iPad対応と新コンセプトで電子文書の活用シーンがさらに広がるDocuWorks

「電子の紙」というコンセプトで誕生した富士ゼロックスのドキュメントハンドリング・ソフトウエア「DocuWorks」(ドキュワークス)。2010年10月には300万ライセンスを突破し、最新版ではiPhone/iPad での利用環境も提供している。ユーザー同士が机の上のトレイと同じようなイメージでの文書をやり取りできる新たなオプションもリリースした。電子文書活用のポータル環境を提供するDocuWorksに、ますます注目が集まっているのである。

» 2011年03月09日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

 富士ゼロックスの「DocuWorks」が、「ドキュメントハンドリング・ソフトウエア」として誕生したのは1996年のことである。そのコンセプトは「電子の世界に紙を作る」というものだ。リリース以来、その使いやすさや業務改善効果によりユーザーから絶大な信頼を得ている。

 データを入力し、文書を作成するためのツールとしては、例えばワープロソフトや表計算ソフトなど、さまざまな製品がある。またプリンターや複合機は進化を続けながら、完成した文書の出力先として存在し続けている。そこで、その間をつなぐソフトウエアとして開発されたのがDocuWorksだ。PCの利用においては電子データだけでなく、電子化された紙も必要であるという考え方から、「電子の紙を実現する」という基本コンセプトに基づいて開発されたのがDocuWorksであった。その詳しいいきさつは前回の記事で紹介した。

 今回は、DocuWorksのiPhone/iPadへの新たな対応や、ユーザー同士があたかも机上の文書トレイと同じような感覚で電子文書のやり取りができる新商品「DocuWorks ドキュメントトレイ オプション 1.0」(以下、トレイオプション)を紹介する。さらに、DocuWorksを開発する技術者に、製品の発展、継承の道筋を聞き、将来像を探る。

iOS対応で新たな世界への挑戦も

 富士ゼロックスのドキュメントハンドリング・ソフトウエア「DocuWorks」は、使い勝手の良さと、ペーパーレス化や業務改善など導入効果の高さで、個人から大企業や官公庁まで幅広い顧客層に受け入れられている。DocuWorksが多くのユーザーに支持され、評価されてきた背景には、他の文書管理システムにはない特徴があることが伺える。その最大の魅力とは、直観的な操作による使い勝手の良さだ。DocuWorksは、オフィスアプリケーションなどで作成された電子文書と、複合機やスキャナーなどでスキャンして取り込んだ紙文書を、すべて一元化し、視覚的な操作で管理や編集ができるようになっている。

 このDocuWorksが2011年2月に最新バージョン7.2をリリースした。これとほぼ同時期にリリースされた、注目すべきツールがある。「DocuWorks Viewer Light for iPhone/iPad」だ。

「DocuWorks Viewer」と「DocuWorks Viewer Light for iPhone/iPad」。DocuWorksとの組み合わせで電子文書の利用シーンが拡大 (画像をクリックすると拡大表示)

 富士ゼロックス ソリューションビジネス計画部 荒井聡行氏は「このアプリによりDocuWorksで作成した文書を、iPhone/iPadで閲覧することができます。紙に出力する代わりにiPhone/iPadを使うことができ、オフィスのペーパーレス化を進めることができます。DocuWorksの活用次第でワークスタイルの変革も可能です」と説明する。

 単なる移植ではなく、きちんとiOSの操作の作法に沿ってユーザーインタフェースがつくられており、セブン-イレブンのマルチコピー機でプリントアウトするサービス「ネットプリント」アプリとも連携可能である。富士ゼロックス ソリューション本部 ソリューション開発部 チーム長 佐藤譲氏が所属するDocuWorksの開発グループは、スマートフォンなどの最近のIT動向を受けて、DocuWorksの今後の方向性を探ろうとしている。

富士ゼロックス ソリューション本部 ソリューション開発部 チーム長 佐藤譲氏

 「実際の紙は、キーボードやマウスで操作するものではありません。iOSは手で直接操作することができ、モバイルにおいてより紙に近いドキュメント閲覧の環境を提供していると言えます。常にPCの前に座って仕事をするのではなく、いつでもどこでも自由なスタイルで書類を扱える姿、これもまさに『紙』の姿ではないでしょうか。こういった新たなデバイスと、電子の紙を実現するDocuWorksとの相性はとても良いと考えています」(佐藤氏)

 富士ゼロックスは、以前からDocuWorksの活用範囲を広げるための試みに取り組んできている。Windows Mobileなど各種プラットホームへの対応も、その一環だ。さらにDocuWorks7.2では新たにアカデミック版も用意し教育関連ユーザーに間口を広げるなど、ラインナップ拡充を進めている。

 「さまざまなお客様が自身のスタイルに合わせて仕事ができるよう、DocuWorksに多様性を持たせたい。DocuWorksの世界を拡大していきたいのです」(佐藤氏)

電子文書による新たなコミュニケーションを提案する新オプション

 DocuWorks 7.2と同時に発表となった「DocuWorks ドキュメントトレイ オプション」は、ユーザー同士の「絆」を創るという新たなコンセプトに基づいて開発された商品だ。

 「DocuWorksは、もともと紙が持っていた機能と同じく『個人のナレッジワークを支援する』ことと『文書で人と人を繋ぐ』ことの両面で役に立つようにできています」と荒井氏は言う。トレイオプションは、紙の書類をやり取りする際に用いるトレイをイメージした、電子の「文書トレイ」である。文字通り、ほかのユーザーと書類を受け渡すためのトレイとして機能する。

「DocuWorks Desk」と「DocuWorks ドキュメントトレイ オプション」。机の上に置いた文書トレイの感覚で電子文書の受け渡しが可能 (画像をクリックすると拡大表示)

