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» 2023年01月06日 10時00分 公開

隈なく世界中に届く分散技術がクラウドの新たな領域を開く――アカマイ 日隈社長

アカマイは、世界中にネットワークとコンピューティングリソースを分散配備し、トラフィック渋滞という課題を解決するコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)や、情報漏洩やDDoS攻撃などのサイバー攻撃から組織を守るクラウド型セキュリティなど、独自のサービスを展開してきたが、近年は、「分散クラウドコンピューティング」という新しい領域を切り開こうとしている。この技術とサービスが企業のデジタル戦略にどのようなメリットをもたらすのか。アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者社長の日隈寛和氏に話を聞いた。

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CDN、クラウドセキュリティ、分散型クラウド――独自の技術でゲームチェンジを狙う

 アカマイ・テクノロジーズは、「インターネットの問題を解決する」技術を提供することからスタートした。インターネットが社会や企業に広がってトラフィックが増大していくと、ユーザーが1カ所のサーバーにアクセスする中央処理(集権)型の仕組みでは負荷が高く、パフォーマンスが大幅に劣化することが問題視されるようになった。これを解決したのが、アカマイのコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)技術による分散処理だ。

アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者社長 日隈寛和氏

 アカマイのCDNは、世界中に配置されたサーバー間のインテリジェントなネットワークでコンテンツを分散配信することで、パフォーマンスを向上させながらサーバーの負荷を軽減し、デジタル化されたサービスのスケーラビリティを飛躍的に拡張できるというメリットをもたらした。アカマイのインフラは各種クラウドサービスと組み合わせることで、クラウドアプリケーションのレスポンスを高速化することも可能だ。

 こうしたグローバルなインテリジェントネットワークと膨大なトラフィック情報は、アカマイのセキュリティサービスの基礎になっている。WAF(Web Application Firewall)やDDoS対策には、世界中から集められる脅威情報を基にした最新の検知・防御技術が応用されている。

 そして、世界中に分散したネットワーク/コンピューティングリソースを活用するエッジコンピューティングもアカマイの強みの一つだ。「Akamai EdgeWorkers」を利用すれば、ユーザー自身がアカマイのグローバルネットワークを構成するエッジサーバー上で独自のコードを作成、実行することが可能となり、アジャイルな開発をサポートする。すでに、多くの企業が独自のアプリケーションのロジックの一部をエッジに分散配備してユニークなサービスを実現し、新たな競争力を獲得している。

 「近年、企業のITやデジタル化されたサービスはオンプレミスからクラウドに移行してきました。アカマイは、その先にある“分散型クラウドコンピューティング”を提案します。現在のクラウドは中央集権型で、多くのユーザーが共同利用するメインフレームのようなものです。AI/IoTを活用した自動運転やスマートシティーなど、最先端技術が求めるリアルタイム処理や分散処理には向いていません。世界中に広がるエッジとクラウドを融合させるアカマイの分散型クラウドは、ITの世界をゲームチェンジする技術だと考えています」と話すのはアカマイ・テクノロジーズで職務執行者社長を務める日隈寛和氏だ。

 日隈氏は2021年、社長に就任し、日本市場における事業戦略の定義、主導、実現に取り組んでいる。半導体チップの設計などを手掛ける技術者出身で、IT、クラウド、通信、IoT、セキュリティといった幅広い分野で30年以上の経験を有し、テクノロジー企業でリーダーを務めてきた。

 「アカマイは技術志向が強い企業で、イノベーティブなソリューションを生み出してきました。技術者が多く、役割を越えてワイワイガヤガヤと議論を楽しむ、そんな企業文化があります。そういった気質もあって、自社や製品をアピールすることは不得手なところがありますが、非常に魅力的な組織だと感じています」(日隈氏)

ハイパースケーラーのクラウドで課題に直面するユーザー企業

 企業を取り巻く環境は大きく変わりつつあり、コロナ禍や国際情勢がさらに拍車を掛けている。日本企業も急激な顧客ニーズや社会の変化に追随するためにデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを加速し、新しいサービスの準備・開発を急いでいる。移り変わるビジネス環境に合わせて迅速にデジタルサービスを提供するためには、クラウドの活用が鍵となっているが、EUのGDPRや日本の改正個人情報保護法など、各国・地域の規制もあって一筋縄ではいかない。域内データの取得、保管、保護といった地理的要件に基づくデータ/ワークロードの分散配置も欠かせない。もちろん、高度化するサービスに合わせてユーザーエクスペリエンスの向上も求められる。

 ハイパースケーラーを中心としたパブリッククラウドを利用する日本企業も増えているが、複雑化したサービスや課金体系に悩まされることも多いことだろう。加えて、ビジネスの成長や為替の変動などでクラウドコストが急激に増大すると、ROIの予測も難しくなる。

