世界デジタル政府ランキング、1位は2017年以来のシンガポール、3年連続1位だったデンマークは3位に:早稲田大学世界デジタル政府ランキング2024
今年で19回目の「早稲田大学世界デジタル政府ランキング2024」が発表された。
早稲田大学電子政府・自治体研究所は、デジタル先進国66カ国・地域を対象に、デジタル政府の進捗度を主要10指標で評価した、「第19回早稲田大学世界デジタル政府ランキング2024」を発表した。
10指標は「デジタル・インフラ整備」「行財政最適化」「アプリケーション」「ポータルサイト」「CIO(最高情報責任者)」「戦略・振興」「市民参加」「オープン政府データ・DX」「セキュリティ」「先端技術」。
1位は2017年以来のシンガポールが、2位は英国、3年連続1位のデンマークは3位に、日本は昨年同様の11位だった。
2024年の最大の話題は、生成AIの実装で、2023年と比較して、文章から画像にまで対象が拡大し、開発競争が激しくなっている点である。また、ランキング上位国は効率化や生産性の向上、国民のデジタル格差対応に資する行政サービスを重視する特徴がみられる。
これらに加えて、今回はグローバルな社会・経済・政治的に解決すべき課題として以下の3項目を取り上げている。
(1) 高齢社会や少子化等の人口問題対応
(2) 都市と農村の地域差異や年代層などローカルのコミュニティに見られるデジタル・リテラシー格差
(3) 不足するデジタル人材の育成と最適配置
日本が昨年に引き続きトップ10圏外の11位である要因としては、司令塔機関としてのデジタル庁の実行性に課題が残り、官庁間の縦割りの弊害で行政DXに遅れがみられること。また、デジタル化で効率化や人手不足など現状の課題解決が望まれる自治体でのデジタル格差が、行政運営の機能や継続性に影響を及ぼしている。マイナンバーカードも安定的稼働とユーザビリティなど課題を残している。
日本に求められるのは、直面するデジタル社会と超高齢社会の融合によって、AIなどデジタルの活用による、スピーディな行財政改革と市民中心の行政サービスの実装である。
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