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「ビジネス英会話」は「日常英会話」よりも簡単ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

「ビジネス英会話は難しい」「まずは日常英会話から」という考えに対し、「ビジネス英会話はむしろシンプルで学びやすい」と声を大にして伝えたい。その理由は。

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ビジネス英会話において大切な3つのマインドセット

 さらに、ビジネス英会話において重要なのは「正確さ」よりも「伝わること」を意識するマインドセットです。つい文法や単語の選択にとらわれがちですが、肝心なのは「相手にメッセージが伝わるか」という点です。例えば、「前置詞はforで合っているか?」と悩むうちに、会話が止まってしまうことがあります。特に英会話初心者は「少々間違っても伝わればOK」という意識で臨むと、スムーズに話せるようになります。

 次に重要なのは、「自分」ではなく「相手」のことを考えること。「間違えたらどうしよう」と自身のイメージばかりを気にすると、話すことが難しくなります。相手の気持ちや伝えたいことに目を向け、「どうしたら相手に伝わるか」を意識しましょう。これが英語を使ったコミュニケーション成功のカギです。

 さらに、「過程」ではなく「結果」に目を向けること。発音や見た目を気にするより、ビジネスでの目的を達成するための結果重視で会話に臨むことが、効果的なビジネス英会話につながります。

ビジネスチャンスを逃すな!

 ビジネス英会話を習得することで得られるのは、単に英語を話す能力だけではありません。異なる文化や価値観を尊重しながら、自分の意見を効果的に伝えるスキルを磨くことで、国籍や背景を超えた信頼関係を築けるようになります。この信頼が、ビジネスを成功に導く大きな要素となります。

 幸運にも、日本は世界で「信頼」されている国です。日本にいた頃はそう感じることはありませんでしたが、フィリピンや台湾に行って仕事をするようになってから、日本人であることがアドバンテージであることに気付きました。また、高品質でありながら、手頃な価格で提供されている日本の製品を海外でもっと広げるために、日本人のコミュニケーション能力を向上させる必要性を感じたのも、起業をした理由の一つです。

読者へのメッセージ

 『シンプル・丁寧・効果的なビジネス英会話のコツ96』では、皆さまのビジネスシーンに役立つフレーズやコツを多数取り上げています。本書で最も伝えたいのは、「ビジネス英会話は決して難しいものではなく、日常英会話よりもシンプルで、習得しやすい」ということです。複雑な表現を覚えるよりも、まずは簡単で実用的なフレーズを身に付け、丁寧かつ効果的に伝えることで、グローバルな場でのコミュニケーションが円滑に行えるようになります。

 本書を通じて日本のビジネスパーソンの皆さまが自信を持ってビジネス英語を使いこなし、グローバルな舞台で輝くためのきっかけになれば幸いです。

著者プロフィール:伊藤日加(いとう ひか)

ビズメイツ株式会社 取締役 / Bizmates Philippines, Inc. CEO / ビジネス英語コーチ

カナダで生まれ育った日系2世。1996年来日し、英語教師としてベルリッツ・ジャパンに入社。英語教師を経て、同社4校で主任教師に従事し、教師の採用およびマネジメント、品質管理を担当。4年連続エクセレントパフォーマンス賞を受賞した。2008年より本社商品開発マネージャーとして、世界のベルリッツで使用されているビジネス向け教材、企業向けカスタマイズ教材の開発を担うかたわら、企業向けのセミナー講師を担当。2012年7月、ビズメイツ株式会社を設立し、取締役に就任。以来、Bizmates Philippines, Inc. CEOを兼任。これまでビジネス英語を指導してきたビジネスパーソンは2万人以上にのぼる。2022年6月には、YouTubeチャンネル『ビジネス英語コーチHika』を開設し、社会人の英語学習の支援に力を注いでいる。


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