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部下からの信頼があつい上司の5つの条件〜リーダーシップのカギは「決断力×人間力」〜部下から信頼されるエグゼクティブとは(2/2 ページ)

あなたは「いざというとき頼りになる上司」か?

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 多くの人は肩書がついた途端「素の自分」を隠せなくなってしまいます。表面的なコミュニケーションスキルさえ鍛えておけば、お客さまや上司にはいい顔ができます。しかし権力や権限を手に入れてなお、部下に対して誠心誠意、敬意をもって接することのできる人は必ずしも多くありません。

 自分より立場が上の人の前ではペコペコしながら、部下に対しては威圧的な態度を取ったり、部下に仕事を押しつけて手柄だけは自分のものにしたり、そしていざというときに逃げたりするような上司に、「もっと上の立場についてほしい!」なんて思う部下はまずいないでしょう。

 いくら仕事ができたとしても、自己中心的で部下をひれ伏せるような態度ばかりとっていると、ここぞというタイミングで部下に応援してもらえないのです。

ぶれない軸と明確な意志を持っているか?

 とはいえ、部下から信頼されるということは、必ずしも部下から好かれるということではありません。そもそも上司と部下では立場が違い、立場が違えば見えるものが違います。それぞれの役割を全うしようとするが故に、意見が衝突することもあるはずです。

 部下に好かれたいからと、部下の意見に迎合すれば、部下からすれば扱いやすい、(都合の)いい上司です。でもそこに一貫性を感じることはないでしょう。逆に、厳しい仕事感を持って、意志に反することは絶対にやらないという姿勢でいれば、「話の分からない上司だ!」と部下に嫌われてしまうこともあるかもしれません。しかし上司の中にある軸、哲学、美学など、曲げられないものを認めざるを得ないはずです。仮に部下に嫌われたとしても、やはり上司として曲げてはいけないことがあります。「好きだけど、いざというときに頼りにならない上司」と「嫌いだけど、いざというときに頼りになる上司」。部下がつくのは、やっぱり後者なんです。

 部下に示す意思決定力。そこにぶれない軸と明確な意志はありますか?

5分で決められないことは、何日考えても決められない

 部下にとって、最も不幸なことは決断できない上司につくことです。当たり前ですが、一つ一つの決断には責任がつきまといます。決断する立場にいればプレッシャーも半端じゃありません。しかし決めなければ進まない。決断することは、上司、リーダーに課せられた一つの責務なのです。

 一つ一つの決断に慎重でなくてはならない一方で、決断を先延ばしにすることもできません。判断材料をかき集めてきたところで、数字や理論が必ずしも白黒つけてくれるわけでもありません。(むしろ白黒つかないことのほうが多いかもしれません。)そんなとき、私は「直感の力」を信じるようにしています。自分の内面から、魂から湧き出る感情がある、そんな時の心の声は逃してはならないと思います。

 「ピンときた」「なんとなく今じゃない気がする」そんなことを言うと、なんて抽象的で非論理的なんだろうと思われるかもしれません。しかし直感というのは、必ずしも当てずっぽうなわけではなく、これまで積み重ねてきた経験から導き出された超言語的な解なのではないかと私は考えています。

突き進む覚悟と勇気を持つ!

 未来は今の延長線上にあります。次のステージにいきたいと思えば、今を変えるしかありません。しかし大きな変化を起こそうとすれば、周囲から反対をされることもあります。それでも、上司の立場にある人間は覚悟と勇気を持って突き進まねばいけないのです。前例がないことに果敢に挑戦する、誰もチャレンジしたことのない道を選ぶことのできる人だけが、新たな道を開けます。

 崇高な志を胸に、諦めない精神力とめげない強い意志を持ち、常に利他の心を忘れず精進し続ける。そんなリーダーを一緒に目指しませんか?

 もしあなたが突き抜けた人材を目指すのであれば、いま一度自身の日頃の在り方を見直してみてください。「自分は大丈夫そうだ」、そう思った人こそ要注意です。人柄、人間性、人徳……こうしたものに天井はありません。自らを律していく心構えをもって、今日から一つずつ徳を積み重ねていってください。

「自分が部下だったら、自分が上司でうれしいだろうか?」

「自分がお客さまだったら、自分から買うだろうか?」

 常に自問自答を繰り返し、自らを磨くことはお客さまに信用され、部下に信頼される強いリーダーの絶対条件です。

著者プロフィール:朝倉千恵子(新規開拓 代表取締役社長)

小学校教員を経て、一般企業の営業職として入社。営業未経験ながら、礼儀礼節を徹底した営業スタイルを確立し、3年で売上NO1、トップセールス賞を受賞。

04年株式会社新規開拓を設立。現在までに延べ17万人の社員研修・人材教育に携わる。

女性の真の自立支援、社会的地位の向上を目指した、TSL「トップセールスレディ育成塾」を主宰。卒業生は2500人を超える。

著書は全39冊、累計売上部数は約48万部。主な著書に、『コミュニケーションの教科書』(フォレスト出版)、『すごい仕事力』(致知出版社)ほか多数。最新著は『仕事も人生もうまくいっている女性の考え方』(あさ出版)。


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