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テレワークでも、長く続く信頼関係を構築する方法サイバーセキュリティマネジメント海外放浪記(1/2 ページ)

直接会うことは大事だが、高い信頼関係が築けていれば対面でなくとも何でも話せる関係は作れるのではないだろうか。

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 サイバーセキュリティに関わっている人たちは、引き続き本業に関する情報収集に加えて、コロナウイルスに関する情報も収集(及び周辺への情報展開)している人が多いようです。

 サイバーセキュリティに関しては、最近ではテレビ会議システムZoomがセキュリティに多くの問題を抱えていると指摘され、FBIが警鐘を鳴らしています。脆弱性として指摘されているいくつかの問題は、運用で回避できるものもありますが、例えばエンド・ツー・エンドで暗号化しているのか? といった問題は、ユーザではどうしようもありません。

 ツールを使う以上は、どのようなツールであれ、ある程度のリスクを許容せざるを得ないと思いますが、「あのツールはセキュリティが甘い」という認識が広がりすぎると、そのツールを使うこと自体がレピュテーションリスクになり得るため、技術的に安全かどうかだけでは判断できなくなってきます。

 新型コロナウイルスに関する情報も、偽情報(またはフェイクニュース)や臆測に基づく情報が根拠のある情報のように扱われ、それらが広まるという例が後を絶ちません。「○○病院の医師がこう言っている」「27度のお湯を飲むといい」「BCGを受けていれば大丈夫」などさまざまなものが出回っていますが、どれが本当でどれが本当でないのか、瞬時に見極めることは難しく、大手メディアが発信しているとしても信じて良いのかどうか、判断していいのか迷う局面にぶつかります。

 不確実性が高く注目度の高い情報は、時がたつにつれて真偽について補足的な情報が出てくることが多いので、気になるトピックについては解釈がどのように変わっているのか追いかけていくことが重要になります。

 これらの情報収集と解釈、情報のアップデートへの追っかけはサイバーセキュリティに関わる情報でも全く同じです。新型コロナウイルスにしろサイバーセキュリティにしろ、自分が入手した情報をどう解釈すべきか疑問に思ったときは、コミュニティーに意見を求めると補足的な情報が出てきたり、考え方が提示されたりすることがあります。こういったやりとりを「情報共有」と表現することもあるようですが、本質的にはコミュニティーが存在することと、コミュニティーを形成している参加者同士の「共助」の仕組みです。

グローバルなサイバーセキュリティコミュニティーでのコミュニケーション

 これまでの連載でも伝えていますが、私の仕事は海外のサイバーセキュリティ専門家やコミュニティーとの情報や意見のやりとりが大きなウェイトを占めています。サイバーセキュリティの世界はカバーしなければならない範囲が広く、深さも必要で、とても一人の人間が全てをカバーできるものではありません。

 一方で「サイバーセキュリティの専門家」として認識されると、何でも知っていることが期待されます。多方面から、さまざまな角度でいろいろなことを聞かれるわけですが、自分で知っていること、調べればすぐに分かることの他に「誰かに聞かないと分からないこと」というものがそれなりにあります。

 そういった場面では、先に紹介した「共助」の考え方から、誰かに聞いてみます。その際、国内のコミュニティーを活用することもありますが海外も活用します。また、コミュニティーへの問いかけを行うときは、電話やメールではなく、チャットを利用することがほとんどです。私の場合は、仕事の多くが「資料作成」「誰かとのコミュニケーション」「作成した資料に基づくプレゼンテーション」ですので、誰かとコミュニケーションすることは大変重要です。

 海外の人たちとはリアルで会うことは難しいため、テレワークそのものです。やりとりのほとんどがチャットですが、メールだと即効性がなくなる、やりとりをさかのぼるのに手間がかかるなどの問題があり、なんだかんだチャットに落ち着きます。チャットツールとして定番は、whatsappやfacebook messenger、国によってはLINEなどを利用します。

 また、在宅勤務の場合は自宅に子供がいるとテレビ会議が難しい(後ろでわーわー騒ぐので)事情があったりもします。個人的にはチャットだと複数のコミュニケーションを同時並行できるので、テレビ会議より時間効率が良いと考えています。また、時差の問題もありますので気軽に電話がしにくかったり、しょっちゅう海外出張に行くような相手だと、どこにいるかも分からないのでチャットのほうが気軽に問いかけられます。その昔流行ったICQは、誰かがオンラインになると通知が出るので、オンラインになった瞬間に多方面から話しかけられるということがよくありました。

 これは、3月12日、オーストラリア在住のセキュリティ友達から「そっちはどうよ?」的なチャットのスクリーンショット。このあと仕事の話に。彼とのやりとりでは「aaaaa」から始まるのが通例です。

 こちらは、インドネシアのセキュリティ友達から。3月29日に「東京の状況はどうか?」と聞いてきています。「ジャカルタはすっかり在宅勤務状態」といっているのに対し、「東京ではいまだに通勤している人がたくさんいる」と伝えると、「国によって対応が全然違うんだね」というような反応が。

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