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「日本企業はもっと決断を早く」――太公網・慕社長(2/3 ページ)

中国でコールセンターを運営する敏腕女性社長が語る、日本企業が中国人と上手にビジネスを進めていくためのコツとは?

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日本語に長けた中国人を現地採用

――日本には独特の文化や言い回し、サービス精神などがあります。それに対する教育はいかがですか。

 言葉のニュアンスを教えることは難しいです。幸いなことに当社は、顧客に対して即座に応答する必要のないEメール業務も多いので、少しずつ日本のやり方を体験し学ぶことができます。そのほか、1、2カ月間のコールセンター業務を音声録音し、それをすべてテキストに起こす仕事もあります。それを繰り返すことで日本人特有の言い回しなどに慣れていきます。


――オフショア先として大連や成都を選ぶ日本企業は多いです。ほかの地域と比べて延吉が勝っている点は何ですか。

 やはりコストでしょうか。大連では日本語を話せる人材が少ないので、コールセンターを離職して別のコールセンターで働くという人が多いです。その過程で給料が上がっていくため、平均的な人件費も高くなっています。それに伴い、人材の確保も難しくなっています。コールセンターのマネジャークラスであれば大卒でも就職しますが、オペレーターの仕事はまずやりたがりません。

 延吉では、コールセンターは「きれいな会社でパソコンを使える」という高級な仕事なので大卒の優秀な人材を確保することも可能です。さらに地元志向が強いため、離職率が低いのです。


――組織の中で中国人社員を管理していくのは難しいという声を聞きます。社長として部下をマネジメントする上での苦労はありますか。

 当社では業務をマニュアル化して、厳しく管理しています。オペレーターの管理は比較的容易で、この方法でうまくいっています。中国のコールセンターの離職率は30%だと言われていますが、当社は20%程度です。

 マネジメントが難しいのは技術部門や営業部門の社員です。中国人は米国人と似ていて上昇志向が強く、給料の高い会社に行きたがります。優秀な人材を引き止めるために、会社のビジョンに共感してもらったり、魅力的なキャリアパスを示してあげるといった工夫が必要です。

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