「未来を創る種」データに光を当て世界を輝かせるのがLumadaの存在意義――日立Lumada Innovation Evangelist澤円氏:ITmedia エグゼクティブセミナーリポート(1/2 ページ)
Lumada Innovation Evangelistになって約1年。日立の「中」の人になったことによって新たに知った日立のポテンシャルと、あらゆるビジネス領域において参考になるデータ戦略の考え方とは。
アイティメディアが主催するライブ配信セミナー「ITmedia DX Summit vol.11 ビジネス価値を創出するDX データ活用で躍進する企業変革と成長戦略」のDay1の基調講演には、元 日本マイクロソフトの業務執行役員で、現在は圓窓の代表取締役であり、日立製作所(日立)Lumada Innovation Evangelistでもある澤円氏が登場。『日立の「中」の人になって見えてきた世界 〜Lumadaで推進するデータ活用戦略〜』をテーマに講演した。
日立グループの力を結集するためのキーワードがLumada
「日立は、ITはもちろん、電車や発電所、エレベーター、建機、家電まで、ITとOT(オペレーションテクノロジー)の両方を幅広く持っています。これだけ圧倒的な1次情報を持っている会社はなかなかありません。このグループの力を結集することができれば、相当大きなパワーを生み出すことができます。この日立グループの力を結集するためのキーワードがLumada(ルマーダ)です」(澤氏)。
現在、日立グループ全体の社員数は約37万人。これは、ほぼアイスランドの人口である。しかしアイスランドの人口には、赤ちゃんから老人まで含まれる。一方、日立は労働人口だけで37万人である。澤氏は、「社員数だけイノベーションの種があります。この種の組み合わせで、無限の可能性が生まれます。そのためには、人が集まり、同じ方向を向く必要があり、Lumadaは、人をつなぐ旗印なのです」と話す。
Lumadaでは、顧客企業、パートナー企業、そして日立が、互いの知見や技術を共有し、新たな価値を創出し続ける「Lumada Innovation Hub」を提供する。また、イノベーションパートナーやソリューションプロバイダー、テクノロジープロバイダーなどをつなぎ社会課題の解決をめざす「Lumada Alliance Program」、ノウハウやデジタルソリューションをカタログに登録し、共有や組合せての開発などを支援する協創の基盤として「Lumada Solution Hub」も提供している。
日立は、2020年7月にスイスに本社を置き、電力関連、重電、重工業を事業として展開するABBグループのパワーグリッド事業を買収し、日立エナジー社として営業を開始している。“小が大を食った”という表現をする人もいるくらいABBは大きな事業体だが、ABBの幹部は“Lumadaがあったから日立にジョインした”と明言してしている。
アイデアとパッションを結合する拠点がLumada Innovation Hub Tokyo
デジタルは、人類のインフラになっており、これは疑う余地はないが、最大のポイントは正解がないこと。いろいろなものが昔より複雑になり、イノベーションの種が増え、アップデートも早くなっている。コロナ禍前に正解といわれていたものが、現在は正解ではなくなっている場合がある。
正解のない問にどうやって向き合っていくのか。日立は、リアルとバーチャルの両方を持っており、リアルは、家電や建機、発電所などがある。一方、バーチャルは、デジタルデータやアイデアなどで、これらを結合することでイノベーションが生まれやすくなる。またイノベーションを生むためにはアイデアとパッションの結合も欠かせない。
アイデアとパッションを結合する場所としてLumada Innovation Hub Tokyoをリアルに作った。ここはまた、「バーチャルとリアルのクロスロード」でもある。さまざまな人が、いろいろなことを考え、思い付いて行動したいときに、Lumadaというキーワードのもとに集まりやすくするための場でもある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.