PDFファイルは多くの企業で日常使われる業務関連文書として広く使われている。だが、PDF文書をさらに使いこなし、効率的に管理、利用することで、業務スタイルを変革できることに気づいている企業はまだ少数だ。
企業が文書を閲覧、編集、保管するためのツールとして、PDF(Portable Document Format)が広く使われている。ユーザーが電子的に作成されたさまざまなフォーマットの文書や画像データをPDFに変換して保存することで、社内外で文書をレビューしたり、長期間整理、保存したりできる。官公庁の公式文書などもPDFによる電子的にやり取りすることが認められているので、一般的な文書形式として扱われている。現在では、PDFファイルはあまりにも一般的な文書フォーマットになっているため、企業の利用シーンなどでは、関連ソフトウェアのライセンス管理のずさんさが問題になることもあるようだ。
企業の人員やITコストの削減が進む中、少ないリソースで業務効率を向上させることが求められているが、業務効率を向上させるためのシステムやソフトウェアの購入費は抑制される傾向にある。PDFの作成・編集ツールは、高額なもので1ライセンス当たり数万円かかることもあり、全社PCに導入することは容易ではない。もし、企業がソフトウェアの一括購入をせず部門ごとの購入を見過ごしていたり、購入後のライセンス管理をしなかったりすれば、PDF作成・編集ソフトウェアを不正にコピーして利用する者などが現れ、それが公になるリスクが高まる。業務に致命的な支障が出る恐れもある。
不正コピーの問題以外にも、例えばバージョンアップ時に初めて統括的なライセンスの管理作業を開始して、運用コストの高さに驚くというケースもあるようだ。
2008年、国際標準化機構(ISO)はPDFを文書フォーマットの国際規格として承認したが、これがきっかけになり、PDFの作成、編集を可能にするツールが複数のソフトウェアベンダーから販売されるようになった。企業ユーザーにとっては、機能、価格の両面からPDF作成・編集ツールを選択できるようになったわけだ。
選択の幅が広がったと言っても、企業利用に適したPDF作成・編集ツールはそれほど多いとはいえない。安価だが、機能がコンシューマー向けであったり、全社導入に踏み切るには高額で使わない機能が多いといったりしたことがある。
ここで、企業利用に適したPDF関連ツールの条件を挙げておきたい。
まず、数百人以上の規模での一括導入が可能であり、修正プログラムの配布負担などがIT管理者にとって少なく、さらに、サポート体制が整っていることが最初の条件になる。
次に機能面である。複数のスタッフが入れるさまざまな注釈コメントや訂正を区別できるといったことはもちろんのこと、スタンプやアンダーラインなどを入れる際の使い勝手も重要だ。また、セキュリティの面から、PDF文書を暗号化する機能なども必須といえる。
こうした条件を満たした上で、導入コストを抑えることのできるツールとして、クオリティが提供する「Quality Gaaiho(ガイホー) PDF Suite」(以下Gaaiho)が注目されている。クオリティは10年以上前からPDF文書による業務変革ソリューションをユーザーに提案、販売しており、多くの顧客から高く評価されてきた実績がある。
Gaaihoの販売、導入コンサルティングを行う、クオリティソフトのビジネス企画本部 秋子英明担当課長は次のように話す。
「GaaihoはWindowsアプリケーションで作成されたファイルからPDFファイルを生成するGaaiho PDFと、MS-Wordと似たインタフェースでPDF文書をゼロから作成し、編集する機能を持ったGaaiho Docで構成されています。MS-OfficeやIEメニューからPDFを作成することもできるように設定できますし、長期保管に適したPDFの種類を選定できます。暗号化のレベル設定、すかし機能、既存ファイルへの挿入、追加、上書き、オーバーレイ機能など、企業ユーザーが必要とする機能も網羅した製品です」
このほか、Gaaihoはスタンプ、アンダーライン、マーカーといった編集には欠かせない機能はもちろん、文書の正当性を担保する電子署名ソリューションとの連携機能も備えている。そして他社製品のツールで作成したPDF文書も難なく変換し、問題なく表示できる。これは、PDFの各バージョンへの対応能力が優れていることを裏付けている。またPDFの脆弱性に対する攻撃をいち早く防御する体制も整えている。
「われわれの願いは、顧客企業がPDFを最大限に利用し、業務変革を実現することにより、ワークスタイルを変革してもらうことにあります。単純にツールを販売するのではなく、使い方についてのさまざまな提案をし、顧客と意見交換をしながらPDF文書を利用するメリットを最大限に引き出していきます。そのため、既存顧客がわれわれのサポート体制に大きな信頼を寄せています」(秋子氏)
Gaaihoが優れたツールであることは、バラエティ豊かなユーザー分布からも分かる。製造業全般はもとより、建設業、出版業などさまざまな業種の企業や官公庁がPDFツールとしてGaaihoを採用しているのだ。
