上司に優しさを求める新入社員にどう接するべきか:問われるコーチング力(1/2 ページ)
今年の新入社員は仕事に対して受身の姿勢で臨む人が多いという。彼らに対して組織のリーダーは自らホウレンソウを実践し、態度で示すことが重要だ。
いよいよ新年度がスタートした。新入社員が入ってきて、活気付いている職場もあるだろう。今年の新入社員には、どのような傾向があるだろうか。毎日コミュニケーションズが3月18日に発表した「マイコミ内定者レポート 2009年入社予定内定者の意識調査」では、2009年入社予定内定者の特徴が浮き彫りになっている。
社会人になることに対する今の気持ちについては、次のような結果が出ている。
・期待が大きい 13.4%
・どちらかというと期待が大きい 36.4%
・どちらかというと不安が大きい 42.1%
・不安が大きい 8.1%
期待よりも、不安を感じている人のほうが若干多く、経済危機を反映した結果ともいえる。
求める上司像については、次のようになっている。
・ミスをしても、叱らずやさしく指導してくれる上司が欲しい 54.4%
・ミスをしたときは、きちんと叱ってくれる上司が欲しい 45.5%
上司には、厳しさよりも優しさを求める傾向が強いことが分かる。また、仕事を任せてもらって主体的に行動したいという願望よりも、人間的な魅力のある上司に丁寧に指導してもらうことへの期待が強く、受身の姿勢が浮かび上がってくる。
上司からも部下にホウレンソウを
このような傾向の新入社員にどのように接したらよいのか、頭を悩ませているリーダーも多いはずだ。そこで、わたしが提案したいのが、リーダーから率先してホウレンソウ(報告・連絡・相談)を行い、一方通行ではなく双方向のホウレンソウを実践することである。
わたしがこれを提案する理由は、次の3つである。
1. スピーディかつ正確なコミュニケーションがビジネスの成果を大きく左右するようになっている
2. ホウレンソウをするのが面倒だと考える若い世代が多い
3. 職場の業務を円滑に進めていくことができる
現在、ものすごいスピードで世の中が変化している。ビジネスの現場でも同様で、こうした環境においては、職場のコミュニケーションが非常に大切になる。これまでのように部下からリーダーへの一方通行のコミュニケーションに頼っていては、ビジネスのスピードにはついていけない。
リーダーに対してホウレンソウするのがわずらわしいと感じる若い世代も増えている。報告がなされないことによって、大きなビジネスチャンスを失ってしまうケースは珍しくない。ホウレンソウをリーダーから率先して行うことで、メンバーにホウレンソウの大切さを気付かせるとともに、ホウレンソウのやり方(何を、いつ、どのようにするのか)を背中で示すことができるのである。
一方通行のホウレンソウでは、組織全体の情報の循環が滞り、トラブルが起こりやすくなる。双方向のホウレンソウを通して、組織内で発生するさまざまなリスクを最小限に抑え、業務を円滑に進めていくことが可能になるのである。
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