6カ月後の姿を思い描けているだろうか?:問われるコーチング力(1/3 ページ)
企業目標を達成するために戦略を立てないという人はあまりいないだろう。戦略の中身はもちろん重要だ。しかし目標を確実に成し遂げるには、より具体的な方針が不可欠である。
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3回にわたり、ビジネスコーチングモデルを作る上で大切な「ビジョン」「価値観」「ミッション」について説明した。今回はそのビジネスコーチングモデルを基に、数ケ月先のゴールを確実に達成するための「タクティックミーティング」について話したい。
タクティック(tactic)は戦術という意味で、タクティックミーティングとは、「ゴールを達成するための中長期的な戦術を策定するミーティング」と考えてほしい。このミーティングを開き、何かを実行するための計画、戦術を練るのである。
タクティックミーティングでは、6カ月後のゴールを確実に達成するということを念頭に、次の点について議論していく。
(1)6カ月後のゴールは何か? ゴールを達成すると、会社はどのように変化するか?
(2)そのために何をするか?
(3)誰に何を任せるか?
(4)ゴールを達成する上での課題と解決策とは?
タクティックミーティングのポイントは、リーダーおよび各メンバーが、自分自身や組織について深く考えることだ。その際、必ず紙に書き出すことが大切である。紙に書くことで自分の考えが整理され明確になる。後で何度も見返すことができる利点もある。
タクティックミーティングを実施する上で参考になる、80:20の法則(パレートの法則)を紹介したい。この法則は、1897年にイタリアの経済学者であるヴィルフレード・パレート氏が発見した法則である。パレート氏は「人口の占める比率と富の間には、数理的な関係の方式があり、分布に一定の割合で不均衡が存在していること」、「その不均衡が社会で起こる出来事すべては数学的にパターン化されて表されており、その割合が80対20であること」を発見した。
この80:20の法則を企業に当てはめると、次のようになる。
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