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上司に優しさを求める新入社員にどう接するべきか問われるコーチング力(2/2 ページ)

今年の新入社員は仕事に対して受身の姿勢で臨む人が多いという。彼らに対して組織のリーダーは自らホウレンソウを実践し、態度で示すことが重要だ。

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ホウレンソウを通じて新人とも課題を共有

 では、このホウレンソウをどのように実践したらいいだろうか。次の5つのステップを参考にしてほしい。


第1ステップ:リーダーがホウレンソウの重要性と役割について正しく認識する。

第2ステップ:ホウレンソウのやり方をメンバーに説明する。

第3ステップ:リーダーが自らホウレンソウを行ってみせる。

第4ステップ:メンバーにホウレンソウを実践させてみる。

第5ステップ:その結果を観察し、メンバーに自己評価させる。問題があれば、その場でフィードバックする。


 ホウレンソウは、以前紹介した4つの質問(報・連・相シート)を活用するのが有効である。おさらいになるが、4つの質問とは以下の通りである。


うまくいったことは何か?

うまくいかなかったことは何か?

うまくいかなかった原因は何か?

次の一手は何か?


 この質問に対する返答を週1回記入して、まずはリーダーがチームのメンバーにメールなどで送る。新入社員にも記入してもらい、それを全員で共有する。書く際に気を付けることは、時間をかけすぎないことだ(4問で10分程度が目安)。時間をかけすぎるとあれこれ考えてしまい、本題から外れたり、自分をよく見せようと思ってしまうからである。毎週会議を行っている職場であれば、事前にこれをメールで共有した後、会議の冒頭で議論するとよいだろう。

 4つの質問をチームで活用する上で大切なのは、リーダーが率先して行い、自分がどのような心構えで仕事に取り組んで、どんな課題を抱えているかを示すことである。メンバーが記入してきたものに対しても、必ずフィードバックをすることが重要だ。せっかくホウレンソウをしても、それに対して何の反応もなければ、部下はなぜこんなことをやっているのだろうかと疑問に感じたり、これでいいのだろうかと不安になったりして、やる気を失ってしまう。「頑張っているね」「この点を改善したらどうだろう」など、ひと言でも意見を述べることが必要である。

 なお、リーダーが行うホウレンソウについてもっと詳しく知りたい人は、拙著『リーダーが実行する新ホウレンソウの本』(中経出版)を参考にしてほしい。リーダーが率先してホウレンソウを行うことで、メンバーがホウレンソウの重要性を認識し、組織内でのコミュニケーションが円滑になる。ひいては新入社員が能力を発揮できる働きやすい職場になるのだ。


「問われるコーチング力」バックナンバーはこちら



プロフィール

細川馨(ほそかわ かおる)

ビジネスコーチ株式会社代表取締役

外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。



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