 「メールや共有フォルダーを使って文書を受け渡すのは、『紙』の観点から見ると違和感があることが分かります。チーム内でやり取りする書類を、手紙にして送りますか? あるいは書類棚に入れて相手が持って行くまで待ちますか? そんなことはないですよね。実際には、紙の書類を受け渡すには、相手に手渡しするか、机の上の文書トレイに入れているはずです。それと近いことをPCの画面上でできるようにしました」(荒井氏)

 トレイオプションの文書トレイは画面上の好きな場所へ自由に配置でき、複数使い分けることも可能だ。DocuWroksで管理している書類を入れることで、同じ文書トレイを持つほかのユーザーに受け渡せるようになっている。自分の文書トレイに書類が入ってきたときには、ポップアップ表示で通知されるため、見逃すことはない。

富士ゼロックス ソリューション本部 ソリューション開発部 工藤庸二氏

 また、文書トレイは直観性を重視したデザインが施されている。「文書を入れれば文書トレイに積み上がっていって、一目でいくつの文書が溜まっているのかが分かります。これにより、例えば自分が処理しなければならない書類の量がどれくらいあるのかを、直観的に知ることができます。昔から机上にあった文書トレイは、そのような役割も持っていたのです」と語るのは富士ゼロックス ソリューション本部 ソリューション開発部 工藤庸二氏。

 文書トレイを共有する相手は人間でなくてもいい。例えば複合機で受信したファクス文書を文書トレイに送り込むよう設定しておけば、受信文書を見逃さず迅速に対応できる。受注処理など、ファクスから人へ、さらに人から人へと文書を渡しながら処理される業務などに活用することで、業務効率を改善することが可能だ。

多くのユーザーの声に応え、数々の機能強化や改良が続く

 DocuWorksは1993年に研究が開始され、1996年に最初のバージョンがリリースされた。1990年代後半といえばPCやインターネットが一般に広まり始めた時期である。IT環境の発展により人々の意識は大きく変わってきた。DocuWorksの「電子の紙」というコンセプトは、そんな時代の変化を超えて多くのユーザーに受け入れられ、使い続けられている。そして同時に、ユーザーによる使いこなしも進んでいる。例えば、大手企業の全社導入による紙の代わりとしての利用や、業務フローのペーパーレス化による改善など、さまざまな用途で使われている。

 「DocuWorksは、ユーザーが自分の仕事に合わせて自由にカスタマイズできる環境を大切にすべく設計されています。私たち開発チームが思い付かないような使い方や使いこなしをしているお客様も多くいます」と工藤氏は言う。

 ヘビーユーザーが増えれば、製品に対する要望も増え、かつレベルが高くなってくるものだ。開発チームでは、ユーザーから寄せられたさまざまな要望を整理・集計しているが、その数は数千件にものぼるという。

 「お客様の声を、DocuWorksならではの機能に変換して実装していくことが大切だと考えています。そして、高度に使いこなしているユーザーの要望に応えていくためには、商品を提供する私たちは、守り続けていくべきところは守り、その一方で以前と同じことを続けているだけではいけない、とも思うのです」(佐藤氏)

開発チームのメンバーが守り続ける基本コンセプト

 DocuWorksは主に「DocuWorks Viewer」と「DocuWorks Desk」の2つのソフトから構成されており、前者が「電子の紙」、後者が「電子の机」に相当する。この基本構成は、初期のDocuWorks開発陣によって作られて以来、十数年間に渡って受け継がれてきたものだ。佐藤氏はこう語っている。

 「開発メンバーは、常に『紙であることを大切に』と考えています。情報そのものだけでなく、情報を乗せるメディアである紙も重要なのです。例えば、現実の紙であれば、めくればすぐ次の紙が目に入ってきますよね。DocuWorksも、そういった紙が持つ使い勝手が提供できるよう、常に気を配っています」

 佐藤氏は現在、DocuWorksのアプリケーション本体の開発陣を率いている。DocuWorksの開発グループは、佐藤氏のチームの他にiOSなどマルチプラットフォームへの対応を進めるチームや、トレイオプションのようにDocuWorksの可能性を拡大するチームなど、多くのメンバーで構成されている。

富士ゼロックス ソリューションビジネス計画部 DocuWorksマーケティング推進 荒井聡行氏

 佐藤氏のチームに所属する工藤氏は、「電子の紙」を閲覧・編集するDocuWorks Viewerや、外部アプリケーションと連携するためのAPI関連の開発を担当している。

 「DocuWorksの良さは、『電子の世界に紙を作る』という基本コンセプトが貫かれていること。そこには自信があります。例えば文書の厚みや付箋の数などが『直観的に』一目で分かること、ユーザーが独自に使い方を工夫できる『汎用性』、そして動作の『軽快さ』、これらの点には、常にこだわり続けてきました。さらには『環境』、すなわち各種OSとの親和性や他システムとの連携のしやすさも、やはり重要なポイントです」(工藤氏)

 DocuWorksは、ユーザーの要望を大切にし、iPadなど最新デバイスへの対応や、新たなコンセプトを取り入れながら、「電子の紙」という基本を守り続けて進化しているのである。


※ iPad、iPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。IOSの商標は、Ciscoの米国およびその他の国のライセンスに基づき使用されています。 Windowsは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。XEROX、およびそのロゴと”コネクティング・シンボル”のマークは米国ゼロックス社の登録商標または商標です。DocuWorksおよびドキュメントハンドリングは、富士ゼロックス株式会社の日本およびその他の国における登録商標または商標です。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:富士ゼロックス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2011年3月31日