世界最大のSNS「MySpace」を支える Greenplum:ITmedia エグゼクティブセミナーリポート
デジタルデータの増加に伴い、各企業ともその管理に対する投資が進んでいる。データベース管理システムを提供するGreenplumは、コストパフォーマンスの良さを武器に飛躍を遂げている。
情報データの肥大化が止まらない。2006年に161エクサバイト(エクサは10の18乗)だったデジタルデータは、2010年には988エクサバイトに膨れ上がるという。情報爆発時代に向けて、より高度なデータ活用が必要になる。
3月18、19日の2日間で、企業の経営層に向けたイベント「第4回 ITmedia エグゼクティブセミナー」が開かれた。2日目にはBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアの米Greenplumのルーク・ロナガンCTOが、データ分析による業務効率の向上について考えを示した。
データウェアハウス(DW)向けシステムを開発する同社は、2006年にx4500サーバ上でDW向けアプライアンスを提供するために、米Sun Microsystemsとのパートナー連携を発表した。これにより、データベース管理システム(DBMS)のベンダーとして認知度が向上しただけでなく、営業よりも開発やサポートに注力できるようになった。同社の強みに拡張性の高さとパフォーマンスの良さを挙げたロナガンCTOは、「われわれの製品は、T(テラ)バイト当たり2万ドルで、消費電力は100ワットに抑えることができる。これは、競合の5倍の性能だ」と意気込んだ。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「myspace.com」を運営するMySpaceは、Greenplumのソリューションを導入する企業の1つである。北米を中心に1億人以上のユーザーを抱える同サービスでは、毎日100億件の新たなトラフィックがあるため、マーケティングで活用するべく大容量データの分析を望んでいた。Greenplumのサービスを導入したことで、1時間で4Tバイトのデータをロードし、1秒間に400Tバイトのデータの処理要求(クエリー)が可能になった。結果として、運用コストを抑える一方で、効果的なターゲットマーケティングを実現できたという。
そのほか、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックなどの金融機関や、メディア大手の米O'REILLYなどにも導入範囲が広がっている。ロナガン氏は「データウェアハウス市場は今後も右肩上がりだ」と、成長の勢いを強調した。
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