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「IT部門は無駄飯喰らい」「CIOに戦略意識が必要は俗説」(3/3 ページ)
CIOはどうあるべきか――ワセダCIOフォーラムでは「会社を変える CIO」と題して、2人の現職CIOを交えたパネルディスカッションが行われた。大きな改革を成し遂げた両氏の活動が1つの参考になるかもしれない。
木内氏は情報子会社の社長も兼務し、その再構築にも携わっている。全社員を本社に出向させてガバナンスを向上させつつ、徹底した情報機能子会社化を押し進めた。「最近では、役割意識が明確になってきたので、社員を再び子会社の所属に戻すようにした。現状の大きなテーマとしては、こうしたIT部門の人材を、いかに育成していくかということ」(木内氏)
CIOの役割とは何なのか
早稲田大学の根来龍之教授は「CIOの役割は一言で言い表しにくいものだ」と指摘する。そもそも情報システム部門には、いろいろな役割がある。また、会社の置かれた環境によって課題もさまざまだからだ。しばしば「CIOには戦略意識が必要」とも言われるが、同氏はこれも俗説にすぎないと退けている。
「企業の成長ステージによって、戦略意識の必要性も違ってくるのではないだろうか。会社は組織で動いているだから、CIOにはさまざまなスキルのある部下を上手に使うマネジメント能力が求められる。企業のニーズの中で、求められる役割をきちんと果たせる人材を、きちんとリードできればよい」(根来氏)
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