▽中国、GDP成長率の9%維持可能か
中国社会科学院が12月2日に北京で発表した2009年「経済青書」によると、2009年の中国のGDP(国内総生産)成長率は引き続き低下する可能性が高いが9%以上は維持することができ、インフレ率も5%以下に収まるという見通しを示した。
「経済青書」による2009年
青書では、2009年は重大な不確実要因が存在しているが、9%成長は可能だとしている。そのためにはマクロ調整や措置を適時適切に行い、外需が著しく減少しても、消費需要の喚起など積極的な内需拡大や投資の安定化を図り、非生産性投資の適度の増加、新農村建設の加速化、経済発展モデル転換の加速化、重要分野における改革のスピードアップなどに力を入れる必要があるとしている。
経済の急成長期には、安定した雇用や住民、企業、政府の収入の伸びが大きくなり、多くの構造的問題を引き起こしやすい。また深い段階の問題が覆い隠され、経済の伸び率が持続的に必要以上の速さとなると、たとえ総量で供給が需要の拡大に応えることができるとしても、構造的な需給矛盾はインフレ問題をもたらす可能性があるとしている。
安定的でかつ比較的速い発展を引き続き維持するために、青書は次のように提案している。
「経済青書」による提案
1. 2009年は、「成長の確保、モデルチェンジの促進」を基本方針に据える。
2. 積極的な財政政策を実施し、さらに市場による資源配置の役割を発揮する。
3. 低価格賃貸住宅やエコノミー住宅の投資を拡大し、不動産市場の安定化を図る。
4. 消費政策を改善し、消費の潜在力を掘り起こす。
5. 外国貿易政策を完備し、輸出型企業が難関を乗り越えることができるよう支援する。
6. 好機をとらえて、資源やエネルギー価格の市場化を図る。
▽国際市場、中国の会計基準を評価
欧州連合(EU)はこのほど第三国の会計基準に国際会計基準との同等性評価を与えるかどうかについて投票を行い、中国の企業会計準則および国際財務報告準則に同等性評価を与えることを決定した。これは国際資本市場が中国の企業会計基準を初めて受け入れたことを意味する。
財政部の関係者によると、同等性評価が得られたことにより、中国企業のEU市場における上場コストが軽減され、企業の海外進出にプラスになるとともに、EUが中国を市場経済国として承認するよう促進し、中国企業が輸出に際して直面する反ダンピング措置問題を解決し、企業の輸出環境を改善するのにもプラスになる。
会計基準の同等性とは、A国の会計基準とB国の会計基準とが同等の有効性をもつことをいうが、この場合、B国で上場したA国企業が自国の基準に基づいて作成した報告などを、B国の監督管理機関は有効であるとして受理することになる。
▽中国創業ボード、時期を見て開設
中国証券監督管理委員会(証監会)の尚福林主席は12月1日、上場企業のM&Aや再編の推進、中小企業への支援強化、社債市場の発展、監督管理のさらなる強化など、今後は4つの作業を重点的に行うとし、次のように名言した。
1. M&Aや再編を奨励する。
産業構造の調整を促進し、上場企業が新たなM&Aや再編を行うことを奨励し、総合的な競争力を高めていく。
2. 中小企業への支援を強化する。
タイミングをみて創業ボードを開設し、全国統一の監督管理に基づく場外取引市場ルートの構築を検討し、中小企業の新たな資金調達モデルを通し、中小企業の資金調達難を緩和する。
3. 社債市場の発展に力を入れる。
4. 監督管理を一層強化する。
※この記事は内田総研グループ発行のメールマガジン『士業・net』の一部を加筆・修正し、許可を得て転載しています。
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