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情報銀行がもたらす生活者主権エコノミー〜個人データ駆動型「推測ゼロ」社会の実現〜視点(1/2 ページ)

なぜ今「情報銀行」なのか。情報銀行の存在意義とは?

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Roland Berger

本格開業する「情報銀行」

 総務省・経済産業省による「情報信託機能の認定にかかわる指針ver1.0(案)」(2018年6月)を踏まえ、(社)日本IT団体連盟は2019年6月、三井住友信託銀行の「『データ信託』サービス」(仮称)、フェリカポケットマーケティングの「地域振興プラットフォーム」(仮称)を「情報銀行」として第一弾認定した。更に12月、J.Score(みずほ銀行とソフトバンクが共同出資するFinTech企業)の「情報提供サービス」(仮称)を第二弾認定した。

 同指針は、情報銀行を「個人とのデータ活用に関する契約などに基づき、PDS(Personal Data Store)などのシステムを活用して個人のデータを管理するとともに、個人の指示又はあらかじめ指定した条件に基づき個人に代わり妥当性を判断の上、データを第三者(他の事業者)に提供する事業」と定義する。ユーザーは、自らの個人データ(行動履歴、購買履歴、健康・医療データなど)を情報銀行に預託する代わりに、何らかの対価を受け取る。(図A1参照)


A1 生活者がPDSを自らコントロール、A2 パーソナライズド・プライシングがもたらす収益

台頭する「信用スコア」サービス

 中でも注目される事業の一つが「信用スコア」サービス。代表的先行事例は、2015年1月にサービスを開始した中国Alibabaグループ傘下の胡麻信用(Zhima/Sesami Credit)。「信用歴史」(クレジットヒストリー)、「履約能力」(過去の支払い履行能力)、「行為偏好」(消費行動の特性)、「身分特質」(学歴・職業・居住地域など)、「人脈関係」(SNS上の交友関係など)の5つの観点から、信用スコア(350〜950点)を算出する。

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