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オラクルの最新版DBMS CIOが知っておくべきポイントTechnology Focus(2/2 ページ)

日本オラクルは、2007年10月23日より、データベース管理ソフトの最新版「Oracle Database 11g」の国内出荷を開始する。ここでは、注目されるOracle Database 11gについて解説する。

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自動化で負担を軽減

 400もの新機能をここですべて説明することは不可能だが、ポイントとなりそうな機能を紹介しよう。もちろん、オプションの新機能を無視するわけにはいかない。

 まず管理性であるが、Oracle Database 11gの管理機能は、顧客がエンタープライズ・グリッドを容易に管理し、期待するサービスレベルを達成できるよう設計されている。

 新しい管理機能としては、自己学習による自動SQLチューニングや自動メモリ・チューニングといった自動チューニング機能が強化された。チューニングにかかる工数を大幅に削減でき、データベース管理者の負担を軽減するだろう。不具合が発生した際に自動的にパッチを取得し適用する機能や、システムを停止することなくオンラインでアップグレードする機能も搭載されている。

 また、重大なエラーが発生した場合、管理者は調査に必要なデータを収集する必要があるが、Oracle Database 11gでは障害の調査に必要なデータを自動的にリポジトリに格納する障害診断機能が追加された。この機能により問題解決までの時間が短縮されるだろう。

BCP投資を有効活用

 特に運用管理コストの削減に寄与しそうな機能としては、Real Application Testingがある。ビジネスの変化に追従していくには、システムのバージョンアップや変更が必要だが、そのためには人海戦術で取り組む場合が少なくない。多大な人件費がかかるともに、変更時のインパクトを把握するためのテストにもかなりの工数と日数を要する。

 Oracle Database 11gでは新たにテスト支援機能であるReal Application Testingが追加された。この機能は、本番環境でのデータベースに対するワークロードをキャプチャーし、それを変更をかけた検証環境で忠実に再現できるようにしたもの。

 従来はテスト担当者の経験をもとにした擬似的ワークロードによる検証がほとんどであった。本番環境のワークロードをキャプチャーするというユニークな機能により検証精度が高まり、テストに要する工数と日数を大幅に削減できるに違いない。変更後も適切なパフォーマンスを維持するための機能も用意されている。

 これと同時にActive Data Guardを用いると、スタンバイサーバを検証環境として活用できるため、災害対策のための投資を、変化対応のためのシステム変更リスクの最小化に活かすことができる。この2つのオプションだけでも大きな節約となるはずだ。「ITmedia エグゼクティブマガジン12月号」掲載「Technology Focus」よりウェブ用に再編集した)

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