これまでのVDIは、高価で構築も容易ではないために、大企業向けのソリューションと思われていた。クラウドサービスを利用するNTT東日本の「おまかせクラウドVDI」は、VDIの運用・管理の手間を省力化し、安価に導入できることから、中堅・中小規模の企業にも安心してお勧めできるサービスである。
2020年1月14日に、Windows 7のサポートが終了する。サポートが終了すると、情報セキュリティ更新プログラムが提供されなくなるため、標的型攻撃やマルウェアへの感染による情報漏えいのリスクなど、危険な状態でシステムを使い続けることになる。そこで、早期にWindows 10への移行が必要になる。
Windows 10に移行するためには、端末にWindows 10やアプリケーションのインストール、ユーザーID/パスワード、ネットワーク環境などの設定を行うキッティング作業が必要になる。数台の端末であれば、特に大きな問題ではないが、数十台、数百台と台数が増えると、かかる時間や工数、コスト、情報システム担当者の作業負荷などが大きな課題となる。
また、Windows 10に移行することで、その後はWindows OSをバージョンアップするための作業は不要になるが、その一方で、毎月提供される「品質更新プログラム」や、春と秋の年2回提供される「機能更新プログラム」と呼ばれる更新プログラムを適用する作業が必要になり、運用や管理の負荷は減るわけではない。
ビジネス開発本部 第二部門 市場開拓担当 担当課長の菊池保文氏は、「Windows 7のサポートの終了をトリガーにして、端末環境の更改だけではなく、端末の管理方法を見直したいという企業や、テレワークの導入により働き方改革をめざす企業など、社内のIT環境を見直したいと考えている企業が増えています」と話す。
また、ビジネス開発本部 第二部門 市場開拓担当 主査の田辺弘実氏は、「一般的な傾向としては、2極化していると感じています。2019年10月の消費増税前に、Windows 10に移行するという企業も多かった一方で、現場の担当者はやらなくてはいけないと思っていても、経営者に声が届かないので何とかしてほしいという相談も増えています」と話している。
こうした課題の解決をサポートするのが、NTT東日本の「おまかせクラウドVDI」である。おまかせクラウドVDIは、VDI(仮想デスクトップインフラ)の設定から運用までをトータルにサポートするクラウドサービスである。大企業はもちろん、中堅・中小規模の企業に導入しやすいサブスクリプションモデルを採用している。
VDIは、端末のデスクトップ環境を仮想化する技術である。Windows 10やMicrosoft Office、各種アプリケーション、データなどで構成されるデスクトップ環境をサーバ上の仮想環境に構築し、端末からサーバ上の仮想化されたデスクトップ環境を利用する仕組みだ。全てのアプリケーションやデータはサーバ上にあり、処理結果の画面イメージが端末に表示されるので、端末上にデータが残らない。そのため、端末が盗難にあったり、紛失したりしても情報漏えいなど、情報セキュリティ上のリスクを防ぐことができる。
菊池氏は、「VDIは、利用している企業も増えてきている技術ですが、導入は一部の企業にとどまっています。そもそも、VDIとは何かを理解してもらうのが難しく、端末と同じことができる、しかも安心・安全、だから外にも持ち出せるし、仕事のやり方も大きく広がるということを分かりやすく説明するのがわれわれの務めです」と話す。
「VDIという言葉は難しいので、おまかせクラウドVDIというサービス名は変えた方がよいのではないかという議論もありました。しかし、端末の管理に悩んでいるITシステム担当者に分かりやすいネーミングの方が、奇をてらうよりお客さまの反応としてはよいだろうことになりました。当初は、仮想端末とか、仮想○○とか、いろいろ考えたのですが、あえてVDIという言葉を使いました」(田辺氏)
現在、多くの企業がVDI構築サービスを提供しているが、システムの構築には大規模な投資が必要なものが多く、中堅・中小規模の企業では導入できないのが実情である。おまかせクラウドVDIは、AWSが提供するクラウド型仮想デスクトップ(VDI)サービス「Amazon WorkSpaces」の導入・運用をサポートしており、初期導入コストや運用コストを抑え、中堅・中小規模の企業でも導入しやすい、クラウドサービスならではの価格帯で提供する。
菊池氏は、「VDIを検討して、諦めていた企業でも、お試し感覚で導入できるサービスです。最低利用期間がないので、取りあえず試してみて、だめだったらすぐに止められるのもメリットです」と語る。
また、情報セキュリティ面のメリットを菊池氏は、次のように話す。「あるお客さまの取引先の社員が端末を紛失して、情報漏えい事件を起こしてしまったのですが、これにより経営者が、自社の情報セキュリティ管理を再確認して、おまかせクラウドVDIの導入を検討したという事例がありました。情報漏えい対策などの情報セキュリティ対策に関しては、特に感度が高くなっています」
