ITmedia エグゼクティブ
PR

企業内に混在する複数のアプリケーションを容易に統合して、きたるべきSOAに向けて第一歩を踏み出す

標準的なパッケージの機能だけで、企業の業務を完ぺきに処理できることはほとんどない。SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいた次世代のアプリケーションの提供も目前に迫っているが、その過渡期において、システム統合を短期、低コストで実現し、なおかつ将来にわたってアプリケーションの統合基盤として活用できるのが、オラクルが提供する「アプリケーション統合アーキテクチャ(AIA)」だ。はたして、AIAの導入は、企業に何をもたらすのか。アプリケーションビジネス推進本部アプリケーション統合アーキテクチャ推進部ディレクターの大本修嗣氏に話を伺った。



パッケージを導入してもインテグレーションの負担は大きい

 これまで多くの企業は、ERPやCRM、SCMベンダーから提供されるさまざまなアプリケーションを使用して、経理、顧客、人事サービスなど、企業の中核となる業務の自動化を進めてきた。アプリケーションを構築するアプローチは企業によってさまざまだが、競合差別化と価値創造という2つの軸を使って整理するとわかりやすい(図1参照)。

 差別化や価値創造に迫られていない場合は、パッケージを導入して、そのベストプラクティスを展開することで、業務プロセスの再構築を図れば良い(図中?)。また新たな価値創造の必要はないが、自社のオリジナリティを活かす場合には、標準アプリケーションに機能をアドオンして適用範囲を拡張するという選択肢がある(図中?)。一方、業界標準でよいが新たな価値創造を目指す場合、時間をかけてパッケージベンダーに将来の機能追加を要請するという選択肢もある(図中?)。さらに差別化と価値創造の両方を重視するなら、短期的措置として、多種多様なシステムと統合してでも、まず動かすことを考えるというやり方もある(図中?)。

image ビジネス目標達成に向けた計画的なアプローチが必要

 かつては多くのユーザー企業が手組みで業務システムを構築してきた。しかし、それでは構築に膨大な時間とコストがかかるため、ひとまずパッケージを導入して、それに業務プロセスを合わせて機能追加を待つというアプローチを選ぶ企業が増えた。つまり?や?のアプローチだ。

 ただ、パッケージとして用意されているものだけでは自社の業務プロセスをカバーできず、実際はパッケージにアドオンしたり、複数のアプリケーションを抱えて統合が必要になるケースが少なくない。そこに気が付いた企業は図中?や?、つまり大規模なアドオン開発やシステム統合のアプローチを選ぶことになるが、複数のアプリケーションを統合するには、依然としてコストのかかる開発作業を企業側で実施する必要がある。特に製造業における個々の製品特性に合わせた生産ラインや多くの業種で展開されているビジネス・ユニット内の独自システム、また地域事業所ごとに構築されたシステムなどの統合作業はさらに複雑になるし、アプリケーションに変更が加えられれば、そのたびに再統合が必要になる。

 ちなみにERP導入企業のシステム投資額の内訳は、パッケージ本体の購入費28.3%に対して、アドオンや機能追加・連携にかけた費用は26.3%(『2007『ERP市場の最新動向』企業アプリケーション・システムの導入状況に関する調査』/日経BPコンサルティング)。複雑なカスタム統合のコストは企業にとって大きな負担であり、それがアプリケーション構築の戦略を策定する際の悩みの種になっている。

アプリケーション統合アーキテクチャ(AIA)は将来のSOA実現のための
ステップ

 このような状況に対して、オラクルは3つのアプリケーション戦略を打ち出して、ユーザーに選択肢を提示している。一つは「Applications Unlimited」。これは同社のERPソフトウェアであるOracle E-Business Suiteや、買収したPeopleSoft、JD Edwards 、Siebelなどのアプリケーションについて、文字通り期限を切らずに継続的に新機能を増やしていくという戦略だ。一方、08年には次世代アプリケーションとして「Fusion Applications」の提供を予定。これはSOAに基づくサービス集合体のアプリケーションを、仮想的なスイートとして提供するものだ。アプリケーションビジネス推進本部 アプリケーション統合アーキテクチャ推進部 ディレクターの大本修嗣氏は次のように例を挙げる。

