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米環境保護庁が画策する新たなENERGY STARプログラム(後編)トレンドフォーカス(2/2 ページ)

データセンターのグリーン化に積極的な施策を進める米国政府では、電力削減の改善活動に必要なツールも準備しつつある。そして、いよいよENERGY STARのサーバ版のスペックが年末に明らかになるという。

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最初は普及型サーバが対象

 EPAではENERGY STAR for Serversの策定に向け、より透明度の高い情報提供のため、年末までに評価スペックの定義を2つ検討していくという。1つはサーバ製品について作業を進め、基本的な基準を設定し、それらを全て組み合わせることで、そのサーバがENERGY STAR基準に合致するのかを認定する。具体的には、第一段階で電力供給効率、待機電力の低減率、電力管理と仮想化技術の利用、エネルギー使用実績の報告といった内容をまず固め、次の段階ではこれらを基に、複数のワークロードでの処理性能と消費電力を考慮した効率基準を、12カ月〜24カ月をかけて策定していく考えだ。


サーバの電力効率には、電源ユニットのアイドル電力が大きく影響する

 主に、ラックマウントやブレード形式での普及機種が対象となり、その中で最も性能の優れたものの導入を推奨していく。ただし、今回はネットワーク製品やストレージ製品、4プロセッサ以上のハイスペックサーバに関しては当面対象から除外するという。

 また、2つ目の定義が電源スペックだ。多くのサーバがまだ仮想化環境を活用しておらず、終日アイドル状態での電力消費も無視できないほど大きい。製品間にはその差が大きく存在するということをユーザーに知らしめるとともに、ENERGY STAR認定のサーバであれば、AC/DCやDC/DCで最も効率よく電力を利用することを保証したいという。

日本企業からのフィードバックも期待する

 さらに、ENERGY STARのシールが付けられた製品には、性能を示したパフォーマンスシートを組み合わせて提供する。それにより、メーカーは製品性能を公開することでマーケティングツールとしてもこのシートを利用できるという。顧客がより多くの標準化された情報を有し、サーバ製品がその寿命を通じてどれだけの電力を消費するのかを把握できるようにすることが、長期的にメリットをもたらすのだというわけだ。


ENERGY STARの性能認定を示したパフォーマンスシートの例

 ファナラ氏は、このENERGY STAR for Servers計画について年内までに評価システムの最終ドラフトの策定を終了させ、2009年1月には最終スペックでの実施を開始したいという。「その基準作りのために、国際的なコラボレーションへの参加と情報の共有を進めていきたい。日本においても経済産業省の進めるイニシアティブに対し、多くの企業からのフィードバックを期待している」と語る。

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