おまかせクラウドVDIでは、端末の情報管理をクラウドで一元化して、サービスとして提供されるので、中堅・中小規模の企業でも、容易に情報セキュリティ強化の課題を解決することができる。
田辺氏は、「全従業員の端末情報を管理するのは簡単ではありません。そこで、おまかせクラウドVDIを提案するときに、会社の端末情報をクラウドに一元化するメリットとともに、社員教育でガバナンスを徹底しましょうという紹介もしています」と話す。
さらに、仮想デスクトップの設定・変更から運用管理、サポートまで全てを任せられるのもメリットの一つ。田辺氏は、「特に中堅・中小規模の企業では、社内のIT環境を管理しているシステム担当者が1人で、ほかの業務と兼務していることも多く、システム担当者に業務が集中してしまいます。こうしたシステム担当者を、少しでも楽にするお手伝いをしたいと考えていることを伝えていきたいです」と話している。
おまかせクラウドVDIは、クラウドの初期設定、仮想デスクトップ設定と、状態監視、障害対応などの運用サポートサービスである。NTT東日本から提供されたAWSアカウントがあれば初期費用として、クラウド初期設定費用が1万1000円、仮想デスクトップ設定費用が1万1000円。月額利用料として、運用サポートサービスが1台あたり3300円で利用できる。(※料金表記は全て税込)
少子高齢化により、多くの企業で人材の確保が困難になっている現在、いかに生産性を向上し、従業員の満足度を向上させていくかが重要な課題となっている。また、働き方改革が求められている中で、テレワークにより社員の働き方を見直して、生産性を向上したり、社員の満足度を向上したりというポイントで、検討している企業も多くなっている。
例えば、あるコールセンターを展開している企業では、特にフルタイムで勤務してくれる人材の確保に苦労していた。おまかせクラウドVDIを活用することで、午前中だけとか、在宅ならなど勤務時間に制限のある人材も採用できるようにした。
「このコールセンターでは、パートタイムで働くことができる人材を有効に活用できないかを検討し、コールセンター向けソフトと電話のソフトをVDIに導入して、セキュアに端末を利用する仕組みを実現しています。同様に一般の企業でも、育児や介護で会社を辞めたり、長期休暇したりするのではなく、おまかせクラウドVDIを利用して、在宅で作業をしてもらうことでワークスタイルを変革できます」(菊池氏)
おまかせクラウドVDIを利用することで、インターネット環境があれば、いつでも、どこでも、セキュアに仕事をすることができる。例えば、顧客に説明するための資料をオフィスに忘れてしまった場合でも、わざわざオフィスに戻ることなく、外出先から必要な資料にアクセスすることができる。もし、外出先で端末を紛失したり、盗難にあったりしても、VDIであれば端末上に情報が保存されていないので、情報漏えいのリスクも軽減することができる。
「働き方改革が求められている現在、いろいろな調査結果を見ても、移動時間が大きな問題になっています。情報セキュリティが厳しいために、メールを見るためだけ、経費精算をするためだけなど、端末を使うために会社に戻らなければならないことがよくあります。こうした問題から社員を解放することで、業務の生産性を向上できるだけでなく、従業員の満足度の向上にもつながります」(田辺氏)
おまかせクラウドVDIのアピールポイントを田辺氏は、次のように語る。「VDIは使ってみて便利だと思ってもらうことが重要です。そこで、VDIを数万円でお試しできるサービスとして提供することが1番のアピールポイントになると考えています。また、Windows 10に移行しても、大規模なアップデートが年2回あるので、その間、業務が止まるだけでなく、その対応も情報システム部門の負担になります。おまかせクラウドVDIでは、アップデートなどの作業も含まれているので、こうした問題も解消されます」
また菊池氏は、「おまかせクラウドVDIを導入することで、VDIの導入から運用・管理をNTT東日本に任せることができます。利用するアプリケーションも、クラウド上で一元管理されているので、端末の故障や災害、障害からの復旧も容易にできます。社員が増えたときのキッティングやデリバリーもサービスを利用することで簡単に実現できます。中堅・中小規模の企業で、端末管理に問題を抱えていたら、ぜひお気軽にNTT東日本に相談し、おまかせクラウドVDIを試してみてください」と締めくくった。
※おまかせクラウドVDIのご利用には、NTT東日本から提供されたAWSアカウントおよびAmazon WorkSpacesのご契約が必要です。
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提供:NTT東日本
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2020年3月16日