言葉は武器である。明石家さんまさんと島田紳助さんから学べ:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
ストライクゾーンはすぐそこである。さあ、あとは投げるだけである。勇気があるかどうか?
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まさに、命がけである。筆者は、この新型コロナが起こってから生き残るために命がけである。
コミュニケーションを、数倍丁寧にやらないと、ちゃんと伝わらない時代がやってきた。これまでもビジネスチャットのSlackやチャットワークを駆使してきたIT企業とのやりとりは何も変わらないのだが、コロナではじめてデジタル化した企業はけっこう大変である。
そう、コミュニケーションを維持することが非常に難しいのである。外資系企業で本国とのやりとりがある企業は、ずっと以前からZoomやスカイプなどをつかって会議をしていた。リモートによる意思疎通もそんなに難しくない。商社マンとのやりとりも楽ちんである。メールの書き方、遠隔地とのコミュニケーションが非常に得意な人々の集団である。
でも大半の人はそうではない。得意ではない人も多い。Zoom会議もそうである。うまくいかない人も数多い。先日もリモート会議で「やはりリアル会議が一番」てきな話が出ていた。それはもう過去の話だ。
そういうことが言える人は「命がけ」ではない。ボクは自営業なので、その場で与えられた環境で目いっぱいアクセルを踏まないと生きて行けない環境にある。それが今のボクである。
そこで大切なのは、「会話をする」「言葉を操る」という武器である。その連続である。そのためにボクは53歳を過ぎた今でも懸命に努力をしている。会議に参加することが仕事だからである。
コミュニケーションは仕事である。まずはYouTubeを見る。時間とコストがかからないから非常に便利だ。ボクは2人の男のYouTube を徹底的に学ぶ。最新刊にも記載したが、明石家さんまさんのトークは絶妙である。さんまさんは天才的にしゃべるのが上手である。そしてもう1人は島田紳助さんだ。芸能界を引退して久しくたつが、最近、YouTubeに顔を出すようになった。
この2人のトークは超絶妙である。明石家さんまさんは、人の会話を引き出す天才である。よくよくテレビ番組を見てほしい。1対9である。1つを話せばあと9割は相手に話させる。
「よくデートであるじゃん。俺やったら、嫌やけど」「あなた、そんな時どうするの?」「いらつかない?」などと、相手にボールをどんどん投げてゆく。トークのストライクゾーンをちゃんと与えてあげている。
「デートでの失敗話をすればトークを盛り上がるよ」という球を投げている。場合によっては「デートの遅刻話をすればいいんですよ」という超ストライクゾーンを教えてくれる。「私は、さんまさんと違って……」などと話し始めればそれだけで成り立つような会話のボールを投げてくれる。
これは営業職の人に有効な方法である。ストライクゾーンはすぐそこである。さあ、あとは投げるだけである。勇気があるかどうか? ということになるだろう。
先日、売れない営業マンの話を聞いた。ある高額商品を売っているが売れないというのだ。練習がてらトークをしてみると、懸命に性能の話をしている。性能の話をして説得しようとしているのだ。
「それでは売るのは無理だね」と伝えた。彼が言っているのは「ボクはAVビデオを1000本見たので、結婚生活がうまくいきます!」と述べているのと同じだ。知識をいくら並べても思いやりなどがなければ結婚生活などはうまくいくはずがないとボクは思う。
トークは相手を探ることに使うのだ。明石家さんまさん方式である。「やはり在宅勤務ですか?」とか「Zoom会議がメインですか?」というふうに探っていくのである。そう、恋愛と一緒で相手をいかに好きになっていくか?ということが非常に大切なのである。
玉ねぎやキャベツの中心を探るべく、一枚一枚めくってゆく感覚である。それがトークの醍醐味(だいごみ)である。それができればちょっと面白いことになるかもしれないと思う。そして、顧客の方も、探られることが嫌いではない。ある意味の楽しさがある。それがキャッチボールである。
レッドブルという会社がある。彼らは性能を述べていない。「翼をさずける」だけである。「タウリン1000ミリグラム配合!」などとは述べていない。でも気が付けばレッドブルを選んでしまうことがある。
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