといいものが来た時に、イライラはなくなって、ニコニコになるのです。イライラするのは、なくなっただけで、次のものがまだ入ってこない時です。

 例えば、恋人にフラれてワンワン泣いていた女性が、もっといい彼と巡り合うと、突然、「別れてよかった」と言い始めます。さっきまで泣いていた人はどこに行ったのかという話です。その人自身には、何の変化もないのです。もっといい恋人が現れたなら、分かりやすいです。

 大切なものが手に入っても、気付かないことがあるのです。なくなったものばかり見て、手に入っているものを見ないからです。人間は、自分の手に入っているものは、あえてフォーカスして見ようとしません。「あれがなくなった」とか「あの人が去った」とかいうところばかり見るのです。

 なくなった時には、必ず交換で何かが手に入っています。まずは、それに気付くことです。そうすれば、イライラはなくなります。まだ手に入っていなくても、間もなくそれはやって来ます。

 例えば、来月、海外旅行に行く人がいます。まだ「海外旅行」自体は起こっていません。それでもイライラしないのは、ワクワクしているからです。ところが、まだ連絡が来ないということにはイライラします。まだ起こっていない出来事にイライラするか、ワクワクするかは、その人自身が判断することなのです。手に入れたものに気付くことで、イライラは消えるのです。

神様になろうとすると、イライラする。神様の手伝いをすると、イライラしない。

 まじめなリーダーほど、イライラします。いいリーダーじゃないから、イライラしないのではありません。いい人かどうかは、イライラするかどうかとは、関係のない話です。イライラする人ほど、まじめで、一生懸命で、いい人です。

 まじめで、一生懸命で、いい人になるとイライラしなくなるかというと、そんなことはないのです。「ちゃんとしなさい」と言われて、ちゃんとしていてもイライラはなくなりません。むしろ、ちゃんとしようと思えば思うほど、イライラします。

 それが完璧主義です。完璧主義の人は、究極、神様になろうとしています。あれもこれも、これもあれも、全部しようとしているのです。「私はこんなに一生懸命、部下を育てようとしているのに、ちっとも分かってくれない」と言いますが、部下からは「大きなお世話です。それはパワハラですよ」と言われてしまいます。

 よかれと思ってしていることが受け入れられないと、ますますイライラします。それは神様になろうとしているからです。イライラしないためには、神様になろうとするのではなく、神様の手伝いをしようと思えばいいのです。

 手伝いをしている時、人間はイライラしません。自分より上の完璧な人の手伝いをするのだから、自分が完璧でなくてもいいからです。

 「これくらいできれば御の字」と考えられるのです。「○○できれば御の字」という昔ながらの言い方で、イライラを防ぐことができます。イライラする人には「○○できれば御の字」という発想がありません。「まだこれができていないし」「もっとこれもできたはずだし」と言うのです。

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