 「例えばFusion Applicationsで提供予定のHCM(Human Capital Management)は、PeopleSoft HCMの機能性やユーザビリティを踏襲していますが、従来のPeopleSoftユーザーで操作上や機能上の戸惑いを感じるお客様は、そのまま使い続けたほうが良いかもしれません。一方、新しくHCMを考えるなら、Fusion Applicationsから導入することも可能です」

 では、既存アプリケーションを使いつつ、将来的にFusion Applicationsへの移行を目指すにはどうすれば良いのか。そこで注目したいのが、2つの戦略の中間に位置して、アップグレードパスを過渡的に担保する「Application Integration Architecture(AIA)」だ。AIAの役割は、Fusion Applicationsを構成する各サービスを先出ししていくと同時に、Applications Unlimitedの既存アプリケーションを一部機能やサービスに見立て、一連の業務フローを構築することにある。つまり、AIAで複数のアプリケーションを統合したユーザーは、将来、Fusion Applicationの世代になってSOA化するときに、時間的な制約を受けることなく、好きなタイミングでスムーズに移行できるというわけだ。

完成度の高いオブジェクトとサービスでアプリケーション統合コストを
年率15〜30%削減

 AIAは、「業種別リファレンスモデル」、「プロセス統合パック」、「Oracle Fusion Middleware」の3つのキーコンポーネントと、共通オブジェクトとサービスで構成されている。

 業種別リファレンスモデルは、各業界特有のビジネス・プロセスの論理的表現と、そのプロセスを通じて収集・使用される情報の論理データモデルから構成される抽象化モデルである。各業種プロセスは複数のレベルで定義され、下層にドリルダウンしていくと、業務のステップやアクティビティのレベルに落ちていき、さらにもう一段下りるとアプリケーションのタッチポイントと統合フローが提供される。

photo 日本オラクル アプリケーションビジネス推進本部 アプリケーション統合アーキテクチャ推進部 ディレクター 大本修嗣 氏

 「業界別リファレンスモデルは、いわば上から業務プロセスを俯瞰する地図のようなもの。これを使うことで、プロセスを自動化・標準化するだけでなく、自社の現状と業界のベストプラクティスと比較して把握し、プロセス改善の足がかりにすることができます。業種モデルは最終的に30業種を予定していますが、その中でも優先度が高い7業種については、年度内に提供できるでしょう」

 業種別リファレンスモデルの最下層では、特定のタスクフローや統合ポイントの詳しい分析が記述されているが、これと直接対応するのがプロセス統合パックだ。プロセス統合パックは、業界標準の共通データモデルに基づいて、適切な粒度の業務サービスと自動化フローを定義した事前定義済み(プリビルド)のSOAパッケージ。共通のオブジェクトとサービスを活用することで、オラクルの複数のアプリケーション製品間を容易に連携できる。

 Siebel CRMとEBSを連携するケースで考えてみよう。従来、この2つを統合するときには、両側のインターフェイスやAPIを調査して、データをどうやって交換するのか、そのタイミングはどうかということを現場でアセスメントして、プログラムを作り、テストをするという作業が必要になる。プロセス統合パックでは、この一連の作業を事前に定義して、システム連携にはパッチを提供する。それぞれのアプリケーションにパッチを適用することで、オフジェクトやサービスが自動的に動く仕組みになっている。

 「パッチベースの連携ならば、もともと製品として存在し、検証もされて、インターフェイスも分かっている製品同士でつなぐことになるので、極端にいえば動作確認だけすればいい。そのため本来は数十人月かかるような工数は劇的に減少します。また疎結合で統合するため、片側のアプリケーションに変更があっても、もう片側には影響をほとんど与えません。そういう意味では継続的にコスト削減になります。将来の変更を含めると、アプリケーションの統合コストは年率15〜30%下げることが可能です」

