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第16回:メンバーたちのやる気喪失の原因は上司にある! これを気付かせ、「学習性無力感」から脱出する方法マネジメント力を科学する(1/2 ページ)

マネジメント自体がメンバーのやる気を削ぐ行動をしてしまっているということに気付かせることが、まずなによりもやらなければならないことだが、幾つかの具体的方法を教えてもらった。

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 エグゼクティブの皆さんが活躍する際に発揮するマネジメント能力にスポットを当て、「いかなるときに、どのような力が求められるか」について明らかにしていく当連載。

自社のメンバーたちがどうすれば生き生きと働き、自ら動く組織となるのかについて、ベストセラー『こうして社員は、やる気を失っていく』の著者、株式会社モチベーションジャパン代表・松岡保昌さんと当連載筆者の経営者JP代表・井上との対談の内容からお届けする、第2回です。(2022年7月21日(木)開催「経営者力診断スペシャルトークライブ:社員のやる気を、こうして取り戻せ!」)

メンバーのやる気喪失の原因が上司にあると当人に気付かせるには?


『こうして社員は、やる気を失っていく』(Amazon)

 多かれ少なかれ上司がメンバーのやる気を削いでしまっている会社は、実は少なくありません。他社を見て「ひどい会社だよね〜」などと思っていたりする、その当人がメンバーのやる気を削ぐ上司だったりします。

 マネジメント自体がメンバーのやる気を削ぐ行動をしてしまっているということに気付かせることが、まずなによりもやらなければならないことですが、松岡さんは幾つかの具体的方法を教えてくれました。

 例えば、そもそもメンバーたちが上司についてどう思っているかを聞く機会を与えることはけっこう大事。松岡さんは研修でその管理職をメンバーがどう思っているのか、良いところ・変えて欲しいところなどを付箋で挙げさせるそうです。

 「私がファシリテーターをやりながら、その上司には声だけ聞こえる別の場所で、それを静かに聞いておいてもらうんです」その時、メンバーの皆さんには、その上司が聞いていることは伝えるのかというと、「薄っすらと気付くという感じですね。“”みなさん、大きい声で、この神の声を届けましょう”とか言って(笑)」

 このときに、心理的安全性を先に作って、上司にも受け入れる態勢を作らせてから、この研修を実施することが大事です。それをせずにやると「あいつがあんなことを言った」と言う話になってしまいますし、メンバーたちからしても本当のことを書かないですから。

 「ジョハリの窓」(自己分析の際に使用する心理学モデル)で言うところの、自分が認知している自分と、自分は知らない、他の人が自分自身をどう思っているかのギャップに気付く。逆に他の人は自分の意図を知らないけど、自分の意図はこうなんだと伝える。

お互いがきちんと対話をする機会はすごく重要で、そのきっかけになるのがこの研修です。

 ここで明らかになる反省や気付きがある。そして逆に、嬉しいことも同時に起こるのです。上司自身が自覚していない、部下たちが良い面としてこんな風に思ってくれていたんだという話も出ます。聞いていた上司は喜びますよね。

 その両面を聞いてどうだったか、ここからが大事で、松岡さんは、「どう思ったか」から、そこでもう1回メンバーが何を期待しているのか、何が嫌なのか、どうしてほしいのかを、きちんと上司とメンバーたちで対話させることがすごく重要なのだと強調します。

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