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「40代でやりたいことができなかった」という後悔
50代、60代の人に話を聞くと、男性、女性問わず「40代でやりたいことができなかった」と後悔している人が極めて多いのです。
中でもよく聞くのが、「とにかく目先の仕事を必死にこなしているうちに、いつの間にか40代が終わっており、気が付いたら何も成し遂げられていなかった」という後悔です。
40代の多くはいわば「プレイングマネージャー」として、リーダーとしての仕事とプレイヤーとしての仕事を同時に求められます。一方、プライベートに関して、さまざまなライフイベントが起こる時期でもあります。40代のもう一つの特徴は、まさにこの「忙しい」ということです。
そして、忙しさに追われる中で、「こんな仕事をしたかった」「あんなこともやりたかった」という夢をいつの間にか忘れ、ただひたすら仕事をこなすだけの毎日に。一方、プライベートを大事にしたいと思っていたのに、結局それも中途半端に……。そんな後悔をしている人が極めて多いのです。
「頑張れば頑張るほどドツボにはまる」という40代のワナ
つまり、「一生懸命働けば働くほど、40代を後悔することになる」ということで、考えてみればこれほど理不尽な話もありません。
では、いったい何が問題だったのでしょうか。
ひと言で言えば「頑張り方、時間の使い方が間違っていた」のです。
私はこれまで、3万人以上のビジネスパーソンと出会い、そのうち1万人からは、成功の秘訣や失敗談、人生を豊かにするためのアドバイスなど、かなり詳しい話を聞いてきました。話を聞いた相手は大企業の社長や幹部クラスから、大小の会社の中間管理職、そして個人で活躍する人たちまでさまざまで、その中には誰もがうらやむ大成功を収めた人もいれば、順風満帆だった人生が一転、暗転してしまったような人もいます。
そうした成功・失敗の話を聞く中で、見えてきたことがあります。仕事や人生には正しい頑張り方、時間の使い方があって、そのセオリーや勘所を外してしまうと、いくら頑張っても成果が出ないということです。
しかも40代では、20代、30代の頃とは違った「頑張り方」や「時間の使い方」が求められます。それに気付かないと、「頑張れば頑張るほどダメになっていく」という負のスパイラルに陥ってしまうのです。
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