 「ユーザー企業がクラウドの恩恵を十分得るには、より最適なサービスを提供するクラウドベンダーに自由に移行できる仕組みが重要です。例えばコンテナは、ワークロードを柔軟に配置できる有用な技術で、アカマイも積極的に取り入れています。実際、企業もベンダーロックインを回避しようと運用の内製化に取り組み始めています。私たちが注力している分散型クラウドも、柔軟なクラウド活用を可能にする技術です。アカマイの戦略は、多くの企業が取り組んでいるマルチクラウド&ハイブリッドクラウド戦略と非常にマッチしているのです」(日隈氏)

エンタープライズが安心して利用できるクラウドの実現へ

 マルチクラウド&ハイブリッドクラウドを検討する上で注目したいのが、2022年にアカマイが買収したIaaSプラットフォームプロバイダーLinodeの技術だ。シンプルなインタフェースでCPUやメモリなどを選ぶだけで、コンピューティングリソースと100種類以上のアプリケーションを瞬時に展開できる。アカマイでも、非エンジニアのスタッフがLinodeを利用して、たった5分で「WordPress」によるブログサイトを構築できたという。つまり、だれでも驚くほど簡単に扱える。

 「高騰するハイパースケーラーのサービスを全ての事業領域で利用する必要はありません。Linodeを基盤としたアカマイのクラウドコンピューティングリソースを活用すれば、いまご利用のクラウドインフラのコストを大幅に抑制できます。またアカマイのクラウドサービスは、グローバルで統一されたシンプルな料金体系を採用しているため、設置するリージョンの違いや為替などの環境変化の影響を気にすることなく、DXを推進して新たなサービスの提供に注力できるのです」(日隈氏)

 現在、Linodeをベースにしたアカマイのクラウドコンピューティングのデータセンターは東京をはじめ世界11カ所に設置されており、仮想サーバーやコンテナ、ストレージ、データベースを容易に配置することができる。2023年には大阪データセンターを新設する他、北米、アジア太平洋、中南米、欧州に12カ所以上も追加する計画が進行中だ。

 「従来のLinodeは、主に、中小規模の事業者やサービスで人気がありましたが、アカマイの技術やノウハウを組み合わせてエンタープライズグレードの信頼性と機能拡張を図っており、幅広い企業が使いやすいクラウド環境を、ハイパースケーラーと呼ばれるクラウド大手3社に比べて非常に低いコストで運用できるようになります。特にそのトータルコストの削減効果には、きっと驚かれることでしょう。Linodeは、アカマイが描く次世代の多様なニーズに対応し、かつ最適化された分散コンピューティングを提供するためのコアコンポーネントとなります」(日隈氏)

世界中のどこまでも届くアカマイのサービス

 アカマイは、インターネットトラフィックの渋滞を解消するCDNサービスでビジネスをスタートさせたが、現在のビジネスの半分はセキュリティサービスが占めており、今も着実に成長しているという。セキュリティは、多種多様な技術とコンピューティングリソース、人的リソースを必要とするサービスだ。「CDNサービスによる健全な収益体制を整え、インテリジェントネットワークという技術基盤を地道に整備してきたからこそ、現在、企業が求めるセキュリティニーズに応えるような研究開発にも十分な投資を行うことができた」と日隈氏は説明する。

 アカマイは、上述したようにデータセンターの配備を強化してネットワークとコンピューティングリソースを世界中に分散配置し、ハイパースケーラーの手の届かない地域までサービスを幅広く提供してきたが、クラウドコンピューティングという新たな事業領域でも、その延長線上でフル機能を備えた「コアサイト」に加えて、世界中の地域に「分散型サイト」の展開を図っていくという。

 「市場でもIaaSやSaaSだけでなく、PaaSやData as a Service、コンテナ as a Serviceなど、さまざまなクラウドサービスが求められています。アカマイは、こうした幅広い領域へ継続的に投資し、クラウド移行などのニーズの高い需要に応えていく一方で、クラウドとエッジを密に組み合わせた新しいサービスの実現を目指します」(日隈氏)

 同社はまた、事業を行っていく上でさまざまなクラウドサービスを利用している立場にあるが、今後はアカマイが提供する既存のサービスでも、この新たに手に入れたクラウドに現在利用しているハイパースケーラーからコンピューティングリソースを移行していくという。

 日隈氏は「単に技術を提供するだけでなく、活用することで培ったノウハウを還元し、エンタープライズクラスのお客さまにも安心して末永く利用してもらえるサービスに進化させたいと考えています」と明かす。

 実際、複数の大手顧客で世界中に分散配置された、低コストのサーバーの特性を活かした超大規模サービスでの利用プロジェクトが進んでいるという。「特別なカスタマイズが必要な大規模コンピューティングリソースの確保にも柔軟に対応していますので、そのようなこれまでのLinodeが提供してきたサービスの枠にとらわれないニーズも、ぜひ当社にぶつけてみてください」と日隈氏は締めくくった。

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提供:アカマイ・テクノロジーズ合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2023年2月8日