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できる40代は、「これ」しかやらないビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

1万人の体験談から見えてきた「正しい頑張り方」

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 つまり、「がむしゃらに頑張る」だけではダメだということ。むしろ、「頑張るべきはここ」というポイントをしっかり押さえ、「これしかやらない」ことこそが、後悔しない40代を送るためには必須なのです。

例えばマネジメントの「これしかやらない」ポイントは5つ

 本書で説明したポイントをいくつか紹介しましょう。例えばマネジメントのポイントは5つです。

1、まずは「任せ方の大原則」を知っておく

「任せ方」には大原則があります。それを覚えるだけで「任せられない」という悩みは解消します。一番大事なのは、任せる際に「これやっといて」ではなく、まずはそのタスクや仕事が「何のため」で「誰が」「どのように」使用するのかという背景を、丁寧にシェアすることです。その際、部下がアウトプットのイメージを理解してくれないようなら、見本や手本となるものを用意するのが効果的です。

 「部下から出てきたアウトプットが思っていたのと違う」のは、ほとんどの場合、上司の責任です。前提の共有がしっかりなされていないから、そうなるのです。

2、30代で染みついた「評論家」の肩書を捨てる

 プレイヤーとして非常に優秀なうえに弁も立つSさんは、20代で真っ先にチームリーダーに抜てきされるなど、大いに期待されていました。しかし、40代に入ると、急速に評価を落としてしまいました。

 その理由は、経営陣が感じた「違和感」にありました。

 Sさんは若い頃からしばしば、経営陣に対して現場や部下の不満をあげつらっては、「どうにかしてください」と直談判していました。若いころはこれが「現場の意見を歯に衣着せぬ物言いで訴えてくれる」と高評価だったのですが、40代になると、「彼の立場なら不満を言うだけじゃなく、解決策を持ってくるべきじゃないか」「これではまるで労使交渉だ」という思いが経営陣の中に芽生えてきたのです。

 30代であれば、現場で起きている課題や問題を上司や責任者に報告することは重要な仕事です。しかし、40代に求められるのは、もっと大局的見地、高い視座から問題を引き起こしている原因を分析し、その解決策までをパッケージにした「提案」なのです。いつまでも「評論家」であってはならないのです。

3、「年上部下を使う」スキルを身に付ける

 年上部下に具体的にどう接すればいいのか悩む人は多く、マネジメント研修に必ず登場するテーマでもあります。「年上の部下」への対処法を知ることは、現代の40代にとって必須のスキルといえるでしょう。

「これしか」という文脈では以下の「5つの心得」がポイントになります。

(1)あくまで「敬語」を使う

(2)期待と要望を明確に伝える

(3)「相談」を多用する

(4)仕事のやり方について、「自己決定」を促す

(5)「何を残したいか」を問う

4、「プレイヤーとしての自分をいったん捨てる」

 平成に入ってからは、「プレイングマネージャー」「プレイングリーダー」が当たり前になりました。令和となった今では、下手をすると部長職までもがプレイングマネージャーであり、中小企業では役員までもが「プレイングオフィサー」となっていることも少なくありません。

 当然のことながら、多くのマネージャーやリーダーが、プレイヤーとマネージャーの両立に悩むようになりました。

 しかし、プレイヤーとマネージャーは永久に「トレードオフ」の関係です。結論から言えば、「プレイヤーとしての自分を捨てる」のが最善の策になります。つまり、「プレイヤーよりマネージャーとしての仕事を優先する」ということですが、優先するのではなく「捨てる」というくらいのマインドチェンジが必要なのです。

5、板挟みは、むしろチャンスと歓迎する

 「40代が上司と部下との板挟みになるのは当たり前であり、日常」ということです。考えてもみてください。上の方針が何の抵抗もなく下に伝わり、下の思いや不満がスムーズに上に伝わっているとしたら、その中間に立つあなたには何の存在意義もない、ということになります。板挟みとはまさに、40代にとっての「日常」であり、自分の存在意義を発揮すべき場なのです。

 それは、「上司と部下の橋渡しをする」ことです。ベクトル合わせといってもいいでしょう。上司や本部の決定をかみ砕いて、部下に伝える。

 その際のポイントは決定の背景や理由を丁寧に部下に伝えることです。決して、「上が言っているんだから、四の五の言わずやれ」といった組織権力を使ってはいけません。かみ砕いて丁寧に背景を伝えるのがポイントになります。

 本書では、「頑張るべきはここ」というポイントを「キャリア編」「会社編」「マネジメント編」「プライベート編」「タイムマネジメント編」「人脈編」「勉強編」に分けて紹介しています。本書で説明する「これ」だけを知っておくだけで、「頑張れば頑張るほどドツボにはまる」という40代のワナは回避できます。

 少なくとも40代を後悔する人生にはなりません。

著者プロフィール:大塚 寿(おおつかひさし)

1962年、群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、サンダーバード国際経営大学院でMBA取得。現在、オーダーメイド型企業研修を展開するエマメイコーポレーション代表取締役。オンライン研修「営業サプリ」を運営するサプリCKO

サボるのが大好きだった当然の報いとして高校・大学・就職とも第1志望に入れず、悶々とした日々を過ごす。ゼミの先輩の勧めからリクルートに入社後、上司、先輩、全事業部の仕事のできる先輩、社外の大手・中小企業の経営者、管理職に片っ端からアドバイスを求める。そこで仕事ができるようになる方法や競争力のあるキャリアデザイン、さらに「後悔しない方法」を聞き実践した結果、人生が好転、自己実現を果たす。インタビューは今も継続中で、人数は1万人を超える。歴史上の成功者や偉人よりも、身近な人の成功、失敗から学ぶことの合理性を痛感している。著書にシリーズ28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』(ダイヤモンド社)、『50代 後悔しない働き方』(青春出版社)など20数冊がある。


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