効果的な「働き方改革」実現には適材適所でのICT活用

働き方改革におけるICTの役割は大きい。富士通では、働き方改革のビジョンとして「ワークルネサンス」を推進。VDIとモバイルアプリのハイブリッド活用により、いつでも、どこでも、安全に仕事ができる環境の構築を提案している。

» 2017年01月17日 11時00分 公開
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 「働き方の変革で人と組織にもっと活力を」をテーマに開催された「第38回 ITmedia エグゼクティブセミナー」に、富士通 サービス&システムビジネス推進本部 モバイルビジネス推進統括部 第一ビジネス部 部長の吉田和博氏が登場。「モバイルデバイスとVDIの良い関係 〜場所・時間・使い方に合わせた情報活用術〜」と題し、ICTの活用で「働き方改革」を支援する富士通の取り組みを紹介した。

未来の働き方「ワークルネサンス」を推進

富士通 サービス&システムビジネス推進本部 モバイルビジネス推進統括部 第一ビジネス部 部長 吉田和博氏

 吉田氏は、「働き方改革におけるICTの役割は大きく、PCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末などを活用することで、いつでも、どこでも、どんなデバイスでも仕事ができるようになります」と話す。現在、富士通では、テクノロジーの進化により、自由度が増し、変革の過渡期にある「働き方」そのものを再定義し、未来の働き方を描くためのビジョン「ワークルネサンス」を推進している。

 ワークルネサンスは、進化するICTと人の共創によって「人を中心とした働き方の未来」を提案する富士通のビジョン。個人、チーム、ビジネス、社会という、4つのワークステージで、新たな価値を創造し、ビジネスの革新を生み出すことにより、顧客の成長を支援する。 その一環として、スマートデバイスを活用し「オフィス」「営業」「現場」など利用シーンに合わせた使い分けを提案している。

 「オフィス業務の利用場面を広げる場合は、VDIで既存のWindowsアプリをそのまま利用するのが効果的です。一方、現場では立ったまま使えるスマートフォンやタブレット端末などで、モバイルデバイスの機能を利用したり、操作性を重視したモバイルアプリが有効になります」(吉田氏)

VDIの導入で進むオフィスワークの改革

 VDIは、PC上のデスクトップ環境を仮想化、サーバ上で稼働させる仕組み。ユーザーは、クライアント端末から、ネットワークを介してサーバ上の仮想デスクトップ環境に接続することで、デスクトップ環境を操作する。最大の特長は、いつでもどこでも既存の業務アプリをそのまま利用できることである。

 「いまスクリーンに表示している講演用のスライドも、手元のPCには保存されていません。本社のデータセンターに保存されている講演用スライドを、VDI環境で表示しています。VDIは、データやアプリがデバイス上に保存されないので、盗難にあったり、紛失したりしても、セキュリティを確保することができます」(吉田氏)

 富士通社内でもVDIの導入が始まっており、既にグローバルで8万人を対象に展開中。生産性向上や多様な働き方への対応、情報漏洩対策の強化に取り組んでいる。

 VDIを導入するメリットは、ワークスタイルの変革、セキュリティの強化、運用管理負荷の軽減、システム要件への対応の大きく4つである。

 オフィスワークにおいて、VDIをいかに活用すればよいのだろうか。例えば、オフィスの自席ではデスクトップPCを使い、会議室ではノートPCを、別の事務所では共用端末を利用するような場合、VDIを利用しなければ、すべての端末に同じ環境をセットアップしなければならない。一方、VDIであれば、どの端末からでも、サーバ上に管理されている1つのデスクトップ環境を利用することができる。

VDIによる場所や端末にとらわれないオフィスワークの実践

 また、プリンタの設置場所に依存することなく、どこでも印刷ができる環境を実現した「PrintAnywhere」も用意されている。メーカー共通のプリントサーバをクラウドサービスとして提供しているため、それぞれの端末にドライバのインストールや設定をすることなく、出張先などでもVDI環境から印刷することができる。

 セキュリティ面では、ノートPCやタブレット端末の紛失や盗難、USBメモリによるデータの持ち出しなどの情報漏えい対策においても有効になる。運用管理では、単純にPCの導入コストとVDIの導入コストを比べると、VDIの導入コストの方が高くなるが、導入後の運用費用の削減などVDIの方が総保有コスト(TCO)の削減でメリットがある。システム要件への対応も効果の1つである。

 システム要件への対応について吉田氏は、「例えば、経理システムはWindows 7にのみ対応した業務アプリで、営業システムはWindows 8にのみ対応した業務アプリの場合、Windows 10端末では、経理システムも、営業システムも利用することはできません。しかし、VDIを導入することで、Windows 10端末からWindows 7やWindows 8のデスクトップ環境を呼び出し、経理システムや営業システムを利用することができようになります」と話す。

