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» 2017年01月10日 10時00分 UPDATE

デジタル変革時代のIT戦略は「15年後」をイメージできるかが鍵

ビッグデータやIoT、人工知能といった先進テクノロジーが大きく取り沙汰され、またそれらをビジネスに活用した事例も大きく紹介されるようになってきた。そんな時代に、企業はいかに時代を先読みし、どんなIT戦略を立てるべきなのか? 

[PR/ITmedia]
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 2016年11月24日、京都のホテルにてデルとITmediaエグゼクティブ編集部共催の「Dell×ITmedia CIOラウンドテーブル」が開催され、大手企業のCIOと企業ITを取り巻く環境変化やトレンドなどについて活発なディスカッションが繰り広げられた。

 なおデルは旧EMCを買収したことに伴い、2016年9月から「デルテクノロジーズ」として新たなスタートを切った。もともとデルが保有していた膨大なポートフォリオに、EMCおよびそのグループ企業のソリューションが新たに加わったことで、クライアントからインフラ、サービス、仮想化、クラウド、さらにはセキュリティに至るまで、実に多種多様なITインフラソリューションを包含する巨大IT企業グループとなった。

 新しいデルの取り組みについて、デルCTOの黒田晴彦氏より「デジタル時代のITインフラストラクチャー」と題して紹介された。

15年後に企業ITはどのように姿を変えているか?

デルCTO 黒田晴彦氏

 黒田氏は長らく三井物産において、IT施策のキーマンとしてさまざまな要職を歴任した後、2016年5月よりデルのCTOに就任した。冒頭、企業が今ITインフラ戦略を考える上では、まず「これからの15年」について思いをはせることが重要だと述べた。

 「ITシステムの能力やキャパシティは、5年ごとに10倍に向上する。従って、15年後の2031年には現在の1000倍になっている。そのころには、全米を走る自動車の約半分が自動運転になり、ヒトの遺伝子解析がわずか90秒間で完了するといわれている。このような著しい技術変革は、企業にとってはリスクであると同時に、大きなチャンスでもある」(黒田氏)

 黒田氏は、これまでの15年間で主流を占めていたITは、来る15年間で異なるパラダイムに取って代わられると説く。従来の企業ITの主流は、決まった範囲の情報を効率的に処理することを目的とした、いわゆる「System of Record(SoR)」と呼ばれるシステムだった。しかしこれからの15年間は、システムや組織の壁を越え、クラウドを介して人やビジネスを広くつなげていく「System of Engagement(SoE)」が大きく成長していくと言われている。

 とはいえ、従来型のシステムがある日突然なくなってしまうわけではない。投資の伸びは徐々に鈍化していくことが予想されるものの、当面の間は新たに台頭してくるクラウドネイティブ型システムとの共存状態が続いていく。

 「これから訪れるのは、この両者のITパラダイムが共存する"ハイブリッドクラウド"の時代だと私たちは見ている。デルがEMCを買収したのも、まさにこのハイブリッドクラウドにより最適な価値をお客様に提供することが目的だった」(黒田氏)

ハイブリッドクラウドへ向けたDell EMCの取り組み

ハイブリッドクラウドへ

 Dell EMCでは、顧客が自社のシステムをスムーズにハイブリッドクラウドへと移行できるよう、3ステップのプロセスを提唱している。1ステップ目は「モダナイズ」。まずはインフラのアーキテクチャを、ハイブリッドクラウドに適した新たな技術とコンセプトをベースに構成し直し、テクノロジー面の土台を整える。その上で2ステップ目の「自動化」で、新たに適用したテクノロジーを駆使してIT運用タスクを大幅に自動化し、これまで企業のITコストの多くの部分を占めていた人件費を削減する。

 これらのステップを完了した後に、3ステップ目の「トランスフォーム」、すなわちハイブリッドクラウドへの移行が実現するとしている。

 このモダナイズや自動化を実現するために「フラッシュ」「スケールアウト」「ソフトウェア・デファインド」「クラウド」「保護と信頼性」などの先進機能を適用したさまざまなインフラ製品を提供している。デルとEMCという、それぞれが異なる分野で業界トップクラスのインフラ製品を提供してきたベンダーが1つになったことで、ストレージ、コンバージドインフラ、クライアント、データセンター、仮想化、クラウドと、広範な分野で業界No.1の製品がそろうことになった。

 また製品そのものだけでなく、世界中に張り巡らせたサポート網を駆使し、グローバルレベルでの磐石のサポート体制を敷くほか、製品設計や品質管理の取り組みにおいても、他のグローバルベンダーとは明らかに一線を画すと黒田氏は力説する。

 「Dell EMCの製品設計の根底には、"どれだけ機能を向上させても、コストや複雑性は決して上げない"という思想が脈々と受け継がれている。むしろ、機能が年々高度化する中で、コストパフォーマンスや利便性も同時に向上させている。ちなみにデルでは10年前から、日本の製造業が得意とする"トヨタ流カイゼン"を取り入れた業務改善に取り組んでいる。事実、デルのオフィスの壁には"Kaizen"というキーワードが書かれた紙が貼ってある」(黒田氏)

デジタル変革時代にあるべきIT戦略とは?

