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負荷に対処することでポテンシャルを上げる!「リーダーのための超回復講座」ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(1/2 ページ)

日本人の87.8%が普段から「疲れ」を感じているという。日々の中でたまった疲れやストレスが、負荷となってあなたのパフォーマンスを下げてはいないだろうか。これらの負荷に適切に対処して超回復することで、今まで以上のポテンシャルを獲得することができる。

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 ライブ配信で開催されているITmedia エグゼクティブ勉強会に、睡眠&超回復研究所 所長でプロフェッショナルスリープコーチの角谷リョウ氏が登場。『「ストレスを力に変えるリーダーのための超回復力養成講座」〜知っておくべき本当に回復する5つの新常識〜』をテーマに講演を行った。2012年から生活習慣改善コーチングを提供し、12万人以上のビジネスパーソンのパフォーマンス向上を支援してきた角谷氏は、多くの本を出版し、テレビや雑誌などでも活躍している。

ストレスはパフォーマンスを上げるのか?


睡眠&超回復研究所 所長、プロフェッショナルスリープコーチ 角谷リョウ氏

 「ストレスが高い人とストレスが少ない人、どちらが長生きするだろうか?」この答えは「ストレスの少ない人の方が長生きする。ただし、ストレスが高くても対処していた人が一番長生きだった」というものだ。

 アメリカで3万人を8年間にわたり追跡調査した結果、ストレスが高い人はそうでない人に比べて死亡リスクが43%高かった。しかし、ストレスが高くとも、そのストレスに対処していたグループは、もっとも死亡率が低かったという。

 「強いストレスはプラスに変換することが可能です。筋肉などでよくいわれますが、メンタルも同じです。負荷をかけた後に適切なケアをすれば、筋肉もメンタルも成長します。逆にちゃんとケアをしなければ、オーバーワークラインといって回復せずに下がっていってしまいます。強い負荷をかけて、きちんと回復する、このサイクルが大切です。これはアスリートだけでなく、仕事のパフォーマンスを上げたいビジネスパーソンにも覚えておいてほしいですね。負荷がかからないと、筋肉もメンタルも成長しません」(角谷氏)


強いストレスはプラスにすることが可能

疲労が回復しない、間違った5つの疲労回復常識

 日々の仕事で蓄積した疲労を、あなたはどうやって回復しているだろうか。実は、多くの人が「疲労回復のため」にやっている行動のなかには、疲労回復効果がないものも多いという。角谷氏は多くの人が間違っている疲労回復常識を、5つ紹介してくれた。

(1)疲れている時は休日は遅く起きる

 週末、つい朝寝坊をして、寝だめをしてしまう人も多いだろう。しかし、週末の寝だめはむしろ疲労を増加させる。平日と起きる時間が変わるほど時差ボケになる。これをソーシャルジェットラグといい、眠気が翌週の月曜から金曜まで増大してしまい、翌週の前半まで眠気が強くなってしまう。さらに、疲労感も翌週の水曜まで増大するという。寝だめをすることで、かえって翌週のパフォーマンスを下げてしまうのだ。

 疲労回復のためには、「疲れていても週末も平日と同じ時間に起きる」ことが重要だ。

(2)疲れていたら眠れなくても布団の中で休む

 疲れているとき、眠れなくても布団の中にいることで、体が休まると思っている人も多いだろう。しかし、近年の研究では眠れないのに布団の中にいる時間(床上時間)が長くなると、危険だと言われている。厚生労働省によると、長い床上時間は健康リスクとなるため、床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保する必要があるという。

 疲労回復のためには、「疲れていても眠れなければ布団から出る」ことが重要だ。

(3)疲れている時は栄養をたくさんとる

 疲れているときに、スタミナをつけようといつもより食事を多くとってしまう人も多いだろう。しかし、消化にエネルギーを使ってしまうと、体内酵素を消化のために使ってしまい、「再生・回復」にエネルギーが回らなくなってしまう。本来は「代謝酵素」「消化酵素」のバランスが取れていることが望ましいが、食べる量が増えると消化酵素の働きが増加し、代謝酵素が少なくなる。年齢を重ねるごとに体内酵素は減っていくため、若いときと比べても、消化酵素・代謝酵素ともに少なくなっているという点にも注意が必要と言えるだろう。

 疲労回復のためには、「疲れている時は食事を減らす」ことが重要だ。

(4)疲れている時は温泉や銭湯で疲れを取る

 「疲れがたまっているので、温泉に行きたい」という人も多いだろう。温泉や銭湯などで体を温めると、古い細胞が排除され、疲労物質が流れるようになる。つまり温泉や銭湯にはいるというのは、疲労感を感じさせる古いタンパク質が排除される、とても良い習慣と言える。しかし、これだけでは「疲労を流している」だけで、「疲労をとっている」わけではない。疲労をとるには、後述する「疲労を出す」→ 「休ませる」→ 「充電する」という3ステップが必要となる。つまり、温泉や銭湯に入っただけでは、疲れが取れないのだ。

 疲労回復のためには、「温泉や銭湯で疲れを出す」ことが重要だ。

(5)疲れている時、水曜は飲み会でリフレッシュする

 月曜日から金曜日の間で働いているビジネスパーソンは、疲労のピークが木曜日になると言われている。そのため、水曜日に疲労を「回復」しておけば、木曜日は疲労なしで乗り切れる。そのため、水曜日に飲み会などは設定すべきではなく、水曜は回復日とすべきなのだ。平日に飲み会を設定する場合、木曜日に設定することで、回復とリフレッシュを両立できる。

 疲労回復のためには、「水曜は回復日、飲み会は木曜にする」こと。

効果的に疲労が回復する超回復3ステップ

 上記で述べたように、これまでは間違った疲労回復の常識を信じている人が多かったが、結局効果的に疲労を回復させるには、どうすればよいのだろうか。

 疲労回復のためには、「疲労を出す」→ 「休ませる」→ 「充電する」という3ステップをこの順番に行うことが重要なのだ。


疲労を回復させる3ステップ

ステップ1「疲労を出す」

 「疲労を出す」とは、「壊れた細胞の修復・分解」を行い、「疲労物質を流す」ことを意味する。そのためには、「お風呂(温泉・銭湯)」、「サウナ」、「交代温冷浴」、「歩く(水中がベスト)」、「アクティブストレッチ」などが有効といわれる。

ステップ2「休ませる」

 「休ませる」とは、「使いすぎの部分を休ませる」こと。現代人は目や脳の一部など、特定の部分だけを使いすぎる傾向がある。その使いすぎた部分を効果的に「休ませる」ためには「寝る(快眠)」、「デジタルデトックス」、「アイケア」、「ファスティング」、「瞑想」などが有効だ。

ステップ3「充電する」

 「充電する」とは、「必要な栄養素などを補給する」ことである。効果的に充電を行うには、「酵素を補給する」、「善玉菌を補給する」、「足らない栄養素を補給する」、「リズム運動(音楽聞きながら片付け)」、「自然に触れる」などが有効となる。

 普段から上手に疲労をコントロールできている人は、この3ステップを自然にできている場合が多い。なかなか疲労が回復できない人は、この3ステップを意識しながら生活してみるといいだろう。

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