 現在、プロセス統合パックのバリエーションは10パターンまで増え、さらに07年11月には、オラクル製品とサードパーティのアプリケーションを統合する「ファウンデーションパック」を発表している。「ファウンデーションパック」はAIAで使用可能なすべてのオブジェクト、サービス、リポジトリのセットである。

 アプリケーションの統合は、例えば国際会議で中国人とフランス人が英語を使って会話をするように、それぞれのアプリケーション固有の方言を共通の言語に変換してやりとりする必要がある。共通語に当たるのが共通オブジェクトとサービスの部分で、中間で全員の発言を聞いて、それぞれに通訳をしてくれるのがアプリケーション・ビジネス・コネクター・サービス(ABCS)だと考えてよいだろう。ABCSは「プロセス統合パック」にセットされているが、「ファウンデーションパック」には開発ガイドラインのみが提供されている。より自由度の高い開発ツールである同パックはユーザーがガイドに沿って統合の作業を進めていくわけだ。

 「これによって、オラクル製品に限らず多様なアプリケーションがSOAによって容易に統合できるようになります。もともとAIAは、他のシステムに依存関係を持たずに中間層を標準化して、すべてはコネクターサービスが吸収するというのがコンセプト。『ファウンデーションパック』の提供で、AIAの全容をお見せすることができたと思います」

 複数のアプリケーションが混在する環境で、N対Nのインテグレーションは、複雑でコストもかかった。それがポイント・トゥ・ポイントで統合できるようになった意味は大きいはずだ。

ガバナンスとアーキテクチャの両輪でエンタープライズSOAを実現する

 SOA化には、業務モデルの設計から業務フローへの落とし込み、システムとしての実装まで、SOAを実現するための枠組みと方法論が必要だ。また、こうしたルールだけでなく、パッケージ機能や既存の自製サービスを呼び出せるアーキテクチャも必要になる。これらを一から作り上げるのは実質的に手組みの世界と変わらず、冒頭で述べたように多大なコストを要してしまう。

 そこで効果を発揮するのがSOAミドルウェアだが、各ベンダーの戦略を見ていくと、汎用的なルールはあっても、サービスは新たに自分で作らなくてはいけない。また逆にサービスは用意されているが、ルールはベンダーに依存する閉じたものであったりと、ガバナンスとアーキテクチャの両輪が揃っていないケースが見受けられる。AIAは、この両輪を揃えて提供しているという点で大きなアドバンテージがある。将来、エンタープイズSOAへの移行を考えているならば、AIAは、その第一歩として有効な選択肢になるはずだ。


ホワイトペーパーダウンロード

複数のアプリケーションにまたがるビジネスプロセスを統合

Oracle Application Integration Architecture(アプリケーション統合アーキテクチャ)による、複数のアプリケーションにまたがるシームレスなビジネスプロセス統合を実現。

 このホワイトペーパーでは、オラクルのアプリケーション統合アーキテクチャにより、複数のアプリケーションにまたがるビジネスプロセスをどのように実現するかについて説明する。オラクルが提供する業界トップのミドルウェアと最高クラスのアプリケーションを組み合わせて使用し、従来の業務別サイロの枠を超えたビジネスプロセスを実現することで、コスト効率の向上およびサイクルタイムの短縮が可能になる。

 オラクルは、事前構築済みの統合パッケージを提供し、これらの統合に対して継続的なサポートや機能強化を図ることにより、業界のベストプラクティスとしての業務統合/最適化プロセスを、短時間で、簡単かつ低コストで導入および展開できるよう支援する。

TechTargetジャパン ホワイトペーパー ダウンロードセンターにて入手できます。

※ITmedia エグゼクティブマガジン 2008年2月号より転載




提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2008年2月9日

ホワイトペーパー

複数のアプリケーションにまたがるビジネスプロセスを統合
Oracle Application Integration Architecture(アプリケーション統合アーキテクチャ)による、複数のアプリケーションにまたがるシームレスなビジネスプロセス統合を実現。