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第10回:2025年にビジネスパーソンに求められるビジネススキルは、EQマネジメント力を科学する(1/2 ページ)

いまグローバルのトップクラス経営者たちから2020年代の必須ビジネススキルとして認識されている「EQ」とは。

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 エグゼクティブの皆さまが活躍する際に発揮するマネジメント能力にスポットを当て、「いかなるときに、どのような力が求められるか」について明らかにしていく当連載。

 今回から、いまグローバルのトップクラス経営者たちから2020年代の必須ビジネススキルとして認識されている「EQ(Emotional Intelligence Quotient、心の知能指数)」について、株式会社EQ会長の高山直さんと当連載筆者の経営者JP代表・井上との対談の内容からお届けします。(2022年10月13日(木)開催「経営者力診断スペシャルトークライブ:EQを高めて経営者力を発揮する!」)

EQは現在、企業での実践活用のフェーズに

 EQは1990年代半ばにアメリカで登場し、その直後から日本にも広まっています。その立役者こそ、高山直さんです。当時、EQジャパン社を設立し、日本にEQを導入。EQ関連の書籍でも多くのベストセラーを出しており、導入当初から現在に至るまでEQについて多面的に知見を私たちに伝えてくれています。

 高山さんいわく、日本でEQ事業を始めた当時は、大学の教職関連やカウンセラーなど心理学の専門家からの問い合わせが多かったそうです。今では企業からの問い合わせや相談がほとんどで、「どうやってEQを使えばよいか」に企業の興味は集中しているとのこと。

 EQとは何かの段階は過ぎ去っており、後述するような理由からも、いま〜今後、EQを組織エンゲージメントのために、リーダーシップのために、どう使っていけばよいのかに企業、経営者、人事の関心が強く寄せられていることを、私自身も感じています。

2016年から、世界トップレベルの経営者がEQを重視し始めた

 ここで興味深い情報を高山さんが紹介してくれました。

 スイスのダボスで行われている世界経済フォーラムで、2016年の回、「2020年までに必要なビジネススキル」として、そのトップ10の第6位にEQが選ばれたのです。


2020年に必要なビジネススキル10

 さらにその2年後、基調講演にアリババグループ創業者のジャック・マー氏が登場して、「もし成功したいのなら、高い心の知能指数、EQを持つべきだと信じている」と発言。2010年代後半から、グローバルの経済界トップレベルの経営者たちが、ビジネスの成功にEQは不可欠だと言い始めたのです。

 その理由は、AIでした。当時、AIが台頭してくると人間ならではの情緒的なスキルが重要になるというのがその理由でした。

 トップ10を見ると普遍的なテーマが多く入っています。その中で、6位にまったく毛色の変わる「情緒的知性(Emotional Intelligence)」が初めてランキングに入りました。

2025年、EQはビジネスパーソンに求められる最重要スキルに

 そして直近、2020年の世界経済フォーラムのレポート「仕事の未来」の中で紹介された「2025年ビジネスパーソンに求められるTop 15 skills for 2025」をご覧ください。


2025年ビジネスパーソンに求められる15スキル

 2020年から5年後の<2025年に求められるスキル>として、EQ(感情的知性)がやはり入っています。

 15項目に着目してください。興味深いことに、DXが話題になっていたこの時期に、レポートの中ではテクノロジーに関するビジネススキルがあまり入っていないことに気付くと思います。

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