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大切なのはバランス感覚―老化度と老化危険因子―エグゼクティブのためのアンチエイジング(2/2 ページ)

「老化」と言ってもさまざまですが、その多くは働き盛りの30〜40歳代に何かしらの形で現れ、やがて深刻なリスクにつながっていくのです。新連載「エグゼクティブのためのアンチエイジング」では、健康増進とともに日常生活の質を向上させ、最終的に健康長寿を目指すための「抗加齢(アンチエイジング)医学」について紹介します。

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病は気から、老化も気から

 いくら健康に無頓着な人でも、機能年齢の若返りとなると目の色が変わってきます。肌の機能年齢を若返らせるために努力を惜しまない女性エグゼクティブも多いはず。そんな読者のためには、しわ年齢、しみ年齢、毛穴年齢、うるおい年齢、もちはだ年齢の評価と対処法があります。

 結果は個人によって異なるので、老化の弱点と最も大きな危険因子を是正する指導や治療が必要です。数ある選択肢の中からアンチエイジング専門家により、自分がやるべきことの優先順位をつけてもらいましょう。10個ある選択肢をすべて実行するより、まずは一番大事なこと、二番目に大事なことを実践します。的さえはずさなければ、この2項目を実践するだけで全体の8割は克服できます(パイレーツの法則)。健康バランスが調整できるのです。

 治療の原則は食事、運動、精神療法といった生活指導。「病は気から、老化も気から」もっとも大切なのはこの精神の部分です。次に若さと健康を保つ大事なホルモン分泌を自分自身で促すこと。身体をさびさせてしまうフリーラジカルから身体を守ることも大切です。毒物や老廃物を溜め込まずにうまく排泄させて体内浄化しましょう。サプリメントに関する情報も氾濫していますから、正しい知識を持つような教育活動もしています。

 抗加齢医学は内科、外科、眼科、皮膚科、歯科などすべての専門領域の垣根を越えて、共通認識として持ってもらいたい医学です。それだけではなく開業医、勤務医、産業医、学校医など立場の垣根も越えた学問です。将来的には企業エグゼクティブだけでなく、さらに広がって国民の常識になって欲しいと願っています。

 これから定期的にアンチエイジングの話を紹介していきます。どうぞよろしく。


著者プロフィール

米井嘉一(よねい よしかず)

同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター教授

1958年東京生まれ。1986年に慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程を修了後、UCLAに留学。1989年に帰国後、日本鋼管病院内科 人間ドック脳ドック室部長を経て、2005年に同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授就任。現在は同志社大学生命医科学部の教授を兼任し研究に尽力するほか、日本抗加齢医学会の国際担当理事として、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど各国の抗加齢医学会との交流に努める。主な著書に「抗加齢医学入門」(慶應義塾大学出版会)、「アンチエイジングのすすめ」(新潮社)など。


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