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「未来を創る種」データに光を当て世界を輝かせるのがLumadaの存在意義――日立Lumada Innovation Evangelist澤円氏ITmedia エグゼクティブセミナーリポート(2/2 ページ)

Lumada Innovation Evangelistになって約1年。日立の「中」の人になったことによって新たに知った日立のポテンシャルと、あらゆるビジネス領域において参考になるデータ戦略の考え方とは。

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日立は自分たちをトランスフォームしようとしている

 現在、日立では新たな人事制度として「ジョブ型雇用」を進めている。日立が人事制度としてジョブ型雇用を導入するのは必然的な流れだが、ネットでは「そんなものうまくいくわけがない」とか、「きっと5年でやめる」など書かれているという。澤氏は、「中の人なので、悔しくなり、本気で最高人事責任者(CHRO)とジョブ型雇用をいかにデザインして、インプリするかに取り組んでいます」と話す。制度は最初からきちんと定義しなくても、走りながら作り、できるところから始めて、徐々に定着させ、アップデートする方が、新しい制度の導入には適している、と澤は言う。

 また、日立には「日立返仁会」という面白いことを後押しするコミュニティーがある。「返仁」という言葉を使っているが、ルーツは「変人」である。変な人をどんどん増やすことが企業のミッションになっている。澤氏は、「DXはデジタルでトランスフォームすることですが、最もトランスフォームしなければならないのは人です。日立は自分たちをトランスフォームしようとしています」と話す。

 「トランスフォームはスキルアップというレベルではなく、心の持ちよう、マインドセットを変えていく必要があると考えています。日立はLumadaという旗を立てて、そこに人を集め、マインドセットをアップデートすることでDXを成功に導いています。これは、多くの会社で実践できます。まず旗を立て、そこに人が集まり、コトをなしていく。これにより世の中、どんどんトランスフォームが進みます。製品やサービスに特化しなくても、なにか面白いことがしたいと思っている人が集まれば何かが起きるのです」(澤氏)

 デジタル化が進むことで、「AIが進化したらどうなりますか」「10年後の世界はどうなりますか」「ロボットは人類を滅ぼしますか」などの心配が生まれる。澤氏は、「そうした心配はあるかもしれませんが、ピーター・ドラッカーは“未来を予測する最良の方法は未来を創ることだ”と話しています。ITの優れた知見を持った人でも、未来の予測は当たりません。だから予測するより作る方が面白いのです」と話す。

 「未来を創る種はデータの中にあります。日立では、“Hitachi Social Innovation is POWERING GOOD(世界を輝かせよう)”というスローガンに基づき、データに光を当てます。データを中心に、さまざまなものをつなぎ、協創していくための旗印がLumadaです。誰かが作る未来を待つのではなく、一緒に創るというマインドセットを一人一人が持つことで世の中が面白くなります。それこそが、Lumadaの存在意義です。すてきな未来を一緒に創りましょう」(澤氏)。

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