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「ビジネス英会話」は「日常英会話」よりも簡単ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

「ビジネス英会話は難しい」「まずは日常英会話から」という考えに対し、「ビジネス英会話はむしろシンプルで学びやすい」と声を大にして伝えたい。その理由は。

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 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。



『ビジネス英会話のコツ96』

 同僚とのコミュニケーションが英語になった、海外進出のため海外とのやりとりが増えた、昇進のために英語力が必要になった……。昨今のグローバルビジネスにおいて英語の重要性はますます高まり、日本のビジネスリーダーもこれを避けては通れなくなっているのではないでしょうか。

 グローバル化が進む現代において、ビジネスリーダーに求められるのは、単なる英語力だけではありません。英語を通じて異文化理解を深め、グローバルな視点を持ちながら、新しいビジネスチャンスをつかみ取ることが必要です。その第一歩として、ビジネス英会話の習得は欠かせないスキルです。しかし、「ビジネス英会話は難しい」と考えている人も多いと感じています。

 そして日常英会話から勉強をはじめ、いつ仕事で使えるようになるのか分からないまま果てしない英語学習の道を歩んでいる人も少なくないでしょう。商談で使える英語を身に付けたいのに、道の尋ね方を教えられていては、やる気が続かないのは当然です。

 私は、ビジネス英会話を教える講師として、日本のこの「もったいない」状況を変えていきたいと思っています。

ビジネス英会話に本当に必要な学習

 私はカナダで生まれ育ち、1996年に来日してから25年以上、ビジネス英語の指導に携わってきました。これまでに支援したビジネスパーソンは2万人以上です。ビジネス英語を教え始めたのは、ベルリッツでアルバイト講師として働き出したのがきっかけです。人気講師として評価を得て、その後は主任講師や講師のトレーナーも経験し、教材の開発にも携わるようになりました。

 私が教材作りに興味を持ったのは、当時の一般的な英会話教材がビジネスパーソンにとって実際に役立つのか疑問を抱いたからです。「本当にビジネスの現場で役立つ英語」を提供したいと考え、試行錯誤しながら独自の教材を作成しました。会社からは叱られましたが、教材そのものは世界各国のベルリッツで採用され、高く評価される結果となりました。

 その後、2012年には、同僚と共にビジネス英語に特化したオンライン英会話サービス「Bizmates」を立ち上げました。このプログラムは単に英語力を上げるのはなく、「ビジネスで成果を出すための5つの素養」を高めることを目的としています。


世界で活躍するために必要な5つの素養

 こうした経験から、今でも耳にする「ビジネス英会話は難しい」「まずは日常英会話から」という考えに対し、私は「ビジネス英会話はむしろシンプルで学びやすい」と声を大にして伝えたいと思っています。それでは、なぜビジネス英会話がシンプルであると言い切れるのかを説明します。

ビジネスで英語を使いたいなら、英語初心者もビジネス英会話から学ぶべき

 日常英会話は自由な表現が多く、細かいニュアンスや感情を伝えるために柔軟な表現が必要です。対して、ビジネス英会話では場面に応じた定型フレーズが決まっており、あらかじめ覚えてしまえば、まったくの英会話初心者であっても簡単に対応できるのです。

 実際に、日常英会話から始めた結果、仕事で英語を使うまでの道のりが遠回りになり、挫折する人も少なくありません。英語を使う仕事を目指すならば、「ビジネス英会話で基礎から学ぶ」ことが最短の近道です。ビジネスに必要な表現や単語を習得することで、効率的に英語力を身に付け、実際のビジネスシーンでも自信を持って会話ができるようになるでしょう。


日常英会話とビジネス英会話

ビジネスにおける「シンプル・丁寧・効果的」な英語

 ビジネス英会話のポイントは「シンプル」「丁寧」「効果的」の3つです。この3点を意識するだけで、誰にでも伝わりやすいビジネス英語が身に付きます。

 まず「シンプル」ですが、ビジネス英語は目的がはっきりしているコミュニケーションです。「商品やサービスの説明をしたい」「商談をまとめたい」など、何を伝えたいかが明確なので、難しい単語は必要ありません。特に、英語を第二言語として使う相手も多いため、分かりやすい表現が好まれます。相手が理解しやすい言葉を選び、「どう伝えたら分かりやすいか」を意識して話すことが大切です。

 次に「丁寧さ」について。ビジネスでは、相手への配慮が円滑なコミュニケーションを生み、人間関係の構築にもつながります。例えば、ミーティングに遅れた同僚に対して、ただ「Why are you late?(なぜ遅れたのですか)」と聞くより、「Is everything OK?(何かあったのですか)」と声をかける方が、状況を気遣う丁寧な表現になります。相手の立場に立って考えた言葉を選ぶことが、ビジネスシーンではとても大切です。

 最後に「効果的」であること。ビジネス英会話では、話す内容に「結果を出す」意識を持ちましょう。例えば、勤め先を聞かれた際に、単に会社名を伝えるだけでなく、「われわれは日本でビジネス英語のオンラインプログラムを提供しています。業界No.1の会社です」と付け加えることで、相手の興味を引き付け、自然に自社の強みをアピールすることができます。こうした会話が、新たなビジネスチャンスや人脈づくりにもつながります。

 グローバルで活躍する人たちも、複雑な英語ではなく、「シンプル」「丁寧」「効果的」を心掛け、相手に伝わりやすい言葉で話しています。この3つを意識し、誰にでも伝わる英語で会話することが、ビジネスを成功に導くポイントです。


伝わるビジネス英会話・3原則

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