米ヘルスケア業界、最大の課題は「肥満」と「カルテの非電子化」
米国人の肥満は深刻な社会問題だ。肥満に伴う心疾患や糖尿病などの増加や、運動不足を原因とする死亡率上昇を抑えることが今後と課題となる【アンケート連動記事】。
調査会社のシード・プランニングは9月2日、米国のヘルスケア(医療および健康)市場における主要30社に対して2008年6月〜8月に実施した調査結果を発表した。米ヘルスケア分野における最大の課題は、「肥満対策」と「医療情報の電子化・共有化」であることが明らかになった。
米国勢調査局データによると、2007年度に肥満者は30%を超え、過体重者と肥満者(BMI*1が25%以上)を合わせると65.3%となる。健康分野においては、国民の肥満とそれに伴う心疾患や糖尿病などの疾病の増加、肥満や運動不足を原因とする死亡率の上昇を抑えることが課題になっている。
また、カルテの電子化率は、2008年の時点で20%以下であり、処方せんも手書きの紙が主流である。米国の国民総生産(GDP)に占める医療費の割合は2006年で15.3%で、日本の8.2%と比較しても高いが、背景には高額な医療費だけでなく、IT化の遅れによる非効率的な医療システムが存在する。
現在米国人の健康への関心は高い。健康情報を得る手段としてWebの活用は年々高まっており、ヘルスケア分野のWebサイトは6000件を超えるという。ITを利用するヘルスケアビジネスの注目事例が数多く創出され、大手企業からソーシャルネットワークを通じて肥満の解消を支援する小規模企業まで、さまざまなビジネスが成立している。
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