 デジタル変革を起点に企業ITが分水嶺に差し掛かっている今日、企業はどのようにIT戦略を考えるべきなのか? あるいは、いち早くデジタル変革に対応して成果を上げている企業は、どのようなIT戦略を立てているのか? 黒田氏はまず、「IT戦略と経営戦略との間の主従関係が変化しつつある」と話す。

 「かつては、経営戦略策定時にITについて考慮・言及されることは稀であった。しかしここ1年ほどの間で、人工知能やIoTといった先進技術の目覚しい発展が各所で紹介される機会が増え、企業の経営者も"人工知能やIoTを何らかの形で自社のビジネスに役立てられるのではないか?"と、IT環境の急速な変化を踏まえた上で経営戦略を考えるようになりつつある。つまり、経営戦略とIT戦略が不可分の関係になりつつある」(黒田氏)

 IT戦略はお客様に価値を届けるための重要な手段と見なされるようになってきた。重視されるポイントも、社内中心のITが「最適化」であったのに対して、お客様中心の領域では「スピード」が極めて重視される。そのために、デジタル変革に積極的に取り組む企業の多くが、自社で開発・運用するオンプレミス型アプリケーションから、迅速にシステムを構築して顧客にサービスをいち早く提供できるクラウドネイティブアプリケーションへとシフトしている。

 黒田氏は、実際にこうしたIT戦略をいち早く実践している国内企業の事例を幾つか紹介した。例えばある証券大手では、これまで長年に渡りメインフレームで運用してきた店頭向け基幹システムを、数年かけてパッケージ製品へとリプレースした。その過程ではビジネスプロセスの抜本的な見直しと標準化を行い、節約できた人的リソースはフロントの営業戦略を担うシステムに投入する、という大胆な経営判断を下した。これは、まさに「これからの15年」を見据えた取組と位置付けられる。

 その他にも、自動車、商社、建設機械、衣料品などの名立たる企業が、デジタル変革の波にいち早く対応することを狙い、大胆なIT施策を打ち出しているという。

第一線で活躍する現役CIOはデジタル変革をどうとらえているのか?

 本イベントの後半では、アイティメディア エグゼクティブプロデューサー 浅井英二のモデレーションのもと、黒田氏と参加者によるディスカッションが行われた。

 現在注目しているテクノロジーは? という浅井の質問に対して、参加者の多くから人工知能やIoTといったキーワードが真っ先に挙がった。

 例えばインターネットビジネスを手掛ける小売の世界では、顧客にお勧め商品を提示するレコメンドエンジンをはじめ、早くから人工知能技術が使われてきている。また、ユーザーの動向を分析するためのビッグデータ技術も他業界に先駆けて導入しており、他社との差別化を図るために先進技術を積極的に活用している。今後さらにテクノロジーがビジネスに与える影響は大きくなるという。

 製造業ではIoTや人工知能、自動化技術が導入されることで、省力化や自律化が大幅に進む。例えばIoTを活用して既存のプロセスを最適化することもできるし、新たな技術で次のビジネスを生み出すこともできる。重要なのは先進技術やその事例にも、常にアンテナを張り巡らせておく必要があるということだ。

 また、先進テクノロジーに取り組むための課題としては、既存のITインフラにかかるコストをどう下げるのか、テクノロジーの変化が激しい中いかに人材を育成するかに意識が集まっていた。

 最後に黒田氏は、「経営がITに寄せる期待は、確実に高まっている。そしてこれからの15年間は、極めて大きな変革の時期に差し掛かるであろうと実感している。そんな中、こうしてさまざまな業種の方々と交流し、情報交換する場を提供することは、皆さまが自社のデジタル変革を推し進める上でお役に立てるのではないかと考えている。また、弊社としても皆さまからの意見をぜひ頂戴して、今後の製品・サービス開発に生かしていきたい」と締めくくった。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2017年1月31日