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景気が好転する? 2009年レコード大賞の行方に注目景気探検(2/2 ページ)

昨年秋の「リーマンショック」以降、厳しい状況が続く日本経済。この閉塞感を打ち破るジンクスが年末のレコード大賞に隠されているという。

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苦しい時の神頼み

 突然リストラされた非正規労働者関連の連日のニュースなど景気の厳しさを伝える報道が多いこともあって、2009年の正月三が日の初詣での人出は9939万人と昨年末の事前予想9806万人を上回って史上最高を更新した。「苦しい時の神頼み」が増えたようだ。

 しかし、先行CI採用系列の中の東証株価指数・前年同月比が1月分からプラスに転じる可能性がある。1〜3月分の東証株価指数・前年同期比という系列の符号がプラスになるための、東証株価指数・月中平均値の最低水準は1月分が755.81円、2月分787.08円、3月分674.60円である。1月5日から8日までの終値の平均値は875.31円であるので、いつまでも先行DIの0.0%が続くことはなさそうだ。

 2008年の世相を表わす漢字は「変」になった。もっと悪い意味の漢字が選ばれても仕方なかったが、「Change」という意味もある「変」という字が選ばれたことに、国民の中にある前向きさを期待したい。

レコード大賞の連覇が景気を左右

 レコード大賞で連覇する歌手が出ると景気の局面が変わるというジンクスがある。過去、細川たかし、中森明菜、安室奈美恵、浜崎あゆみと4人ともそうだった。同じ歌手の曲が飽きずに選ばれる局面では、景気という大きな環境が変化しているのだろう。2008年はEXILEが受賞した。EXILEは2008年にオリコン年間アルバムランキングTOP10内に3作を送り込むなどヒットを量産し、1998年のB’z以来、実に10年ぶりの年内のTOP10内に3作ランクインを果たした。そうした実力派グループだけに連覇の可能性もあろう。連覇になれば2008年は景気後退局面であるため、ジンクス上2009年12月30日は景気拡張局面になっている可能性が出てこよう。

 人生の応援歌が流行ると景気後退の終了も間近になる傾向がある。昨年大みそか放送の「NHK紅白歌合戦」の平均視聴率は42.1%であった。3年ぶりの40%台回復だ。

 歌手別視聴率では、「羞恥心 with Pabo」が47.8%とトップを獲得した。国民の半分程度が聴いた彼らの歌「陽は、また昇る」の歌詞には「頑張れ日本、凄いぞ日本」という日本経済への応援の部分があり、大晦日にこの応援歌が多くの人の耳に届いたことが、人々を前向きな気持にさせて、先行き景気の持ち直しにつながることを期待したい。


プロフィール

宅森昭吉(たくもり あきよし)

「景気ウォッチャー調査研究会」委員。過去に「動向把握早期化委員会」委員、「景気動向指数の改善に関する調査研究会」委員などを歴任。著書は「ジンクスで読む日本経済」(東洋経済新報社)など。


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