「顧客企業によっては、他社製品からGaaihoに乗り換えたことでライセンス費用が5分の1に軽減できるケースもあります。コスト面の節約というだけでもGaaihoは大きな成果をユーザーに提供できるのです。しかし、われわれが顧客企業とともに目指すのは、その先にあるワークスタイルの変革です。2008年以降の一部法改正により、文書管理に対して厳しい態度で臨まなくてはならなくなった建設業界の企業からも高い評価をもらっています」(秋子氏)
2008年の一部法改正で建設業界の企業は平面図、縦断面図、横断面図、構造図などの完成図面、発注者との打ち合わせ記録、施工体系図などを10年間保存するように義務付けられた。実際には保存について、10年よりはるかに長期間の管理体制を敷く企業がほとんどだという。公的な証左にもなる書類のPDFによる保管や、PDF化した図面データの企業間でのやり取りなどの際に、Gaaihoはユーザービリティ、セキュリティ、コストといった条件で信頼できるツールとして注目されている。
「これは全業種に言えることですが、組み版データや画像、レイアウトを作成するソフトウェアは非常に高価です。CADソフトでも同様のことが言えます。自社で編集機能を持たせてブローシャやパンフレットの作成時間を短くし、コストも抑えようという動きが一般的になってきました。そうした中、パートナー企業や専門スタッフとのレビューのやり取りなども、正確かつすばやく実施するというという要請が当然出てきます。どんなツールで作成したデータもすべてPDFにして迅速に内容を精査し、漏れなく訂正することが求められているのです。これが業務変革、ワークスタイルの変革につながっていくのです」と秋子氏は語る。
Gaaihoは出版業、保険業という「1文字の間違いも許されない」という厳しいレビューが実施されることの多い業種で活用されている。内容の精査が厳しいことと同時に、訂正の精度、レビュー完了までのスピードアップも求められる。それに応えられるツールであるからこそ、クオリティはPDF関連ツールによるワークスタイルの変革まで顧客に提案できるのだ。
ワークスタイルの変革を実行するに当たり、特筆すべきGaaihoの機能を紹介しよう。保険業界などでいま盛んに利用されている機能だ。
Gaaiho Docでは、PDFにさまざまなフォームを設定できる。顧客向けアンケートの回答フォーム作成などに利用されることが多い。PDFによる電子化したアンケートにより、紙のアンケートでは低かった回収率を一気に高めることができたという。回答フォームはプルダウン形式やラジオボタン形式など、さまざまな形式を選択できる。回収後のデータ整理も、当然ながら紙よりもはるかに速い。
こうしたアンケートでのPDF活用はいわゆるマーケティングの効率化を実現するものである。このほかにも、持株会社制を採用するグループ企業などで全グループ挙げての調査および報告手法などにも利用できる。また代理店やフランチャイズ制を採る企業グループなどでも同様だ。報告書のフォーマットなどをPDF文書として作成し、電子メールなどで配布、回収する。例えば、オフィスにおけるペーパーレス化を推進する企業にとっては強い味方になるといえそうだ。
書類のレビュー、アンケート、報告書など、まだまだ紙の文書が活躍することの多い業務をPDFに置き換えるだけで、業務を改善し、企業内のワークスタイルを変革できるのだ。紙を配る、回収する、紙に書かれている内容をデータ化する、そのデータが正しいかどうかもまたチェックする――こうした仕事の手間が減り、より緻密な業務を多くの人数で迅速に進めることができる。PDFに詳細なコメントを適当な場所に直接指し示せれば、後からメールで確認する必要がない。修正内容を別のファイルにして送付することもなくなるので、訂正が複数回におよぶ文書のバージョン管理も容易だ。
また、Gaaiho PDFには複数のPDFを統合する機能があり、操作も直感的だ。この機能を使って既存のPDF文書を統合し、新しいファイルとして整理するという手法を、多くのユーザーがこぞって利用している。同社もそのノウハウをユーザー企業に提供している。
「DTP、グラフィック、Officeソフトなど異なるアプリケーションで作成された文書をPDFにまとめて統合するといったことも可能です。しかも簡単な操作でできるようになっています。こうした作業はドキュメントを再編集することにつながり、レビューして確認すれば文書保存のデータ量を大幅に削減し、ストレージ容量の節約にもつながります」(秋子氏)
このようにGaaihoは、コストだけでなく、業務量も含めて削減し、同時に導入企業のワークフローを変革し、業務の在り方を一新する潜在的な可能性を持ったツールである。今も昔も、ホワイトカラーの生産性向上は日本企業の課題とされてきた。Gaaihoはその解決に大きく貢献できる期待のIT製品なのである。
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提供:クオリティソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2010年12月25日