50代でうまくいく人の無意識の習慣:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
50代になると、多くの人は元気がなくなってしまうが、50代という年齢でなければできないことはたくさんある。「本番はこれからだ、まだ始まっていない」というくらいの気持ちでいることが大切。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
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50代からは、尊敬される人とされない人に分かれる
50代の人の悩みは、リーダーの悩みと似ています。「どうしたら、部下からリスペクトされる存在になれますか」と、相談されます。
それは、50代の人の悩みと同じです。
50代からは、
(1)尊敬される人
(2)尊敬されない人
の2通りに分かれます。
どんなにお金持ちになっても、どんなに仕事ができても、尊敬されない人がいます。そうすると、その人の幸福感はいつまでも満たされません。昔は、近所にカッコいいオジサンがいました。どんな職業かは分からないオジサンが着物をビシッと着ていました。自分も、その年齢になった時に、カッコいい、年下から憧れられる人を目指せばいいのです。
結局、自分自身が年上の憧れる人を持っているかどうかです。特に、自分の年下にライバル心を燃やす女性は、年齢コンプレックスを持っています。「早くあんなふうになりたい」と、年上の憧れの目標を持っていれば歳をとることは怖くありません。憧れられる50代になるという目標値を持つことです。
若く見られようとすることを目標にしたり、若者たちと競争したりする必要はありません。競争する相手は、自分よりもっと年上の人です。そのためには、カッコいい50代以上のお手本を持つことが大切なのです。
50代は、第2の20代だ
「50代は、第2の20代」という意識を持つことです。
最初の20代と2回目(セカンド)の20代は、どちらも20代であることは共通です。最初の20代を思い出してみると、ひたすら走りまわっていました。ただ必死に仕事を覚え、上司にもお客さまにも怒鳴られ、失敗を繰り返していたのに、それほどしんどさを感じないのは、初めての20代だからです。
2回目の20代である50代は、そこそこの役職についた後、もう1回それをすることがしんどいのです。「これだけの肩書があるのに、何で20代みたいなことをしなくちゃいけないんだ」と考える人は、うまくいきません。
「また20代ができるんだ」と考えられるかどうかです。口では「若くなりたい」と言いながら、20代のフットワークがなければ、ただよぼよぼの経験のない20代にすぎません。
それなら20代の勝ちです。会社は給料の安い20代を採ります。ファースト20代よりも高い給料をとりながら、もう1回、経験を持ってフットワークを生かす20代のような仕事をするのが50代の生き方です。
50代をただの50代と思わないことです。50代がしょぼくれている感じなのは、ラスト10年の感覚を持つからです。50代でリセットして、2回目の20代としてやり直せばいいのです。
北野武さんとお会いした時に、「何歳に戻りたいか」という話になりました。
戻る時の条件は、
(1)今の意識を持ったまま戻る
(2)今の意識が消えて戻る
という2通りがあります。
50代は、今の意識を持って20代に戻ります。その方が理想の50代になれます。20代は、経験が少なくて知らないからできないことが多いのです。今の意識を持って20代を生きると、いろいろなことができます。それなのに、余命10年のような感覚で生きるのはもったいないことです。50代から成功するかどうかの分かれ目がフットワークなのです。
原点回帰する人は、成功する
私自身、50歳を過ぎてからの仕事のやり方は、どんどん原点に戻っています。
例えば、私は今、美術の仕事をしています。私の実家の本家は骨董屋でした。私は、本家のおじさんに「おまえ、骨董屋をやらないか」と誘われた時、断りました。それなのに、美術の授業をするようになり、実際はどんどん美術に近づいています。
私の家は染物屋でした。染物屋の事務所が私の遊び場でした。今、私はどんどん職人に近づいています。
実家は、夜はスナックで客商売をしていました。その関係で、私は30代からホテルの仕事をしています。今、中谷塾の生徒をホテルやレストランに連れていき、マナーを教えているのは、昔、自分が親から教わったことを、ただ次に伝えているだけです。
神社やお寺に行くのも同じです。両親が信心深く、子どもの時から神仏の話を散々聞かされていました。母方の先祖は神社の仕事をしていた人でした。今、神社に行って神道を説明しているのも、どんどん原点回帰しています。
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