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人生とは今日1日のことである。「今ここ」に集中できる人が成功も幸福も手にするワケビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

今日という1日、この24時間は、あらゆる人に平等に与えられている唯一のものだが、「24時間をどう使うのか」という問いは、人類にとって永遠の課題である。

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 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


後悔したくなければ、今日1日に集中するしかない


『24 TWENTY FOUR 今日1日に集中する力』(Amazon)

 今日という1日。この24時間。

 それは、あらゆる人に平等に与えられている唯一のものです。性別や容姿、年齢、能力、資産、社会的地位などは人によって異なりますが、1日の長さだけは、誰にとってもまったく同じです。

 同時に、「24時間をどう使うのか」という問いは、人類にとって永遠の課題であるといえるでしょう。

 紀元前に生きたローマ帝国の哲学者セネカは、自身が記した『生の短さについて』の中で、「何かに忙殺される人間の生きる生がどれほど短いか」と、常に時間に追われている私たちにとって、非常に耳の痛い言葉を残しています。

 ゲーテは「人間は現在がとても価値のあることを知らない」、ミケランジェロは「時間の浪費ほど大きな害はない」と語り、アメリカの著述家デール・カーネギーは「人生とは今日この日のことである」、アメリカ合衆国建国の父の一人であるベンジャミン・フランクリンは「今日という1日は、明日という日の2日分の値打ちがある」と述べています。

 このように紀元前から現代まで、古今東西のあらゆる人たちが、「二度と戻らない今日というこの日をどう生きるべきか」について真剣に考え続けてきました。それは、きっと人の生があまりにも短く、一瞬たりとも止まることなく進み続けるからでしょう。

 また、どう万全を期そうとも未来は常に不確定で、起きてしまった過去は変えられません。結局、死を迎えるまで、私たちにできることは、今日1日をどう生きるかだけなのです。

「今日」を自分の手に取り戻すには

 では、24時間をどう使うことが、ビジネスの成功や充実した人生につながるのか。どうすれば、今日を自分のために使ったことになるのか。

 答えは、「今、目の前のことにただ集中すること」。

 未来のためでもなく、生産性や効率化を求めるためでもなく、ただ、目の前のことに集中する。それこそが、最も幸福を感じられ、最大限の結果を手に入れる方法であるといえます

「幸福に必要なことは、心身が今に集中することである」――ハーバード大学キリングワースとギルバートの研究

 目の前のことに集中することは、人生の幸福度を上げてくれます。

 これは、ハーバード大学の心理学者、キリングワースとギルバートの研究によって明らかにされています。

 キリングワースらは、オリジナルのiPhoneアプリを使い、13か国の、18歳から88歳までの5000人を対象に、「今、何をしていますか?」「今、どんな気持ちですか?」「今やっていること以外のことを考えていますか?」といったさまざまな質問をし、回答を集めました。

 その結果、46.9%の人が、何かをしているとき、そのこととは関係ないことを考えていること、そして、今やっていることと考えていることが違うときは、一致しているときよりも幸せを感じていないことが分かりました。

 つまり、目の前のことに集中できていないとき、人は幸せを感じづらく、集中できているときには幸せを感じやすいのです。

 この結果を受け、キリングワースとギルバートは、科学誌『Science』に掲載された論文で、「幸福に必要なことは、心身が今に集中することである」と述べています。

 おそらくみなさんも、時間を忘れるほど何かに集中できたとき、ゾーンに入ったときに、大変な充実感、満足感、幸福感を覚えたという経験があるはずです。

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