 それでは、VDIをいかに導入すればよいのだろうか。VDIの導入には、「自社構築型」と「サービス利用型」の2つの方法がある。吉田氏は、「まずは、サービス利用型でスモールスタートし、効果が認められれば広く展開することが有効です」と話す。富士通では、自社構築型のVDI環境に対応できることはもちろん、VDI環境をネットワーク経由で利用できる仮想デスクトップサービス「V-DaaS」を提供している。

モバイルアプリが有効な営業・現場の業務改革

 スマートフォンやタブレット端末など、スマートデバイスのメリットは、すぐにアプリを立ち上げて、立ったままでも使えることである。例えば、カメラと外部デバイスを使った保守現場の支援や、カメラとGPS、資料を使った工事現場の進捗報告、資料を使った顧客向けの提案など、現場や営業先での業務を効率化できる。

 「モバイルアプリを活用することで、カメラやGPS、加速度センサーなどの機能を利用するなど、高度な業務機能を実現することができます。また、地下や病院など、ネットワーク環境が不安定な場所においても、オフライン環境で利用することができます」(吉田氏)

モバイルアプリでは端末機能の活用や簡単に業務を遂行できるなどのメリットがある

 モバイルアプリを活用する場合、「モバイル対応パッケージを利用する方法」と「モバイル対応アプリを新規に作成する方法」の2つがある。モバイルアプリを新規に作成する場合、iOS、Android、Windowsの3つの主要なOSがあり、端末の種類やバージョンもさまざま、既存システムの改修や接続、利用者の認証など、解決すべき課題が多い。

 こうした課題を解決するため、富士通が提供するMEAP(Mobile Enterprise Application Platform)サービスが「MobileSUITE」である。MobileSUITEは、迅速かつ柔軟なモバイルアプリ開発および業務システム連携を実現。開発者は、開発効率の向上、運用負荷の軽減、利便性の向上などのメリットを享受できる。

 MobileSUITEを導入する効果は、以下の5つである。

(1)モバイルポータルの提供によるデータやアプリの安全な配信と、シングルサインオンによる利用者の負担軽減

(2)OSの種別やバージョンに依存しない開発と運用

(3)基盤機能の提供による開発効率の向上と開発負荷の軽減

(4)社内システムとの容易な連携

(5)容易な端末の運用管理

モバイルアプリ活用でビジネスを加速

 モバイルアプリを活用した企業では、どのような効果が期待できるのだろうか。静岡新聞社では、記者が記事を入稿する際、PC用の入稿システムを利用していたが、スマートフォンで現場からすぐに入稿したいという要望が多かった。そこで、MobileSUITEのAPIを利用して、スマートフォンと入稿システムとの連携を4カ月という短期間で実現。スマートフォンを利用して、現場からすぐに入稿することで迅速なニュース配信が可能になるとともに、記者のワークスタイルを変革した。

 広島県商工会連合会では、経営支援活動のための仕組みをMobileSUITEで構築。GPSで検出した近隣の訪問先の一覧をタブレット端末に表示し訪問先を選択すると、訪問日時、訪問者などの作業履歴が自動的に記録される仕組みを実現した。これにより、タブレット端末を活用した、経営支援活動のさらなる拡充を可能にした。

 さらに、富士通社内では、保守サポートシステムのモバイル機能をMobileSUITEで実現。当日の作業に必要なマニュアル情報等がスマートフォンへ暗号化ダウンロードされ、通信環境に依存しない円滑な現地対応が可能となるとともに、保守要員がオフィスに戻ることなく出先で作業報告できる仕組みを実現している。

 吉田氏は、「働き方改革を効果的に実現するためには、利用シーンにあわせたICTの活用が重要になります。VDIやモバイルアプリを有効な手段として、適材適所での導入を検討することがポイントです」と締めくくった。

ワークスタイル変革に不可欠なWindows PCとタブレット

 いつでも、どこでもを実現する「ワークスタイル変革」には、ユーザーが使用するデバイスにも配慮が必要だ。持ち歩ける、すぐに取り出せるなどの気軽さがポイントになるだろう。

 富士通が新たに発売する「Windows10」搭載の法人向けPCは薄型で軽量になっており、オフィスを離れて作業したい場合にも適している。

 また、ハンディタブレットはフルバージョンのWindowsを搭載しているので、いつもの作業をポケットに入れて片手で操作ができるなど、場所と作業を選ばずに使うことができる。例えば病院や物流倉庫など、常に動き回る業務でも効果を発揮するだろう。

ALTALTALT 左から、LIFEBOOK P727/P、LIFEBOOK U937/P、ARROWS Tab V567/P

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2017年2月16日